本校同窓会館ゆ~かり館において、創造科学科3期生(2年)文系選択者を対象に、大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)准教授のVirgil Hawkins氏をお招きし、「報道されない世界」をテーマに講義をしていただいた。
講義の中で「国際報道はなぜこうなる?」という議題について生徒間でディスカッションを行い、メディアのあり方や必要性について深く考えるきっかけとなった。また、今後、研究活動を行っていく上で物事を素直に受け止めるだけではなく、批判的とらえることの大切さも学んだ。
〈生徒感想〉
今日講義を受けて、2時間の講義の間だけでも私が知らないことが数多くあって今回の講義では国際報道の割合や格差のグラフから日本で報道されていない問題があるということが題としてありましたが、それでも私の知ろうとする意識が足りていなかったのではないかと思いました。しかし、知ろうとしてもその手段がなければ私たちができることも限られているということもわかりました。それでも、「良いことをする前に悪いことを取り除こうと思った。」という思いは、先生が考えて今実行されていることで示されていて、考えるだけではなく他者を納得させられるような証拠を揃えて行動していくことが本当に大切だと感じました。そして、これは今までの講義でも感じたことですが、何にでも疑問を持つことが研究を進めていく中での一歩につながるのではないかと改めて思いました。一つの課題に対してその課題だけに対応できる策を考えるのではなく、根本的に解決していくために私は何ができるのかをこれからの研究で考えて進めていく必要があるなと思いました。
国際報道が非常に少ないというのは感じていて、取り上げられるものも政治関係のものだけだなと昨年の新聞ノートを通して特に感じていた。今日は、その原因や理由について学べたのがよかった。具体例として、貧困やタックスヘイブンなどの最近の問題が取り上げられた記事が少ないこと、また、紛争の現状がほとんど報道されていないことに衝撃を受けた。日本のメディアは政府に操作されるようにも感じたし、都合の悪い事が報道されていない事実については客観的視点からみるとおかしいことだけど、日本人としての観点だと少々の贔屓が生まれてしまっても仕方ないのかなとも思った。ただ、公平な立場から情報を伝える役割を持つメディアが日本の政府を贔屓するのはおかしいことだし、あくまで自分たちが利益を得るという観点のみで情報を取捨選択しているのは間違っていると断言はできないが、本来の役割からはずれているとは感じる。そもそも国際問題に関心をもたない国民が多いことから需要が減っているので、国民の意識を少しずつ改める必要があるのかもしれない。