本校第一STEAM ROOMにおいて、創造科学科5期生(1年)を対象に、立命館大学客員教授・外務省顧問の薮中三十二氏をお招きし、「新年 国際情勢と日本外交」というテーマで講義を行った。前半は、トランプ前大統領と米国の世界に与える影響、バイデン大統領の国際協調の方向性について生徒と議論しながら話を進めていただいた。後半は、中国の大国化と米中対立における日本外交の指針について生徒とディスカッションをしていただいた。議論は質疑応答含め3時間に及び、生徒からは質問が途絶えることなく熱気に満ちた講義となった。
〈生徒感想〉
講義を受ける前まではトランプ大統領は自分勝手でわがままな政治をしているのだと思っていた。しかし今回の講義を受けて、トランプ大統領がパリ協定やイラン核合意から離脱した理由を知り、ただのわがままではなかったことを知った。国際協調を目指してアメリカ兵を犠牲にしてまで世界の平和をつくることへの疑問、自分の国は自分で守り経済成長を促進すること、トランプ大統領がどんなアメリカ合衆国をつくりたかったのかが理解できたような気がする。国際協調とグローバリゼーションの難しさを改めて認識した。
日本は正当なやり方で世界の信頼を得つつもっと自分たちの意見を主張すべきだと思う。中国は日本に比べて世界の信頼が低い。しかし中国には頼らざる得ない実力があり、したたかな外交にもたけていると感じた。よって中国は世界の好感度とは対照的に重要な立場になっていくと思った。だけど日本が同じようにすると中国のような経済力がないため今まで築いてきた信頼がなくなるだけだと思う。そのため日本は世界を敵に回さない、逆に味方につけるような外交が大切だと思う。その上でアメリカや中国をもっと利用し、引っ張っていけるようなポジションを使うべきだと思う。 僕は今外交官という職に興味があり、薮中先生のお話はとてもためになるものでした。今回の講義をうけて常日頃から淡々と見ているニュースを多角的に捉えて、「アメリカの立場ならどう思うだろう?」や「もっと他の解決策があったのではないか?」などを考えることで基礎を身につけられると思いました。