平成28年5月18日 創造応用ⅠS 物理・生物

本校物理教室および生物教室において、未来創造コース2期生(2年)理系選択者対象に、物理と生物の実験をそれぞれ行いました。この内容は生徒が履修している物理生物選択とは関係なく、未来創造コース2期生(2年)理系選択者を二つのグループに分けて行いました。

生物では、「目の構造とものが見える仕組み」をテーマに、講義と実験観察を行いました。まず、ヒトの目の構造について簡単な講義を受けた後、実際にその構造を確かめるために、ヒトの眼球とほぼ同じ構造である豚の眼球の解剖を行いました。豚の眼球をハサミで半分に切り分け、眼球の内部に充満しているガラス体(硝子体)の状態や視神経の位置を観察しました。また、水晶体を新聞紙の文字上に置くと、文字が拡大されて見えることから、水晶体がレンズの役割を果たしていることも確認することができました。
次に、ものが見える仕組みについての講義と簡単な実験を行いました。実際に色を認識している範囲は見えている範囲のごく一部であり、残りの範囲の色は脳が補完して見せていることや、盲点があるために、実際には見えていない部分も、まわりの環境に合わせて脳が補完していることに気付くことができ、目と脳のはたらきについての理解を深めました。

   

 

物理では、「乾電池の起電力と内部抵抗を測定せよ!」という課題を与えられ、乾電池を用いて回路を組み、電流計、電圧計、スライド抵抗器を用い、抵抗値を変化させながら回路に流れる電流値と測定し、グラフを描くことで電池の起電力を推定しました。今回の探究活動もグループでの活動で、各グループ仮説を立てて実験を行い、得られたデータから分析を行うという研究のサイクルを学びながら、乾電池の起電力について考えました。最終的には個人でレポートを作成し、レポートの中で考察を行いました。

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6月22日の創造応用ISの時間で、今回受けなかった科目(物理もしくは生物)の実験を行う予定です。

〈生徒の感想〉
1.今回の学習で興味関心を持った点
2.今回の学習で為になった点
3.今回の学習から見つかった課題

【物理】

1. オームの法則が成り立たなかったこと。教科書に書いてあることなので、成り立つだろうと思っていたけれど、成り立たなかった。誤差があるかもしれないが興味深かった。
2. 実験道具は大切にしなければならないこと。道具が壊れていて実験できなかったので大切に使ってほしいなと思いました。他の班とは値が違うので、読み間違いしないか怖かったです。
3. 実験で出た結果に疑問点を抱くこと。全てが正しいわけではないので、疑いの目で物事を見なければいけないと思った。

1. 少しの抵抗の大きさのちがいで、大きく電圧、電流が変わるということ。今回使った抵抗の端から逆側の端では、電流は0.25A、電圧は0.25Vの差があった。想像していたよりも変化が大きかったので驚いた。抵抗の大きさ、形、素材をかえたら数値に違いがあるのか、調べてみたいと思った。また、抵抗の大きさを変えられる器具は、初めて使えたので面白かった。
2. グラフの取り方と公式の立て方。V=RI、E=(R+r)Iなどの式からグラフに表せる式に変形することができたのがなるほどなと思った。また、グラフの点を自分で決めてとるのも、きれいな見やすいグラフにするために必要なことだなと感じた。
3. 自分で出した実験結果に疑問をもつこと。今回はとてもきれいな結果になって、まっすぐなグラフが書けたけれど、もう一度同じ実験をした時に同じ結果が出るかどうかはわからないし、今回の結果が正しいのかどうかもわからない。時間があったら、例えば抵抗の大きさを変化させる向きや、回路のつなぎ方を変えても同じ数値になるかを確かめたい。

【生物】

1. 人間の脳の情報量がすごいと感じた点です。人間の視野のほとんどが白黒で見えているのにそこにある色を自らの脳が判断してほとんど狂いがないということには驚きました。僕たちが今まで見てきた色の情報を記憶し、その記憶の情報から一番あてはまる色を瞬時に選択していると考えると脳はコンピューターに勝らずとも劣らないなと思いました。逆に僕たちは見えていないものを勝手に見たと判別していしまっているかもしれないとわかり、僕たちが見ている世界は、狭く非常に曖昧だと感じました。
2. 他人の意見をもっと尊重するべきだと感じた点です。授業でもありましたが、自分の見ている世界と他の人が見ている世界は違うわけであり、もしかすると自分には見えていないものが、相手は見えていたりするので、当然その事に関する意見がかわってきます。従って、自分の考え方だけでなくもっと他人の意見や考え方を自分のうちにとり込むのもおもしろいなと思いました。
3. どうしても解剖に初めは抵抗があり、なかなか実験を開始できなかったところ。やる前から決めつけず始めようと思った。

1. 私たちがふだん見ている景色は見えていない部分があって、脳がそれを補っているということ。目の錯覚などの現象も、脳が見えていない部分の映像をつくっているから起こるんだなと思った。脳と目は密接に結びついていることがわかった。
2. 目のしくみが実際に解剖してみることでより理解できた点。教科書の図ではわからないような、色や質感、形などがさわってみることでよくわかった。特に水晶体をとり出して、新聞の字を拡大してみたときに、ふだんどんなふうに自分が物を見ているのか実感できた。
3. 実験の前にしっかり予備知識を身につけること。今回も、目の部位とそのはたらきを資料集で調べてから実験したので、より理解を深めることができた。

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