立教大学 池袋キャンパス 本館・12号館において創造科学科1期生(2年)1名と同2期生(1年)7名が、J-CEF主催「第5回シティズンシップ教育ミーティング」に参加しました。プログラムは以下の通りです。
<1日目(3/24)>
◆オープニング
◆全体会「想像力のスイッチをどう起動させるか」
基調講演:白鴎大学特任教授 下村健一氏
ワークショップ
◆交流会
<2日目(3/25)>
◆自由発表セッション
1期生の生徒1名が「高校生の社会参加を促すためには~兵庫高校の活動を通して~」というテーマで、研究者や現場教員、大学院生などに交じって、創造応用やイギリス研修で取り組んだ研究を発表しました。
◆全体会「高校生・大学生発表セッション」
本校からは「神戸市における外国語対応研究とその教育効果について」「KOBE お魚天国プロジェクト」「おいでよ鉄人のまち長田!~若者からシニアまで~」の3タイトルで口頭発表を行いました。
〈生徒感想〉
シティズンシップ教育ミーティングに参加して二年目になりましたが、昨年よりも多く学ぶことができたように感じます。というのも、一年間研究し、シティズンシップ教育の概念や考えを昨年より多く知り、多く考えたからだと思います。今回新しいと思い感心したことは、「前提を崩す」という視点です。「子どもたちに答えのない問いに向き合わせるためにはどのような教育をするべきか」という題でディスカッションをしたときに、まず子どもたちは誰を指すのか、答えのない問いではなく、答えがたくさんある問いではないのか、などと問いをも疑うという視点にとても感銘を受けました。今まで幅広く物事を見ようと心がけてきたけれど、もっと視野を広げる必要があると感じました。様々な世代の意見や発表を聞き、大人は考えすぎじゃないかと率直に思いました。今回考えることが大切だという意見ばかりでしたが、大人はもうたくさん考えているので、考える前にやってみることも必要かと思います。そして、大人は言葉が巧みで、知識の少ない私はすぐに納得してしまっていたけれど、一度すべて批判してみてから飲み込もうと決めました。おもしろい二日間でした。今回の人との出会いで自分が何を学んだのかについて、気付きを大切にしながら考えていきたいです。
1日目はまず班ごとに別れて色々な立場の人たちと議論を交わしました。そこでは初め6人で意見を出し合ったのですが、その時も全員違った意見でとても勉強になりましたが、その後に各班の代表17人が班の意見を発表した時にそれぞれの意見が全然違って、立場の違う人たちの意見は面白いなと改めて思いました。また、懇親会ではかなり楽しみながら深いお話を沢山聞けたのでとてもいい時間になりました。2日目はチェックイン・ミーティングから始まったのですが、その時に3人で前日の振り返りをした時に、前日も同じ班だった方が僕のことをもう一人に紹介してくれた時は嬉しかったです。その後の哲学カフェでは9人中5人が兵庫生でしたが、普段普通に意見交換する時とはまた違って新鮮な議論になりました。午後には研究発表もあり、そこでは終わった後に色々な人からお褒めの言葉を貰ったり、これからの研究活動に関してのアドバイスを頂き、とても楽しい発表でした。大変なときもあったけど、このミーティングに参加出来て良かったです。
1日目を終えて、当初は緊張が勝っていたが、いろんな方と喋っているうちに慣れていくのが実感できた。そこで感じたのは創造での取り組みが社会的に見てまだまだ希少であり、新しいことをしている、ということ。高校生の意見でも重宝して頂けたし、自分の言葉で想いを伝える良い練習場になった。今日はシティズンシップ教育について色んな立場の方々と喋ったが、やはり共通して「難しい」という意見が多かった。大人たちが頭を悩ませても答えが出ない課題というのは興味深いし、今後重視されるのはされるのはそういうものだろうと思った。2日目は発表を控えていたこともあり、1日目と同様「高校生の意見がどこまで通用するのか」を自分の目で確認する場にしたいと思っていたので、それが認識できたのが何より土産になった。特に第4フォーラムの議題である「シティズンシップ教育者に求められる資質」というものについてだが、思うに中高生が大人と膝を交えて話す時、自分の意見なんて聞いてくれないのではないかという意識が働いてしまうと思う。しかし事実僕たち高校生の意見でも大人に通じるようで、そういった恐れを取り除く土台づくり、かつ中高生の発言に意義があることを示唆することが教育者には求められるのではないかと思った。今後の研究に影響するというよりか、今までの研究に良い締めくくりを与えてくれるような2日間だったと思う。
自分のグループは市議会議員、フリーの研究者、大学院生、大学生と自分と全員が違う視点からの討論を行うことが出来た。その中で自分崩しと他者との理解は密接に関係してるのではないかと考え、意見を同じグループで共有できて良かったと思う。その自分の意見を中心に様々な討論を行い、そこで他者の理解のために聴き合うことが重要と言う事でまとまった。色々な講演をすべて絡めた総復習のようなこの討論で最も自分の考えを深めることが出来たと思う。まず、哲学カフェで(残念ながら兵庫生しかいなかったが)今までにしたことのない哲学対話という形でみんなで討論を行った。その中で印象的だったのは、「沈黙の時間があってもいい」ということで、いつも結論を出すため、早く意見を出し、人の考えを早く理解する、ということを意識しているがこの対話、討論ではそのことを考えずゆっくり自分の考えをまとめられた。また、午後の分科会では自分たちと内容は違うが、大学生の似たような活動の報告を聞き、改めて自分が今この時点で既にこの「創造」として活動させて頂けてるのが貴重であることを再確認した。今後も創造応用でこういった機会に参加することが出来れば、この2日間で自分ができなかった積極的な発言を行っていきたい。この2日間で学んだことを細かに整理し、活用していきたい。
今回のシティズンシップミーティングで学んだこととしてはたくさんありましたが、そこでも浮き彫りになったこととして目立ったのは「だって入試には必要ない」となってしまうという事でした。今私たちがやっていることは確かに答えのある問いに答える為の活動ではなく、入試に対応できる勉強ではありません。しかし確かな手ごたえややりがいを感じることは多く、座学で学べない知識や技術を身につけている実感があります。大学は「積極性のある人材」や「使える」人材を求めるならば、座学のみでなくそのような知識・技術を身につけた人材を選抜するためのテストや試験を置く必要があるのではないでしょうか?二日目の主な内容としては若者の政治参加意識が話題となりました。若者の立場からいえば政治はどうしても「とっつきにくいもの」というイメージは拭えません。しかし私自身政治について面白いと感じたきっかけは財政教育の一環として財務局の方と予算を組んだことでした。長短がでる、重心が偏る体験が出来たことは政治家や政党のマニュフェストに書いてあることが良いことばっかりだとしても疑えるようになるための非常に有意義なものだったと感じます。また、学校として中立を保つ意味で政治家を招くことを敬遠する傾向があるのですが、まずは私たちが授業で出会った財務省の方などの行政に携わる方と関わり合いを持つことで抵抗感を改善していくことが出来るのではないかと感じました。この二日間を通して一番の感想としては「もしかして自分達ってスゴイのでは?!」ということでした。スゴくて偉い大人から驚かれたり感心されることは不思議で新鮮な感じ感覚でしたが、皆さんは私たちを話し合いの際に若者としての視点を求めるとほはあっても「高校生」というフィルターをかけたりすることは無かったように思います。だからこそ自分は積極的に自分が役立てると思った場合には発言することも意見することもできました。これはまさにシティズンシップ教育の第一歩なのではないかと感じます。
まず、1日目を終えて感じたことは学ぶ環境の大切さです。最後に「答えのない問いを考える力を学ぶためには」というテーマでたくさん環境という言葉が出てきました。その中でも「安心・安全な場所」という言葉がとても印象に残っています。私は、まず子ども自身に「答えのない問いを考える力を学びたい!」というやる気がなければ、大人たちがなにをやっても効果はうすいと考えました。だから、子どもが安心だと思える環境は「学びたい!」と思っている人が普通だという環境だと考えました。そう考えると、兵庫高校の創造科学科は自然と学びたい、力を得たいと思える恵まれた環境だなと感じました。そして、2日目には哲学対話を体験した後、政治と教育の関わりについてのディスカッションに参加し、最後に自分たちの発表をしました。哲学対話では、「自由」をテーマに話をしていったのですが、他人の考えを新しく知ることはもちろん、自分も深く考えたことは無かったので自分自身の考えにも新しい発見がありました。哲学対話は簡単に深い話し合いができるシステムが自然と出来てくると感じたので、小学生から高齢者まで、誰もが意見交換を楽しめる場になると思います。ディスカッションでは主に学校に議員さんを呼んで授業を行うことについて話し合いが行われていました。簡単にできることではなく、まだまだ普及はされてないそうですが、議員さんと話すことで政治を身近に感じられるんじゃないかと思いました。しかし、その紹介で放課後に希望者を募って行うというものがありましたが、それでは効果が少ないと思いました。なぜならそういう場に積極的に参加する人は政治に興味がある人で1番参加するべき人は今全く興味がない人だと思うので、全員で授業を受けられる環境を整えて欲しいと思いました。最後の発表はいいものになったと思います。こだわったことは原稿を見ずに話すことです。原稿なしで前を見て相手に伝えることを意識して発表することができたと思います。そして私がこのシティズンシップミーティングを通して感じたことは、自分の積極性の足りなさです。ディスカッションでは話を振っていただいたときは自分の意見を言うことが出来たのですが手を上げて意見を言うことが出来なかったので、もっと積極性を高めていきたいです。最後に、このミーティングを通してたくさんの教育に関わる仕事をしている方や、大学の教授や、教育の研究をしている方とたくさんお話をすることができて、新しい視野を得ることができたと思います。とても充実した2日になったと思います。
シティズンシップ教育ミーティングでは多くの新たな発見があり、非常に刺激的な2日間であった。まず、下村さんの講義では特にメディアリテラシーについて、4つの疑問を中心に教えていただいた。普段の生活で当たり前のようにメディアリテラシーができるようになること。また、メディアリテラシーというのはシティズンシップ教育の土台となる部分だということを、その後お話しした時に教えていただいた。メディアの見極めを行うとという簡単なことがシティズンシップへの第一歩であるということを、もっと多くの人が自覚をして行えばいいと思った。その後に行ったグループでの話し合いは非常に印象深いものであった。私は自分が行っている創造の授業から考えた意見を述べたが、視点や立場の多様性がある班の中で意見を広げ深めていくことで、新たな考えを知ることができた。意見としては身近な所から考えることや他人事にしないことなどが重要だと全員が納得し、特に教師に着目をして意見を交換することができた。班の意見を代表して発表することもでき、全体を通して非常に有意義な時間であった。2日目は先輩の発表をみて、自分たちが行なっているものなどを客観視することができた。セッションでは難しい話も多かったが、その中で同じシティズンシップ教育を行う教師という観点でも、十人十色の意見があり真反対同士の意見が存在していると知った。そのために、一概に“これが正しいもの”だと言えないところがシティズンシップ教育が難しいテーマである一つの要因だとわかった。午後には発表を行ったが、多くの大人の方に自分たちの実践活動を報告するというのは非常に緊張するものであった。しかし今回の発表は自分の中でベストを尽くすことができ、また多くのご意見をいただくことができたため大変良かった。2日間を通して頂いた名刺やメモを振り返ってみると、多くの大人の方と関わり学ぶことができ、非常に良い経験になった。シティズンシップ教育は多様な考え方があるため大変難しくもあるが、その分無限の可能性を秘めたものだとわかった。これから研究をしていく上で、今日得た経験や自分の考えというものを大切にしていき、これからもシティズンシップ教育について考えを深めたい。もし今回出会えた方とまたお話しすることがあれば、ひと回りもふた回りも成長した自分を見せられるよう頑張っていきたい。
私は今回のミーティングに参加するにあたって不安しかありませんでした。なぜなら、シティズンシップについての知識は浅く、大人の人に混じって議論をすることはほぼ初めてだったからです。しかし、難しく考えずに自分の感じたこと、自分が受けている教育について話すだけで、議論を展開することができ、どんどん高校生は参加するべきだと思いました。また、下村さんの講義やその他の議論などの大人の方の意見を聞いて、新たな視点や考え方の発見の連続でした。これから求められる人材のひとつである「答えのない問いと向き合える人」を増やすためには、メディアリテラシーを理解して、情報を上手く使いこなし、何事にも恐れることなく意見を言いながらも他者の考え方を受け入れられる人材を育てることが大切だと思いました。そのためには、今私たちが当たり前のように受けている「創造」のように向き合う時間、場所、関係性を作り、それを習慣づけること、そして、なによりもそれを大学、または就職でも評価をすることが大切だと思います。2日目の活動で主に学んだことは、学校と議会や政治家をどのようにつなぐことができるか、です。今の問題は国民、若者の政治への無関心だと言われていますが、国民、若者が政治に関心を持たないのが悪いのではなく、関心を持つきっかけを教育者が与えなければいけない、と思いました。そのために政治家を学校に呼ぶことはとても有効的だと思いました。外部講師が来るだけでいつもより興味を持つことは確かです。しかし、「教える」という上下の関係だけではなく、「討論」という横の関係がひつようだと思います。その「討論」で議員に好印象を持つことができたり、疑問を持つ事ができたら、それは政治参画への第一歩になると思います。その時に、いきなり政治に向き合うと身構えてしまうので、日常的に政治に触れ合うことが大切だと思います。また、そのような「生の政治」を扱うことで私たち子供が市民として成長し、大人になっていけると考えます。