教育方針・学校の重点
1 学校経営の重点
(1) 学校教育目標
創立140有余年に及ぶ歴史と伝統に学び、校訓(質実剛健・自主創造・友愛協調)の具現化を図る中で、豊かな人間性と幅広い学力を兼ね備え、将来グローバルリーダーとして国際社会や地域社会に貢献できる人間を育成する。
ア 豊かな人間性の涵養
基本的生活習慣を確立させ、社会性を培い、自主・自律の精神の育成を図るとともに、他を思いやる心や国際感覚・国際的教養などのグローバルな「知」を養成し、共に生きる心を涵養する。
イ 幅広い学力の育成
きめ細かい学習指導の徹底を図り、基礎・基本を確実に定着させるとともに、自学自習力を養い、生徒の高い志を達成させる進路を実現できる学力を身につけさせる。
ウ 信頼される学校づくりの推進
保護者や地域の人々に教育活動について情報発信するなど開かれた学校づくりを進めるとともに、生徒が安全・安心な学校生活が送れるよう努める。
(2) 重点目標
ア 豊かな人間性の涵養
(ア) 基本的生活習慣の確立
入学時から校則等の社会的規範を遵守させるとともに、挨拶や清掃の励行、交通マナーの向上に努めさせるなど、基本的生活習慣を確立させ、社会性を培う。
(イ) 自主・自律の精神の育成
学校行事やホームルーム活動、生徒会活動、部活動へ積極的に参加させ、望ましい人間関係をはぐくみ、自主的・自律的に行動できる人間を育成する。
(ウ) 共に生きる心の涵養
学校行事やホームルーム活動、国内外における様々な交流活動等を通して、自他を尊重する思いやりの心の育成を図るとともに、国際感覚・国際的教養などのグローバルな「知」を養成し、共に生きる心を涵養する。
イ 幅広い学力の育成
(ア) 基礎・基本の定着と自学自習力の育成
入学時から学習習慣を確立させるとともに、生活や学習の実態を踏まえて、基礎・基本の確実な定着に努める。また、授業だけでなく、講演や読書並びに小論文の発表等の機会を通して生徒の学習意欲を高めるとともに、探究型の学習や国内外の大学・企業等と連携した課題研究を取り入れ、自学自習力を育てる。
(イ) 進路希望の実現
教育セミナーや社会人・大学教員による講演等の機会を通して、自分の興味・関心、能力・適性などについて理解を深めさせる。また、将来の職業や生き方を考えさせ、その進路実現に向けて自分の意志と責任で主体的に選択できる能力や態度を養わせ、かつ高い志を達成させるために必要な学力の育成に努める。
(ウ) 教職員の資質の向上
研究授業や公開授業を実施し、「教えるプロ」として専門性と実践的指導力の向上を図り、生徒に学ぶ喜びや達成感を味わわせるような指導内容や方法の工夫・改善を行う。また、学校生活のあらゆる場面において生徒の心の内面を多面的・総合的に理解するよう努め、生徒の望ましい人間形成につながるよう支援する。
ウ 信頼される学校づくりの推進
(ア) 開かれた学校づくり
保護者や地域住民、同窓生等との連携を図るため、学年通信等の配布、学校のウェブサイトの迅速な更新、マスコミへの広報等を通して、教育活動等についての情報発信に努めるとともに、学校行事や公開授業、オープンスクール等への参加を得て、魅力ある学校づくりを推進する。
(イ) 学校評価の活用
学校の教育活動について、教職員による自己評価や生徒・保護者によるアンケートを実施し、その結果を学校評議員等に公表し意見を聴く学校関係者評価を行い、目標の達成状況や取組の適切さ等について教職員間で議論し、次年度からの学校運営並びに教育活動の改善に資する。
(ウ) 安全・安心な学校生活
「学校環境衛生基準」に基づいた検査や施設・設備の点検を定期的・日常的に実施するとともに、不審者の侵入や様々な災害などに適切に対応できるよう危機管理体制を整備し、生徒が安全・安心な学校生活を送ることができるよう努める。
2 教科指導及び生徒指導(特別活動を含む)の重点
(1) 教科指導
ア 2学期制50分授業、週2回(一部クラスは週3回)7限授業の実施により基礎・基本の定着を図るとともに、探究的な学習の導入などにより幅広い学力・確かな学力を身につけさせる。また、生徒に学ぶ喜びを感じさせ、意欲的な自学自習力を育てるために、授業の質を高め、学習内容の充実と向上に努める。
イ 生徒の個性や学習の状況を的確に把握し、生徒一人一人の興味・関心等に応じて学習課題を設定し、その課題について自ら考え、問題をよりよく解決する力を身につけるよう、きめ細かい指導に努める。
ウ 研究授業や公開授業を定期的に実施し、教職員の研修を深めるとともに、評価規準を定め、指導内容・指導方法の工夫改善、教材の精選・焦点化を図り、教育効果を高める授業の創造に努める。また、生徒の能力・適性などに応じた学校設定科目などの多様な選択科目の設置に努める。
(2) 生徒指導
ア 生徒一人一人の多面的かつ共感的理解に基づく指導の中で、人間的なふれあいを通して心の絆を深め、社会性を培い、個性の伸長を図り自主・自律の精神をはぐくむ。また、自他を尊重する思いやりの心を育て、信頼や協働関係が生まれるよう、こころ豊かにたくましくしなやかに生きる人間の育成に努める。
イ キャンパスカウンセラーや保護者との連携を強化し、生徒の心のケアを図るとともに、心の内面を多面的・総合的に理解して、生徒一人一人が豊かな自己実現を図れるよう長期的・継続的な視野に立って教育相談の充実に努める。
ウ 生徒一人一人の健全育成をめざし、家庭・地域社会と密接な連携を図り、家庭・地域の教育力を活用した生徒指導を推進する。また、校則などに関しては、適時見直すとともに、その意義や内容について、生徒や保護者に対し機会をとらえて説明したり、意見を求めたりする。
(3) 特別活動
ア 学校行事
教育目標に沿って、常に新しい視点で学校行事を見直し、その精選に取り組むとともに、「高校生ふるさと貢献・活性化事業」等、保護者や地域の人々の理解と協力の下にその内容の充実に努め、地域社会に対する参画意識を高めるとともに社会性や自主性など豊かな人間性をはぐくむ。
イ ホームルーム活動
ホームルームを望ましい集団活動の場として生かし、自己理解を深めさせ、話し合いや集団活動への積極的な参加を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図るとともに、将来の生き方を幅広く考えさせたり進路意識の高揚を図るなど、自己を生かす力や自主性・社会性を育成する。
ウ 生徒会活動
生徒会活動で、委員会や生徒会行事に自主的・自発的に取り組んだり、積極的に参加したりするなど、学校生活の充実向上に努める。また、自主的・実践的な活動を支援できる体制づくりに努め、その活性化を図るとともに、生徒の活動への意欲・態度などを評価し、支援する。
エ 部活動
生徒自らの興味・関心に応じて部活動を選択し、多様な経験を通して多面的なものの見方や考え方を身につけさせ、自主性・社会性を養い、寛容な心を持った個性の伸長を図る。また、集団の中で主体的かつ自律的に活動し、同じ高い目標を追求することを通して、望ましい人間関係をはぐくみ、課題解決能力や創意工夫する力を身につけた、たくましい人間の育成に努める。
(4) 進路指導
ア 生徒一人一人の個性や能力を伸ばし、「高校生就業体験事業」等を通して人間としての在り方生き方を考えさせ、自己実現を達成するために必要な勤労観・職業観をはぐくむ。また、「高校生キャリアノート」を活用し生徒各自の能力・適性、興味・関心などに基づき、自分の意志と責任で主体的に進路を選択し決定できる能力や態度の育成を図るなど、キャリア教育の推進に努める。
イ 個性を伸ばす進路指導の観点に立って、新しい類型や多様な選択科目を設けた特色ある教育課程を編成するとともに、進路や職業に関する適切な情報を提供し、将来の生き方を考え、夢や希望を持って自己実現を図るよう指導・援助する。
ウ 生徒一人一人の実態を正確に把握し、生徒が主体的に進路を決定できるように、保護者とも連携を密にして、進路相談を計画的に行う。また、生徒が進路情報を得やすいように進路指導室や進路情報室の充実を図るとともに、一人一人の進路実現に向けたガイダンスの充実に努める。
エ 幼小中高大等の多様な学校間連携、大学教授等による講義・講演の実施、また大学の研究室訪問など、進路に関する啓発的な体験活動の充実を通じて、キャリア教育の一層の充実を図り、生徒の進路意識を高めるよう努める。
オ 進路指導を推進するにあたっては、各学年の抱える問題や、それぞれの進路の特性に応じた指導を行い、各委員会やその他の分掌などと綿密な連絡と共通理解を図り、連携のとれた円滑な運営に心がける。
(5) 人権教育
ア 「人権教育基本方針」に基づき、生徒が様々な体験や交流を通して人権尊重、とりわけ人権共存の考え方に対する理解を深め、自己実現と「共に生きる社会」の構築に向け、主体的に取り組む意欲と態度をはぐくむ。
イ あらゆる教育活動を通じて、人権に係わる概念や歴史についての理解を深め、生徒の生活実態や学力の形成に係わる課題を明らかにし、読書や文化的な活動等を通して、表現力や洞察力を身につけさせる。
ウ 人権に係わる今日的な課題についての認識を深めるための教職員研修を計画的に実施し、教職員の人権意識を高め、資質の向上を図る。また、地域の実態や生徒の生活や人権意識を幅広く的確に把握し、学校における人権にかかわる教育課題を明らかにすることを通して、教職員の共通理解のもとに、主体的かつ積極的な人権教育を推進する。
(6) 国際理解教育
ア 人権尊重の精神を基盤として、異なる文化や習慣を理解し尊重する態度や、多様な文化を持った人々と共に生きていく態度を育成する。
イ 自国の文化・伝統を大切にし、国際社会で生きる日本人としての自覚を持たせるとともに、世界の各国、各地域の文化・生活・習慣を正しく理解し、それを尊重する心や態度を育成する。
ウ オーストラリア研修やアメリカ研修、エンパワーメントプログラム等の教育国際プログラムにより、語学力のほか、高度なコミュニケーション能力と発信力、幅広い知見を養成する一方、国際性豊かな共生の心を育むように指導する。
3 健康・安全・環境教育に関する指導の重点
(1) 健康教育
ア 生徒の心身の健康状態について、保護者や学校医等と密接に連絡をとるとともに、保健室の機能を十分に生かしながら、適切な保健管理・保健指導を行う。また、自他の生命の尊重を基本理念として、生涯にわたり主体的に健康で安全な生活を送ることができる能力・態度・習慣を教育活動全体を通じて培う。
イ 生徒一人一人の心の内面を多面的・総合的に理解するために、教職員の研修の機会を増やして共通理解を図るとともにキャンパスカウンセラーや保護者との連携を強化する。
ウ 喫煙、飲酒、薬物乱用、エイズに関する生徒用教材の活用を図るとともに講演会等を通して、健康に関する正しい知識の習得を図る。
(2) 安全教育
ア 生徒が安全で健康な生活を送ることができる教育環境の創造をめざし、「学校環境衛生基準」に基づいて定期検査及び日常点検を実施するとともに、未然に事故を防止するなど、校内の組織づくりや安全教育の指導内容・指導方法の充実に努める。
イ 震災の教訓を生かし、適切な安全措置が講じられるよう、災害の特質、地域の特性や歴史を正確に把握し、学校防災体制の充実を図る。
ウ 災害の危険について理解させるとともに、状況に応じた行動の仕方を身につけ、危機から身を守り安全が確保できるようAEDを用いた心肺蘇生法等の研修・訓練を取り入れるなど、防災(避難)訓練の工夫・改善に努める。
エ 不審者の侵入などに即応できるように情報の共有を図るなど、より実効性の高い危機管理体制を整備する。
(3) 環境教育
ア 太陽光発電やパッシブソーラーシステムの稼働状況を本館1階廊下の大画面装置でリアルタイムに表示し、太陽エネルギー活用の意識を高める。
イ 雨水による樹木散水や屋上緑化、本館全面の庇やバルコニーなど様々なエコ設備により省エネルギー化を進める。
ウ 太陽エネルギー活用設備などを教材として積極的に活用し、科学的な考察を通じて、次世代に継承する環境適合社会の実現に向けて主体的に行動する力を培う。
4 校務分掌
別表のとおり
5 研究テーマ
(1) スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業指定校の終了にともない、SGH事業の成果を生かしながら、継続的に将来のグローバルリーダーを育成する教育プログラムの在り方について
(2) 自然科学に関する専門的な知識・技能と的確な表現力を併せ持ち、国際社会で活躍できるスペシャリストの育成を目指して開設した「国際理学科」の在り方について
(3) アクティブ・ラーニングの実践について
(4) 生徒一人一人の高い志の達成と自己実現をめざした進路指導の在り方について
(5) 豊かな人間性や社会性を伸ばす教育活動の在り方について
(6) 特別支援教育体制の充実について
(7) 自ら研鑽に努め、規律の中にも潤いのある職場環境づくりについて
(8) 学校評価制度の充実及び家庭・地域社会との連携の在り方について
6 高校生ふるさと貢献活動事業及び高校生就業体験事業で実施する内容
(1) 高校生ふるさと貢献活動事業
ア ふるさと貢献活動
(ア)清掃活動・・・・落ち葉掃き、姫路城の清掃、校舎内外の清掃活動
(イ)小・高連携いきいき学習・・・・地域の小学生に対する学習活動の支援
(ウ)ジョイントコンサート・・・・音楽を通して近隣の中学生・地域住民と交流
(エ)医療施設訪問・・・・音楽系文化部が医療施設等を訪問し、入院患者・入所者と交流
(オ)地域交流・・・・音楽系文化部による地域敬老会、公民館学習発表会で地域住民と交流
イ 地域に開かれた学校づくり
(ア)オープン・ハイスクール・・・・生徒主体での本校教育活動内容の説明
(イ)たそがれコンサート・・・・地元自治会との連携により学校開放する音楽系文化部のコンサート
(ウ)防災活動・・・・保護者や地域住民と連携した防災(避難)訓練の実施
(2) 高校生就業体験事業
(ア)高校生・ふれあい育児体験・・・・近隣の保育所、幼稚園での保育実習体験
(イ)先輩に学ぶ・・・・大学生(卒業生)による大学、学部についての説明
(ウ)社会人講演会・・・・社会人講師による様々な職種の説明や体験談の講演会
(エ)企業・研究機関等訪問・・・・企業・研究機関、その他施設等の訪問
7 インスパイア・ハイスクール事業で実施する内容
(1) 公開授業の実施
(2) 東京大学・京都大学探訪における研究室訪問
(3) 先進的取組校訪問・特色ある教育課程の研究開発
(4) 数学理科甲子園出場、生物オリンピック参加
(5) 課題研究発表大会開催