本日、学校宛てに赤穂市にお住まいのある方からお手紙をいただきました。その一部を紹介します。
それはその知り合いが散歩していた時の事です。
街路樹で道が少し狭くなった坂道を歩いている時、知り合いはちょうど自転車で下校されている学生さん達と遭遇してしまったそうです。
邪魔になってはいけないと道の端によったところ、幾人もの学生さんが会釈をしてくれたり「ありがとうございます」とはっきりした言葉で感謝を伝えてくれたそうです。
知り合いはその行為をとても嬉しく感じて「気持ちが爽やかになったのよ」と話してくれました。
その話を聞いて私もなんだか幸せな気持ちになりました。
これはほんの一部です。文面からはご高齢の方であることと、本校の卒業生ではないかと思われました。そして手紙の終わりには、こうした心優しい生徒たちを育てている先生方への感謝も綴られていました。
私はこの手紙を読んで、赤高生の皆さんのことを誇らしく思いました。皆さんにしてみれば、ごく当たり前のことかもしれませんが、人と人とのコミュニケーション、気持ちの通じ合いというのは、些細なことがきっかけで始まるものということを改めて思いました。私は、皆さんが心優しい人間に成長していることを喜ばしく思いますし、赤高の職員であることを誇りに思います。
一方で、自転車のマナーについての「苦情」を聞くこともあります。そのほとんどは、皆さんがほんの少し注意すれば受けることのない「苦情」ばかりです。では、今回のような「お礼」と「苦情」を分けるものは何でしょうか。実に簡単なことです。「相手のことを考えているか、どうか」です。たったそれだけです。「相手のことを考える」ためには、周囲に目を配っておく必要があります。道路は自分だけのものではありません。だから、相手のことを考えるためにも、自分の身を守るためにも周囲に目を配って行動して下さい。
春の足音がはっきり聞こえだした終業式の日に、とても心温まる手紙をいただいたことを報告しますとともに、本校生の皆さんがより一層地域の方から愛される人間であることを願っています。
令和3年3月23日
県立赤穂高等学校
校長 行本 健一