平成31年3月23日・24日 第6回シティズンシップ教育ミーティング

立教大学 池袋キャンパス 本館・太刀川記念館・12号館において普通科グローバルリサーチⅠ受講生1名と、創造科学科3期生(1年)5名が、J-CEF主催「第5回シティズンシップ教育ミーティング」に参加しました。プログラムは以下の通りです。

<1日目(3/23)>

◆オープニング

◆全体会「社会や政治への『参加のバリエーション』を増やす」
キーノートスピーカー
水山光春さん(青山学院大学教育人間科学部特任教授)
有賀久雄さん(松本工業高校教諭)
岩本真美さん(NPO法人ヒューマンフェローシップ代表理事)

ワークショップ

◆交流会

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<2日目(3/24)>

◆自由発表セッション、授業体験会、分科会

◆全体会「高校生・大学生発表セッション」

本校からは「食と遊びで隔たりなき地域社会に!」「長田区の高齢化にともなう課題への取り組み」の2タイトルで口頭発表を行いました。

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〈生徒感想〉

今回出来たこととしては、意見表明です。創造の授業で行政や経済について議論することはあっても、教育をメインに議論することはあまりありません。その中で、普段考えていることを、高校教師や大学の教授、大学生など様々な人の前でしっかり述べることが出来たことは貴重な経験だったと思います。また、研究発表では長田のまちについて多くの地域の方に知って頂くことが出来ました。私たちの研究発表では長田の課題について話したけれど、広い視野で見た時に、多文化共生や子供の商店街離れのような現象は全国的に起こっています。その課題に対して、兵庫高校の生徒はこんなことをしているんだ、と理解してもらえたことが嬉しかったです。課題としてはもっと周りを見ることがあります。現在高校生として、狭いコミュニティの中で研究していますが、大学生や社会人になった時、今よりも広いコミュニティで、色々な背景を持った方々を対象に研究や行動をしていくと思います。そうなった時、対象とする人たちのことをよく知っていないと、深く考えるのは難しいのではないかと感じました。他にも、行動を起こすタイミングなども大切だと思います。今年の春から大学生になる方とお話した時、「自分達が行動を起こしたのがちょうどいいタイミングだったから、活動を半永久的なものに出来た」と聞きました。自分立ちが目標としていることや目的を達成するにはいつ行動を起こすべきなのか、誰を巻き込むのか、どんなふうに広めるのか、一つ一つが重要な要素になってくると思いました。

今回のミーティングは申し込む時はシティズンシップ教育を学びに行くというよりも、自分の発表の機会を増やしたいという気持ちを持っていましたが、1日目のグーループのディスカッションで自分の知識の無さや教育というものはとても奥深いもだということに気付き、もっと知りたいという気持ちが出てきました。教育を受けている身としては今までさほど今の教育体制に疑問を持ったりすることは無かったのですが、違うのではないかという意見を持っている人がグループに何人かいて話も上手で、初めて聞くようなことが多く、とても引き込まれていきました。2日目は最初と目的が変わり、意見が言えるときには勿論言うけれど、色々な人の話をよく聞いて、自分の知識を増やして自分の意見のようなものを作ろうと思って臨みました。ディスカッションをするなかで、様々な立場の人がいて、色んな目線から物事を見て意見を話していて、ディスカッションをすればするほど自分の知識が増え、理解が深まっているような気がしてとても楽しかったです。また、自分の意見を話すときに相手が共感してくれたり、伝わっていることが分かると、とても話していて気持ちが良かったです。ディスカッションや意見を話したり聞いたりしているとだんだん自分の実践活動のことも話して、それについての意見をもらいたいと感じるようになり、早く発表したいと思うようになりました。それは意見交換を通じて自分の考えを深められていると実感したからだと思います。実際の発表時は思ったよりも時間が少なく、伝えたいことが全部話せなかったり、質問や意見をもらうことが少なかったのが残念でしたが、今までの発表に比べると、自分から相手に伝えようという意志が強まったと思います。

今回は自分の中では教育、特にシティズンシップ教育についての理解を深めたり、また各地域で実際に活動の推進を行っている方からの貴重な話を聞くことを目的として、またその中でコミュニケーション力をつけることなどにも両立して力を入れようと考えていました。発表では多く大人の方に集まっていただき、自分が話す部分が長くなってしまいましたがなんとか終わり、褒めて頂くような場面もあり、また実践活動に対するアドバイスもそれぞれ頂くことが出来ました。やはり発表するには常に前倒しでパワーポイントの作成はもちろん、他の人の活動報告を見て学ぶという別の目的があったのにバタバタしてしまったということは大きな反省点であると感じました。これを踏まえると、自分はこの二日間でどうだったのかと考えた時に語り合えてよかった、で終われるような容易な会ではなかったと今更ながら気づくことが出来ました。またそれをこれから正していくために、自分の目的と会の目的を記して常に見ながら行動することや、こういった貴重な場で時間を無駄に過ごすことがないようにできることをまず先にして、より吸収する場面を増やすことが大切であり、これを課題として取り組もうと思います。

さまざまな年代、職種の人と話して、高校生同士で話していては気づかないことや知らないことを多く学ばさせてもらいました。そのなかで、私が研究している「教育」のテーマで鍵になりそうだと思ったことが2つありました。1つ目は「テンプレ」です。私は学校で当たり前を教えられていることに気づかされました。さらに恐ろしいことにわたしはその「当たり前」がないと不安で「当たり前」の方法を探し求めてしまうテンプレ人間だとわかりました。そんな人で溢れてしまったら、みんな似たようなことしか考えられなくなり少し考え方の違う人は生きにくくなるかもしれません。新しい考え方を生み出すことも難しくなると思います。だから「当たり前」を教えない教育について考えたいです。2つ目は「授業と社会をつなげる」ということです。「民主主義なのになんで校則は自分たちで決めないの?」と聞かれて、授業で知識をつけても、社会で活用できてないことを実感しました。出前授業を行なっている学生団体の方々が出前授業で終わってしまうということも聞いて、授業をイベントにせず、社会につながる習慣にするためにしくみをつくる授業を展開することも大切だと思いました。それについても研究したいです。

私達は「政治や社会への参加のバリエーションを増やす」というテーマのもと、たくさんの議論を行いました。議論をする相手は、教育の場や地域・研究の場において第一線で活躍されている方がほとんどでしたが、その中で私は楽しみながら、負けじと積極的に議論に参加しました。何よりも印象的だったのは、大人の方々がまっすぐに私達高校生の主張に耳を傾けてくれたことです。おかげで私は臆することなく自分が感じたこと、考えたことをそのまま伝えることができました。私は今まで、若者が社会へ参加するためには若者が自ら行動を起こすべきだと考えていました。しかし今回、社会への参加には「上からの参加論」と「下からの参加論」の二つがあるということを知り、若者の活動の幅を広げる大人と別の視点から社会へ働きかける若者が一緒になって、社会への参加の方法を考えることの大切さを感じました。若者議会についての分科会の時、ゲストの方のお話の中に「会議室で話し合っているだけは参加か」という話題がありました。私は、それは社会へのつながりが感じられるだけで、実際に行動には至っていないため参加とはいえないと思いました。これからは、社会に参画していく形で、若者の声を可視化できるユースカウンシルの実現が必要だと考えました。今回のシティズンシップ教育ミーティングを経験した私には、大きな試練があります。それは授業体験の時に紹介された「学び×スキル×実践」によって今回の経験を力として身に付けられるか、ということです。実践がゼロであれば、掛けても身に付く力はゼロになってしまいます。そこで実践を1つでも増やし、大きな力を身に付けるためにも、日常の中に自分だけのアクションを見い出して行動に移していきたいと思います。

立場の違いはあれど、その場にいる全員が同じフィールドで議論している姿が印象的でした。周りはほとんど大人ばかりでしたが、私たち高校生の意見も他の人のものと同じように受け止めてくださり、むしろ教育を受けている側の貴重な意見として、大きくうなずきながら聞いてくださりました。初めは模範解答的で当たり障りのない返答しかできなかったけれど、様々な人の多様な考えに触れる中で自分の意見を確立していくことができました。なるほどと思った意見は吸収し、そうでない意見はどこに共感できなかったかを突き詰めていくことで思考をより深められたと思います。議論する中で私が一番感じたことは、今の社会は参加へのハードルが高いということです。自分自身あまり人前で話すことが得意でなく、積極的に発表できる人をすごいと思う反面、気後れしてしまうことがよくありました。それでも今回たくさん意見を言うことができたのは、それを受け入れてくれる環境があったからです。他人事だ、関わりたくない、といった精神面での参加への壁は、自己肯定感と密接に関係しているのではないかと感じました。間違いを恐れてはダメだと口では言うけれど、やはり周りの反応は気になるし、反対の声が怖くて立場を明確にしないぼんやりとした意見しか言えないのも分かります。交流会で私が「発表の場でなかなか発言できないのが悩みだ」と言うと、「積極性のある生徒ばかりが評価されるのは何か違うのではないか」と話してくださった方がいました。私もこの評価制度だと、発言できない生徒が自信をなくし、さらに消極的になってしまうという負の連鎖が生まれる可能性があると思います。私は、参加にはある程度の「緩さ」が必要だと考えました。完璧な答えも、過度な積極性も要らないから、行動する意義を感じてもらうことが大切だと思います。正解を求めすぎない周囲の受け入れ姿勢が、参加へのハードルを下げられるのではないでしょうか。この二日間で私は様々な考え方に出会い、多くの学びを得ることができました。そして、その度にこれまでの自分の視野の狭さを実感しました。今まで疑問に思ったことすらなかった常識が根底から覆されたり、斬新な発想に驚かされたりすることが何度もありました。それでも畏縮せず自らの考えをアウトプットできたことは良かったと思います。

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