本校同窓会館武陽ゆ~かり館において、普通科グローバルリサーチⅠ受講者(1年)40名を対象に、多文化共生センターひょうご代表の北村広美氏に「地域における多文化共生」をテーマに講義をしていただいた。はじめに日本における移民や外国人労働者についての現状を知り、訪日外国人の抱える問題を自分たち日本人が深く関係している問題としてとらえた。また、最後に「多文化社会を実現するためには」というテーマでグループごとに話し合った。まず訪日した外国人がどんな問題に直面しているのかを考え、そこから実際に何が求められているのかをグループ内で出し合うことで、具体的な対策案を見つけた。今日本にいる外国人の現状や抱えている問題を知り、日本が抱える問題として捉えるいい機会となった。
(生徒感想)
今回の授業で、自分が思っているよりも多くの在日外国人が深刻な問題を抱えていたり、悩んでいることがわかった。その原因は資格や権利など日本の制度の問題でもあると思うが、住んでいる地域や仕事場での人間関係の問題も大きく関わっていると思う。だから、私は外国人に対する先入観にとらわれず、積極的にあいさつをしたり、話しかけたりしてお互いのことを正しく理解しあうことが大事なのではないかと思った。また、私自身、外国人と触れ合った経験が少なく、外国の文化についての理解もまだまだ浅いので、これから多文化共生を目指した行事などにどんどん参加して多文化共生に貢献できる人になりたいと思う。理解を深めること以外にも、外国人と積極的に話すためのコミュニケーション能力や英語力もとても大切だと思うので、身につけたい。日本に外国人が増えることが、日本人にとってもやってくる外国人にとっても良いことだと思えるようになるといいなと思う。
多文化共生とはなんだろうか。中学校の時もこの言葉について考えさせられました。その時は、そんなに多文化が共生できていないのだろうかと疑問に思っていました。今回この講義を聞いて、新たに知ったことがたくさんありました。例えば、阪神淡路大震災が起こるまで近隣に外国人が住んでいたことを知らなかったり、外国人が日本人とうまくコミュニケーションがとれなかったりと日本人も外国人もお互いに困っていることが多いということです。他にも、情報が入ってこなかったり、社会保障や医療制度の制限による不自由など、外国人が困っていることの項目がとても多いことも初めて知りました。これらを知って、私はこんなにも自由がきかないことにショックを受けました。これらを改善するために私たちの班では、地域のお祭りを使って近隣に住む外国人との交流を図ろうとする考えに至りました。そのお祭りでは、日本の伝統である着物の着付けコーナーや外国料理などを用意し、そのお祭りの存在を拡散するためにポスターなどを作り、そのポスターは韓国語や中国語などの多言語で書き、それらを近所の人たちの家々に手渡しまたはポストに入れることでどこに外国人が住んでいるか把握できると思います。
異文化交流の問題を解消するのに最も効果的なことはなにかと考えたが、しっくりくるものが全然でなかった。下手に動くと、より悪くなってしまうのではないかとも考えた。それでも、考え方を変えることはかなり有効なのではないかと思った。日本人側には幼いころから交流の場を作り、それが将来に活かされるようなことができれば、と考えた。ただ、“外国人”とより意識してしまう結果にはしたくないので、自然な、別に特殊なことではないと思わせる配慮が必要だろうと思った。外国人側には様々な人がいると思う。積極的にかかわりたいと思う人、その必要はないと思う人にはまだチャンスがあると思う。交流の必要性を伝え、機会を設けることができる。難しいのは関わりたくないと考える人だ。必要性を伝えても意識を変えるのは困難だろう。それこそ、適度な距離感というものが必要だと思う。日本人同士でも気が合う合わないで交流が少なくなる人もいる。もし関わらずにいても、互いへの理解は大切だと思うのでお互いを知る機会を得ることができると良いだろう。実現は難しいが、こうやって考えていくことで、より良い方法を見つけられるだろう。今回のことも、身近な問題について深く考えられた良い機会だった。これから得られるこのような機会をもっと大切にしていきたいと思う。