神戸市青少年会館において、未来創造コース1期生(2年)1名とグローバルリサーチ受講生3名が、難民事業本部関西支部および神戸YMCA共催セミナー「わたしたちの難民問題2015」に参加し、AAR Japan(難民を助ける会)シリア難民支援担当の景平義文氏から「トルコでのシリア難民支援活動」というテーマでお話を伺いました。難民問題の全般的なお話からはじまり、シリア難民について特に食糧支援、外国語支援、障がい者支援に取り組んでいるAAR Japanの活動について紹介していただきました。私たちが「難民」と呼んでいる方々のイメージとはずいぶん違う現状や難民一人ひとりの多様なニーズなど、この問題が一筋縄ではいかない難しさを知ることができました。以下は生徒の感想です。
今回の講義を聞いて、今まで知らなかった難民の事や、シリアの現状をより詳しく学ぶことができました。世界にいる難民の約6割が難民キャンプではなく普通の町で暮らしているということに驚きました。難民は各国にある難民キャンプで生活しているというイメージが私の中にあったので、ほとんどの人がお金などがない苦しい中でも町で生活しようとしているのを知り、とても意外でした。シリアの話では、同じイスラム教信者でもスンニ派とシーア派で意見が異なって戦争になっていると聞き、宗教という小さな違いから発展してしまうものもあるということを学びました。そして、シリアの人口の半数が難民や国内避難民であるという事にも驚きました。もしもシリアでの戦争が終わっても家も仕事もないために戻ってくる難民はほとんどいないだろうとおっしゃられていましたが、それを聞いて私はシリア自体の経済発展をはかるような工夫をすればシリアにも人が戻ってくるのではないかと思いました。
日本が難民支援で具体的に何をしているのかは今までの講義で知っていたけれど、難民キャンプの人や街に住んでいる人の話やシリアの深刻な問題が聞けてよかったと思いました。やはり難民の人数より、受け入れ人数の方が少なかった。今回新たに知ったことは難民支援で地雷回避教育を行っているということです。食料の問題などばかり考えていたけど、他の国に逃げる時に地雷を踏む危険性もあるのだと気づかされました。景平さんが話していた難民キャンプの人数より、街中で暮らしている人の方が多いことは全く知りませんでした。訪問をして地道に難民の人を探したり、コミュニティーセンター(子どもたちの遊び場)など小さいけれど大変な努力をされていることが分かりました。国境ゲートがない時には押し寄せてきたりと大変だったのでトルコも厳しくして境界を越えて来られないようにしているそうですが、そのまま逃げることもできずに死んでしまう難民もいるそうです。しかし、トルコが厳重にすることも分かると思います。教育がいきとどいていないという事がよく言われますが、教育を行う前に生きのびるで精一杯なので仕方がないかもしれません。普通にしている今でも世界のどこかで実際に戦争をしている国があることを考えながら生きていかないければと思いました。
スライドに写真が多く、シンプルで私たちみたいな高校生にもわかりやすく、興味深い内容でした。トルコの難民キャンプの深いところまでやはり現地にいる方しかわからない視点の話や、難民の人の考え方などが少しわかりました。中でも「逃げた先で同じシリア人を見つけても最初から仲間として認識せず、警戒する」という話は驚きでしたが、よく考えたら自分の身内が殺されたりしているのだから、そんな簡単に信頼をおけないよなぁと戦争の酷さを感じました。あと、トルコでは「難民」と呼ぶと権利が生じてくるから「Guest」と呼ぶというのも興味深かったです。少人数の人に万全の支援をするより、より多くの人を支援するという考え方がとてもいいなぁと思いました。日本も見習わないといけないと思います。今日聞いた話を少しでも論文作成に反映させていいものができるよう頑張ります。