令和4年1月26日創造基礎A 薮中三十二氏講義「世界に負けない日本」

本校同窓会館武陽ゆ~かり館において、創造科学科6期生(1年)を対象に、立命館大学客員教授の薮中三十二氏(元外務事務次官)をお招きし、「世界に負けない日本 国家と日本人が今なすべきこと」というテーマで講義を行った。初めてに、自己紹介を兼ねて外交官としてのエピソードをお話しいただいた。準備として、生徒は著作を読んでおり、立体的に外交の現場を知る機会となった。休憩をはさんで、生徒とのディスカッションを行った。米中対立をベースに、日本の安全保障に関して、その切迫感や自衛隊と米軍への期待度合いについてグループで議論した。薮中氏には、生徒の輪の中に入っていただき、直接議論をしていただいた。次に日本は軍備増強するか、抑止力増強のための外交か、信頼醸成のための外交というテーマで議論した。日本が強気一辺倒では国際社会ではうまく行きそうにないことに気付き、ASEANやインドを巻き込みながら、中国との関係構築を進めて行く方向に議論が進んだ班もった。議論は質疑応答含め3時間に及び、生徒からは質問が途絶えることなく熱気に満ちた講義となった。

〈生徒感想〉

1番印象に残っていることは、核兵器の話です。私も、アメリカや中国も核兵器を持っているのに、どうして北朝鮮にだけ、あんな強硬な態度をとるのか不思議でした。でも藪中先生の世界がその不公平を認めているというお話を聞いて、疑問が解消されたのと同時に、そんなことがあっていいのかと不安に思いました。アメリカや中国などの大国が核兵器を手放さなければ、それが脅威となって、北朝鮮もさらに頑なな態度になってしまうのではないかと思いました。また、日本ら唯一の被爆国であるにも関わらず、アメリカの同盟国ということで、核禁止に大きな声で賛成と言えないことが問題だと思いました。

アメリカと日本の関係です。今までは、何かあればアメリカが守ってくれる、アメリカは心強い味方だという感覚でしたが、今回の講義を聞いて、逆にアメリカと同盟を結んでいるということが、日本の足枷になっているのではないかと思いました。アメリカがいるから核兵器禁止に賛成できないなどアメリカの機嫌を伺わなければなりません。そうすると、日本にとって良いことではなく、アメリカが喜ぶことをしてしまうことになるのではないかと思いました。また、薮中先生が私たちの班に来た時に、アメリカと中国は分かり合えればとても仲良くなれるとおっしゃっていました。大国同士、抱えている問題などに似たものが多いと思います。この2国が手を取り合えれば、いいなと思います。その橋渡しを日本がするべきなのではないかと思います。

防衛費をもう少し高くし、様々な国と信頼関係を醸成することが必要であると考えます。防衛費は、中国に及ぶまでとは行かなくても、イギリス、ドイツに迫るくらいにはあげるべきだと思います。信頼関係は、主にASEANとより強いものにすれば良いと思います。ASEANは、心は日本、経済的には中国にあるため、日本も中国のように経済的な支援を今よりも大きくすれば良いと思います。最悪の事態は、中国が日本に攻めてくることだと考えました。そうならないためには、中国との信頼関係も構築していかなければならないと思います。

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