神戸市青少年会館レクリエーションホールにおいて、本校未来創造コース2期生(2年)1名、グローバルリサーチⅡ受講生(2年)1名、本校創造科学科1期生(1年)4名が難民事業本部が主催する講演会に参加しました。講師は難民事業本部長の西岡淳氏で、テーマは「日本の難民受け入れの現状と課題」でした。2年生の生徒は難民問題をテーマに研究しており、難民を受け入れるにあたってどのような課題があるかを知ることができ、今後の研究に大いにプラスとなりました。1年生は今後の課題を選ぶ際の大きなヒントとなりました。
〈生徒の感想〉
難民条約は国際的に時代遅れのものになっている。きっとそれは、世界中で問題になっていることだろうと思うが、だからと言って日本は改正されるのをただ待っていてはいけないと思う。改正されたとすると、今まで厳正に審査したからこそ不認定となっていたのに、改正によって同じ境遇でも認定になることもあるだろう。その間日本は何も変えていない。ただ規則に則って厳正に審査を行っただけだ。日本が自ら難民認定法(出入国管理および難民認定法)を変えて、人道配慮という不安定な立場より、条約難民という安全な立場を与えるべきだと思う。海外では認定から就労まで一貫して政府が支援している。日本では初めから最後まで課題が残っており、そもそも国民が難民のことをあまり重要視していない。しかし政府が何もしていないわけではないことはよく分かった。人の命に関わる問題も含むため、迅速な対応も必要だがそれにはお金がかかる。そのため、同時に、濫用者と難民を区別できるようにするなど、より低コストで支援していく制度を整えていかなければならない。
わたしたちの難民問題2016に参加し、難民事業本部本部長の方から、主に日本の難民の受け入れについての詳しい情報や現状を教えていただいた。特に難民認定制度の濫用の問題や難民条約が今の時代に追いついていないということには驚いた。日本は他国と比較すると難民の受け入れが非常に少ない。もっと受け入れるべきか否か。私はもちろん受け入れるべきだと思う。だが、今の日本は受け入れに向いていない。なぜなら、世論では難民を受け入れる必要はないという意見が多く、国や地域として難民への理解がし難い状況にあるからだ。定住したのち、住みづらければ来る意味がない。まずは日本全体が難民というものを知ることが大切だ。その上で、第三国定住先や避難先として日本という候補が上がり、難民の受け入れが増加することが望ましいと考える。それが日本の高齢化や人口減少の改善にも役に立つと一石何鳥にもなるのではないだろうか。今日のセミナーで新たな観点や意見を持つことができた。これからもっと難民問題に触れ、改善策などの考えを深めていきたい。