神戸大学医学部神緑会館多目的ホールにおいて、グローバルリサーチⅠ受講生(1年生)34名と創造科学科4期生(2年生)40名を対象に、神戸大学神戸大学ジャンモネCoE主催「ジャンモネCoE 高校生向けミニシンポジウム」が開催されました。各講演の質疑応答では、生徒から様々な質問があり、たいへん貴重な機会となりました。講師と講演のタイトルは以下のとおりです。
神戸大学大学院システム情報学研究科 准教授 藤井信忠氏
「システム情報学を用いた都市生活のデザイン~バルセロナの取り組みと神戸のこれから」
神戸大学国際連携推進機構 特命講師 エルカン・キビリチム氏
「ヨーロッパにおける難民問題とその解決策の検討」
〈生徒感想〉
まず、1つ目の発表を聞いて、様々なことを感じました。初めは大学の授業について話してくださいました。講義の様子や大体の大学の雰囲気を知ることが出来ました。驚いたことは、私たちが創造でやっていることや受けている授業の雰囲気に似ているということです。自ら行動したり、実際に活動することによって、様々なことを学んでいるという点がものすごく創造科学科やSGHに似ているなと感じました。その後、バルセロナについて聞きました。バルセロナに実際行って発表したりするのはとても楽しそうだと思いました。興味が湧きました。Super Blockについても印象に残っています。他の国の政策を自分の国や地域に取り入れている姿勢がすごく良いなと感じました。次に、「ヨーロッパにおける難民問題とその解決策の検討」という話を聞いて思ったことを書きたいと思います。難民の定義には色々なものがあって、主となるものが「人権侵害」というワードでした。難民問題がこんなにも深刻化しているのは、他の先進国などが難民に対しての対策や手助けを行っていないというのが大きな原因であると感じました。
藤井准教授のお話では“新しい授業のあり方”をテーマに、スマートシティーバルセロナについて学ぶことが出来ました。准教授がおっしゃったように、私たちも生徒として“授業を受けるために学校へ通う意義”を考える必要があると思いました。インターネットが普及する現代で、授業は知識を取り入れるだけでなく応用する場であるべきだと思うようになりました。今回キーワードとなった“共創”という言葉は私の心に深く印象に残っていて、今後の活動でも意識したいです。エルカンキビリチム特命講師からは“難民の現状”について聞きしました。私は先進国の難民の受け入れの割合が低いことや、受け入れられた後の難民がその後の生活が困難であることが今後も課題になるのではないか思いました。現状が続くと、難民の課題は解決されないと思います。
今日私が特に興味を持ったのは、難民問題に関する講義です。最近テレビなどでよく難民問題について取り上げられているのを見かけます。テレビで難民問題に関するニュースを見たり、こうした講義を受けるたびにどうしても同じ人間なのに生まれた国や地域、民族が違うだけでこんなに迫害を受けている人たちがいるのかと悲しくなります。国の状況は常に変わってゆくので、いつどこの国から難民・移民が増加するかはわからないし、どこの国に難民・移民が流れ込むかはわかりません。しかし、難民問題は難民が移動してきた国だけで解決できる問題ではないことは確かだと思います。だからこそ、難民を受け入れる体制を先進国などの国々で協力して整えていくことが大切だと思います。そしていつか、難民がいない世界になればいいと思います。
私はシステム情報学についての話が興味深く、とても印象に残りました。City OSを活用した”SUPERBLOCKS MODEL”という計画は、今ある情報学の技術を活かしてスマートな街づくりを目指すという、とてもバルセロナに適したものだと感じました。車の交通を制限することによって子供の遊び場ができ、区画内のCO2排出量も減り、良いことづくしだと思いました。またごみ箱にセンサーを取り付けて回収効率を上げるというCity OSの使い方もとてもおもしろい実用的なアイデアだと思いました。日本でも情報技術を活かして省エネでスマートな街づくりが促進されてほしいです。今日の講義を受けて、神戸大学の市民工学科にとても興味を持ちました。知らなかった学問の分野が知れて、とても良い機会となりました。
今日多くの大切な話を聞きました。その中で特に興味を引いたのが、日本の中での難民問題です。私は日本がグローバル化も次々に進んでいるので、難民の受け入れも進んでいるのだろうと予想していました。しかし、実際はその逆でした。受け入れが困難な理由に“日本語が難しい”“設備が整っていない”などがありました。しかし、私は講師の方の話を聞いてそれだけではないと思いました。日本人の考え方、深く根付いている“差別・偏見”にあると考えました。もともと日本は難民への取り組みに肯定的ではありません。それをどうにかしないことにははじまらないと思いました。今日聞いた話は本当に貴重なものばかりで、これから探究活動をしていく上でもっと活かして深く考えていこうと思いました。