【数学】
本校の学科コース準備室において、神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授 稲葉太一氏による3回目の講義を行っていただきました。まず、2次元データと2次元確率変数の解説から始まりました。(ちなみに、数学Ⅰの統計の章で、これらの基礎的な内容はすでに学習しています。)さらに、散布図・正の相関・負の相関・標本共分散・標本相関係数・母共分散・母相関係数・確率変数の独立と無相関の関係などについて説明がありました。その後、数学選択者である2名の生徒の設定するテーマについて、時間をかけて検討を行いました。一人の生徒は、“サザエさんのじゃんけん”や“めざましじゃんけん”について、テーマを設定したいと説明し、もう一人の生徒は、まだテーマがはっきりと決まっていない状態でした。今後のテーマ設定とデータ採取についての計画を立てて終了しました。
【化学】
本校化学教室にて行われた化学5回目の探究活動は、神戸大学大学院理学研究科准教授 大堺利行氏に来校していただき、ダニエル電池を作成し、データを取って放電曲線を作成する予定でした。実際に可変抵抗器を回路に挟んで電圧を測定しようとしましたが、ほとんど測定できず、その原因について大堺先生と議論しました。その結果、可変抵抗値が溶液抵抗値に比べて極端に小さいことだと考え、回路中に1kΩの抵抗を挟むと、約0.8 Vの電圧を測定できました。放電曲線を作成する予定でしたが、抵抗値が大きいためほとんど電圧変化が見られず、次回は正極・負極それぞれを変えることによって、電圧にどのような変化がみられるかを観測し、放電曲線を描く予定です。
【物理】
大阪大学理学部物理系総合研究棟を訪問し、大阪大学大学院理学研究科教授 下田正氏と共に実験を行いました。ミルククラウンの突起の数について・ミルクの滴下距離・落下地点の液体の厚み・ミルク以外の落体物の形等のパラメータを一つずつ変化させて、それを二方向から撮影し、大型モニターに映してコマ送りしながら突起数を記録しました。この作業と並行して、得られたデータをエクセルで処理・グラフ化し、新たな発見が(未発表のものも含め)いくつかありました。今後、実験の精緻化と新発見の法則の定式化、それに至る検証実験等を行う予定です。道具が無い無いづくしの状況ながら、工夫と協力で長時間集中して、生徒全員よく頑張っていました。
【生物】
本校生物教室において、5回目の探究活動を行いました。前回の神戸大学でのレクチャーを参考に、研究テーマを「ミドリムシの走性」に決定しました。走性について、本校教員による簡単な講義を受けた後、メンバーで具体的な実験内容を検討しました。重力走性において、物理的な現象と生物的な現象を見分けるための実験をどのように構築すればよいのか?客観的なデータ解析を行うための、条件設定をどのようにすればよいのか?など、実際の実験方法をイメージしながら検討を重ねていきました。
【都市工学】
本校コンピュータールームにおいて、2名のペアごとに、事前に澤木先生と松本先生にご指導いただいていた研究テーマ案を考えました。現段階のテーマ案として、「高齢者が住みやすい街」「災害に強い街」があがっています。それぞれのペアで、課題について深く考えるために、細分化して、具体的な活動に移る準備をしました。「高齢者が住みやすい街」に関連する課題として「坂」「段差」「階段」「道幅」「信号」などをトピックスとして挙げ、それぞれ、どんなことを調査すべきか議論しました。「災害に強い街」に関連する課題として「地震」「火事」「津波」といった災害ごとに、どんな課題があるのかを探索しました。また、インターネットなどを活用しながら、先行事例の調査や、先日歩いた街の具体的な問題点をそれぞれの小テーマごとに考えました。このように課題を細分化するプロセスが、各自の考える課題の整理につながることも再確認できました。