令和2年11月24日課題研究「各ゼミによる実験実習」

本校実験室において、本校創造科学科5期生(1年)を対象に、課題研究の授業「自然科学分野 各ゼミによる実験実習」が行われた。8つの班が5人グループで指導していただいている神戸大学大学院人間発達環境学研究科の大学院生に来校していただき(6班はフィールドワーク)、研究のテーマに沿って実験実習を行った。各班に分かれて、大学院生の方から指導していただき、大学から持参していただいた器具等を活用し、データを取ったり、データの分析方法を教えていただいたりして、最先端の自然科学に直接触れた。実験実習を終えての生徒の感想は以下の通りである。

<生徒感想>

1班 嶋田ゼミ カビとイオン液体

まず、カビがちゃんと生えているかという点が1番の不安材料でしたが、自分たちでも驚くほど繁殖していたのでほっとしました。
今日の活動は、まず嶋田さんが持ってきてくださったイオン液体についてや、そもそもイオン液体とはどういった物質なのかを改めて教わりました。今ちょうど化学基礎で学んでいる範囲と被っていることもあり、とても興味深いものでした。 実験の流れとしては、あらかじめ培養させておいたカビ(クーラー、お風呂の天井と壁の境目の部分、シンクのパッキン部、ウォータークーラー、スマホカバー、トイレ)それぞれにイオン液体5種ずつを滴下し、どれだけのカビを殺して更に予防できるかを検証するために数日間経過を観察します。その際写真を撮影してカビの減少スピードを求めるつもりです。本当はタイムラプスの機能を使いたかったのですが、機材の都合で叶いませんでした。
そしてカビが無くなっているイオン液体と残っているイオン液体がどれなのか。また、どの種類のカビに作用しているのかなどを書き出してまとめます。
実験の最後に嶋田さんの提言でイオン液体のpHを求めてみようということになりました。pH試験紙につけてみて色が全く変わらず、あれ?と思ったのですが、よくよく考えてみるとイオン液体はそもそも塩なので水素イオンを含んでいないことがわかり、とても腑に落ちました。
発表会の質問予想として「それは酸や塩基の性質によってカビが死滅したのではないですか?」という質問に対してもそのように答えるとバッチリだと思います。
最後に、なぜカビを殺し予防することにイオン液体を選んだのかについて軽く触れておきます。イオン液体は室温で液体状態の塩です。そのため、色んな所に簡単に塗れるだけでなく、蒸発することや燃えることもないため、半永久的に効果を発揮できる夢の材料となる可能性を秘めています。
今日の活動は嶋田さんを初めとした神戸大学の方々、先生方の協力があってなんとか予定通り進められたのでとても感謝しています。今後とも発表に向けて引き続き観察、考察をしていきたいと思います。

2班 西澤ゼミ 奥須磨公園の池の生物と環境DNA

11月24日の学院生さんとの実験では先週の火曜日に奥須磨公園の池で採水した水を使用し、PCRの準備までを行いました。実際に大学の研究でも使用されている実験器具や薬剤を使用しました。今までの実験では体験したことのない細かい作業や失敗の許されない作業もありました。新型コロナウイルスのため神戸大学にあるDNAを調査する機会は使用することができなかったのですが担当の西澤さんから資料をいただき、細かく説明を受けました。私たちの班は鯉とオオクチバスの2種に焦点を当て結果を考察していこうと考えています。
今回の実験で得られた結果を元に来週から班員で様々な考察をしていきます。

3班 西前ゼミ 液体の表面張力

ばねばかりの精度が粗すぎて表面張力が測れないというまさかのトラブルに見舞われたにも関わらずなんとか他の器具を使って計測できた。実験結果は最初の予想と当然ながら全く違ったがこのデータをもとに12/20の発表を組み立てたい。

4班 冨田ゼミ 残飯のたい肥化

何から始めていいのかわからない中でのスタートでしたが、院生さんが私たちの漠然とした提案を固めてくださったおかげで研究の指針を定めることができました。実際に研究されている院生さんからのアドバイスをいただくことで、研究を行うときの注意点などを学べてありがたかったです。

5班 松本ゼミ 獅子が池の生物と環境DNA

スポイトから8連チューブに試薬やサンプルを移すときに集中していたのにミスしてしまって難しいと思った。最初はスポイトの扱いが危うかったけど、段々慣れてきて良かった。今日結果が届いてきて成功したと聞いてとても安心しました。考察をするのが凄く楽しみになりました。

6班 小田ゼミ 町中の放射線

フィールドワークでは、町中にある様々な石から放出されている放射線の量を調べました。どの石の放射線量を調べるかということと、どのような順番で回っていくかということを事前に話し合って決めてからフィールドワークに臨みました。石の放射線量を測るにおいて、その立地はそれぞれ違っているので、石だけではなくその周辺の空気の放射線量も同時に調べました。計測を行っている中で、三宮神社に置かれている錆びた石を測った時、80近くもの放射線が確認されたのでとても驚きました。私たちは、フィールドワークに行く前は、どの石を測っても結果に違いがあまり現れないのではないかと予想していたので、このような数字を得ることができた事はとてもうれしかったです。今回のフィールドワークで得られた結果をもとに、班員で協力して様々な考察を立てていきたいと思います。

7班 増田ゼミ 雑草の成育条件の比較

11月24日に院生さんが高校に来てくださり、実験の準備を行なった。私たちは土壌の成分と植物の生育の関係というテーマで研究を行なっている。冬に行うということで、殆どの植物が枯れてしまっているという大きな壁にぶち当たっていた。しかし校外も歩いて調べ、前回大きな課題としてあげていた対象物の確保はできた。そこで、今回の授業は土を採取し、植物を植えるという作業にとりかかった。今回の反省点は先を見通して道具の用意などができなかったことだ。対照実験にするため、雑草には同じ量の水をあげなければならない。そのためには、ペットボトルなど一定の量が計れる容器が必要である。また、除草剤を入れて混ぜる必要もあるためこまごめピペットとバケツも必要だということに途中で気づいた。大きなミスではなかったが、次からは細かく計画を立てて班の中で確認し万全の態勢で臨みたいと思う。

8班 三谷ゼミ ジェルポリマーと吸水量

今までにジェルポリマーを使って行っていた実験を、今度はジェルポリマーの原料を使って行った。前回から予想される結果と反対の結果が出るなど、驚きが多い授業だった。今回出た結果からなぜそのようになったかを考えていきたいです。

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