第53回入学式が挙行されました

 前日まで続いた雨が嘘のように見事に晴わたる中、今年度は、PTA会長のほか学校評議員の皆さまをご来賓にお迎えし、西宮北高校第53回入学式が挙行されました。マスク着用は、4月1日からようやく自己判断となって、ちらほらとマスクを外して式に臨む新入生もいした。少し大きめの制服に身を包んだ皆さんが、この先成長してゆく姿を楽しみにしたいと思います。

 お忙しい中、ご出席いただきました学校評議員の皆さま、保護者の皆さまには心より感謝申し上げます。

式  辞

六甲の山脈青く、新生の息吹みなぎる今日の佳き日に、ご来賓の皆様をはじめ、保護者の皆様のご臨席を賜り兵庫県立西宮北高等学校第五十三回入学式を挙行できますことは、この上無い慶びであります。ただ今入学を許可しました、二〇〇名の皆さん、本校への入学誠におめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、これまで慈しみ育ててこられたお子様のご入学、心よりお慶び申し上げます。

さて、新入生の皆さんは今、西宮北高校で新たな出発の日を迎えました。この瞬間から、この学び舎に集う五十三回生同士、先輩、そして私たち教師との絆が生まれていきます。五十三回生の皆さんが、共に支えあい、学びあい、切磋琢磨できる集団に成長できれば、高校生活は充実し、実りあるものとなるでしょう。まずは、この縁を大切にしてください。 北高での新たな出発に際し、この三年間を通して心にとめて励んでほしいことを述べ、歓迎、激励の言葉といたします。

第一には、「なりたい自分を、探し見つける」ということです。夢探しと言い換えられるかもしれません。将来どのような仕事をしたいのか。どのような人たちと関わりながら、社会に貢献したり、自分の幸福を追求したりしていくのか。そういったことを、この三年間で徹底的に探究してください。考えて、考えて、悩んで、考え抜いてほしいのです。北高は、全力で皆さんをサポートします。本校の強みは、生徒の伸びしろを最大限に伸ばして、次のステージに送り出している、ということです。なぜそれができるのか。その理由は、自分の将来が描きやすいプログラムを一年生の早い段階からカリキュラムのあちらこちらに仕組んでいるからです。「どこどこの大学に入る」は夢を実現する手段であって、目的ではありません。目的や目標があるのとないのでは、学習活動や高校生活へのモチベーションが違ってきます。なりたい自分を描きながら、そこに近づけるよう目標を定めて、高校生活に取り組み、皆さんの夢を実現してほしいと願います。

第二には、何事にもチャレンジしてほしいということです。特に、チームリーダーを買って出てほしい。私は、皆さんの先輩にもことあるごとに、それを伝えています。例えば、生徒会役員や、北高祭の実行委員、クラス委員、部活動、地域の活動、何でも構いません。リーダー役を買って出て、苦労をしながらチームをまとめ何かを成し遂げる経験を北高の三年間で積んでください。皆さんがこれから生きる社会は、気候変動による自然災害、コンピュータやAIの発達などにより常に激しく変動していきます。こうした社会で、次から次に生まれる課題には、一部の人がリーダーシップを発揮するだけでは対応できません。全ての人がリーダーシップを身につけて、自律して考え行動することが求められます。しかしながら、このリーダーシップは、実践知(知とは知識の知です)実践知と言って、リーダーとして何かを実践・経験することでしか身につかないと言われています。机上の学習で身につくものではなく、また社会に出てから身に付けるのでは遅いのです。夢を叶えるためには、机上の学習も大切ですが、こうしたリーダーシップを自分の中に育てておくことも同じくらい重要です。自分は、リーダーには向いていないと感じている人は、ただ単に経験が少ないというだけです。そう感じている人ほど、是非自分から進んでその機会を掴んでください。

第三には、早く高校生活に慣れ、基本的な生活習慣を身につけるということです。本校の校是である「生活は質実素朴に 心は高く豊かに」は、英国の自然派詩人ワーズワースの「国家の独立と自由に捧げるソネット」の一節であり「暮らしは低く 思いは高く」を引用したものです。質実素朴とは、誠実で飾り気がなく素直なことを意味します。「心は高く豊かに」とは、気高く清く豊かに生きることを意味します。本校の教育活動には、この建学の精神が至る所に息づいています。あいさつを気持ちよく交わす、服装を清潔に整える、時間を守る、こうしたことは一緒に生活を行う相手への配慮や敬意でもあります。基本的な生活習慣を当たり前に身につけ、気高く清く豊かな心を育んでいってほしいと願います。

ご存じのとおり、西宮北高校は発展的統合により、令和七年度に新しい高校として生まれ変わります。そして皆さんが高校三年生の時に入学してくる新しい高校の一年生は、たくましく成長した皆さんの姿を見て「これが高校生か」と心強く感じ、先輩として慕ってくれることでしょう。これまで脈々と先輩から後輩へと受け継がれてきた西宮北高校の素晴らしきもの、価値高きものを、新しい高校に引き継ぐという大切な役割を皆さんは担っています。是非それをこの三年間で果たしてほしいと願います。

終わりになりましたが、保護者の皆様、お子様はこれから自立への道を歩むことになりますが、自ら考え行動することで、社会への責任感も育まれていきます。子どもたちがたくましい大人へと成長することは、親と教師の共通の願いでもあり、共に子どもたちの成長を願い支えるパートナーとしてこれからどうぞよろしくお願いいたします。北高に入学して良かったと喜んでいただけるよう教職員一同全力を挙げて取り組んでまいりますので、本校に対するご理解とご支援をいただきますようお願いいたします。

五十三回生の皆さんが心豊かにたくましい西宮北高生として成長してくれますことを祈念して式辞といたします。

令和五年四月十日

                 兵庫県立西宮北高等学校長 宮本 美枝子

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