平成30年3月9日 グローバルリサーチⅠ FW「日本アセアンセンター主催『ASEAN人材の活用による企業の海外進出、事業・技術承継』フォーラム参加

貿易センタービルにおいて、グローバルリサーチⅠ受講生(1年)5名が、日本アセアンセンター主催の「ASEAN人材の活用による企業の海外進出、事業・技術承継」フォーラムに参加しました。3学期の初めに開発途上国における企業経営について研究テーマの設定を行い、その課題設定や解決策の糸口を探る、良い機会となりました。内容は以下の通りです。

講演1 「現地人材を活用してASEAN各国で事業展開」

(株)村元工作所 特別顧問 村元四朗氏

講演2 「ASEANからの実習生受け入れの仕組みと課題、制度改正のポイント」

東海大学教養学部准教授 万城目正雄氏

講演3 「日本企業とともに働くASEAN元留学生の体験談」

コムネット(株)管理貿易課 ソーユモン

パネルディスカッション 「ASEAN人材を活用しての海外展開と事業継承:魅力と課題」

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〈生徒の感想〉

このフォーラムは私たちの研究にとってとても有益なものであった。中でも気になった点をいくつか挙げていく。まず、村元氏の講演の中にあった、ワーカー教育についてのお話が印象的だった。日本と現地とではそもそも教育水準や教育方針が違うことは分かっていたつもりだが、まず現地の教育を知ることが大切だということに気づかされた。そして万城目氏の講演では、技能実習制度について詳しく知ることができた。技能実習生の帰国後の処遇についてというのは、課題の一つとして研究に組み込めると考えた。また、そもそも技能実習制度というのはワーカークラスが日本に来るためのシステムであるそうなので、経営者の育成という観点で別のシステムを考えるということも課題だと思った。そしてこれはあまり課題研究に直接関わりはしないかもしれないが、技能実習生の選挙権や労働時間等に約7割の違反があることがとても気になった。日本の制度そのものに問題があるのではと感じた。ソーユモン氏の講演では、彼女の日本に対する熱意がただただ凄いと感じた。ミャンマーと日本では文化の違いがここまで大きいことに少し驚いた。それに対する彼女のミャンマーの人たちに対する細かなサポートが現地法人運営のポイントになっているとあると思った。また、日本の会社にある上になにも言えない環境を改善する必要があるというのは全くその通りだと思ったし、これも課題の一つであると考えた。最後に、これは研究テーマにあまり沿わないのだが、3名の講演の中で女性ワーカーの割合が増えているというのが意外だったし、印象に残った。一方で、会場での女性の割合は低いことに気づき、経営者層の女性進出はまだまだ進んでいないのが現状なのかと感じた。

私はこのフォーラムで、企業の海外進出において大事なキーワードは『人材』だと感じました。村元工作所の村元さんの講義で、日本人でいくら設備の操作ができても、現地の文化・習慣を知らないと現地の人とのコミュニケーションが取れないし、現地の人でその会社の雰囲気ややり方を知っていないと仕事が成り立たないので、従業員の教育がとても重要になってくるのだと感じました。

東海大学の万城目さんの講義で、海外拠点を経営する上で直面している課題はいかに人材を確保・育成するかだとおっしゃっていました。私は、今まで技能実習制度のことは聞いたことがある程度で詳しくはあまり知りませんでした。日本に来る海外実習生は年間約10万人もいると聞いて驚きました。日本が少子高齢化や人口減少していく中で、日本産業を活性化していくにはこの技能実習生達を育てていくことが大切なのだと知りました。それでも、技能実習を受け入れている約7割の事業所で労働関係法令の違反があるということや技能実習生の不法残留者や行方不明者いるという事実に驚くとともに、なにかその数を少しでも減らす方法を考えなければならないと強く思いました。

私達が今研究している日系企業の中間管理層を外国人労働者にするという内容にとても近い話が出て、将来的にそうなるかもしれないし、そうなればより良くなる、大事にしたいのはその会社をよく分かっている人になってもらうことなんだと話を聞いて思いました。元留学生のユーソモンさんは、「中間管理層になれるかを決めるのは私ではないけど日々一生懸命やっていきたい」とおっしゃっていました。このフォーラムで私が理解できる内容も充分にあったし、研究していることがでてきて、もっと理解ができるようになりたい、色々なフォーラムに参加したいと思いました。

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