1年生グローバルリサーチⅠ受講生、5班4名がシスメックス(株)を訪問し、「薬剤耐性」の問題についての講義を聞きました。感染症、薬剤耐性の歴史やメカニズムを詳しく説明していただきました。その後、研究所の中を見学させていただき、研究内容や業務内容についてお話をしていただきました。理系進学を考えている生徒にとって、今後の研究や将来の進路にも大いに役立つ1日となりました。
(生徒の感想)
・初めはシスメックスの方がどのような方なのか不安もあったのですが、お話しを聞く中で、とても面白い方だと思いました。今回、1人の研究者として経験を踏まえて話をされ、聞きたかった質問内容より深い事を聞くことができました。また、論文の書き方やグループワークの進め方などのアドバイスをいただきました。今回の経験をこれからの活動に生かしていきたいです。 前回に訪問したWHOでの講義では、薬の開発と耐性菌のいたちごっこという話があり、今回は薬の開発にかかる具体的な費用と時間、抗生物質の開発とそれに対する耐性菌の発生との関係から、いたちごっこの具体的な背景を掴むことができた。特に、何をもって「蔓延」と言うのか自分達のテーマ設定を見つめることができた。また、耐性菌の増加に関連する1つの問題として家畜に対する抗生物質の投与のことが挙がっており、信頼性の高い畜産物、つまり食べてもいい物を判断できるのは、獣医師しかできないという話に派生した。僕は家畜への抗生物質の大量投与が続く中で、ペットの治療がメインの獣医師が増加していることから、この事態が蔓延を防ぐために考えるべき問題だと思いました。特に、抗生物質を投与するため、効果が高く人間に無害なものにしなくてはならないということについて考えたいです。また、抗生物質の具体的な効果や原因菌に対する作用の仕方、耐性菌の薬から身を守る具体的な生体防御の方法がわかった。日本は外国の取り組みより遅れたスタートとなったことも問題と言えるので、その遅れを取り戻せるような啓発の方法を考えたいです。
・初めはシスメックスという会社がどういったことを行なっているのか知らず、講義を受ける直前までとても緊張していました。しかし、吉田さんやシスメックスさんの社員の方に優しく丁寧に教えていただいたおかげで、リラックスして講義に臨めることができたし、改めて薬剤耐性菌について新しいことも学ぶことができました。それにシスメックスさんの建物はとても綺麗で、グローバルな会社というところがすごく興味を持てました。将来こういったところで働いてみたいという参考にもさせていただけました。今回は私たちのためにお時間をつくってくださりありがとうございました。
・自分たちの課題解決にとても役に立つであろう、非常にわかりやすく、とても面白い講義で楽しませていただきました。たくさんの設備も見学させていただけてすごい体験ができました。抗生物質の歴史と薬剤耐性の関係がとてもおもしろくて、将来薬学系の仕事についても面白いかなと思えました。シスメックスの会社自体、すごく綺麗で、私自身このような会社で働きたいなと思いました。高校、大学でしっかり学んで将来的に進路の1つとして考えます。 今回の講義と見学をしっかりと、僕たちの研究の糧にして行きたいと思っています。協力してくださった皆様の期待に添えるように尽力しますので、応援よろしくお願い致します 。
・今回のフィールドワークは、アポを取るところから自分で行いました。このような経験は初めてだったので、メールでのやりとりでは文章を考えることなど、少し難しい面がありました。ただ、貴重な経験となりました。 本社の中はまるで海外の企業のような、緑地が多く、働いている人がとても生き生きして見えました。 講義の内容はとても分かりやすく、薬剤耐性菌についてだけではなく、研究活動を行っていく中で重要な事など、様々なことを勉強させて頂きました。 今回のフィールドワークを通して、薬剤耐性菌について、さらに、今後の人生で活用出来ることまで学ぶことが出来ました。 シスメックスの皆様方には、お忙しい中、大変お世話になりました。ありがとうございました。
学んだことは以下の通りです。
・ 薬剤耐性菌で苦しんでいる人は、抗生物質 を与えられている人の10%ほどしかいないこと。 ・ 抗生物質(薬)を作るには、長い年月と莫大な金額がかかるが、その成功率は非常に低い。 ・ 自然科学と人文科学の観点からものを見ると、視野が広がる。 ・ 細菌やウイルスは形で分類される。(分類学) ・ グラフを見ることで世の中で何が起こったかがよくわかる。 ・ 感染症は初期症状で診断しにくい。 ・ 仮説と検証を繰り返して結果を導く。