兵庫県内において自然科学の研究活動を実践している学校が一同に集い、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)校を中心に企画された大きなイベントに今年も参加しました。コース1期生(2年生)理系選択者は発表者として、コース2期生(1年生)理系選択者は来年を見据えた見学者として、有意義な1日を過ごしました。2期生は9月から実践してきた探究活動の内容を主体的にプレゼンテーションし、多くの高校生をはじめ、高校や大学の先生、さらには専門家からいろいろな指摘やアドバイスをいただき、改めて自分たちで進めてきた研究について振り返ることができました。他校の研究から学ぶべき点も多く、同じ県内の高校生が内容の深い研究を知り、互いに議論する姿も見られました。1年生は来年発表者として参加するイメージをつかめ、先輩の発表にも刺激を受けました。また、午後からは企業や大学のプレゼンテーションもあり、多くの世代で交流を深めながら、自然科学の研究を楽しく味わうことができ、非常に有意義な1日になりました。2年生は今回のプレゼンテーションで得られた課題を改善し、1年生は前日行われた交流発表会でいただいたアドバイスを参考に、2週間後の校内発表会に向けてさらに発表内容を深めます。なお、今年度の発表テーマは以下のとおりです。
(数学)他人の目と信号無視、統計学で考える「いい配球」とは
(物理)音の要素とうるささの関係、炎色反応による金属の調べ
(化学)不動態酸化被膜の形成と破壊
(生物)あんた環境指標なれるん? ~ミドリムシの環境モニタリング利用への可能性を探る~
以下、生徒の感想です。
・ 他校の発表に質問や意見を行ったとき、情報交換がうまくできてよかった。意見することで、今後の他校の研究の展望にも興味が持てた。
・ いろいろな企業の発表を見ることができ、興味をひかれるものもあった。特に、自分が聞きたかった川崎重工のプレゼンが聞けて良かった。
・ 自分たちの発表に対して質問されたことで、出した結論の根拠をもっと深めていかなければならないと分かった。
・ 自分たちの発表を通して、伝わりにくい部分、わかりづらい部分がどこなのかということが分かった。他校の発表を見て、興味をひかせる工夫がされており、最終発表の参考になった。
・ 他校の発表を通じて、いろいろな分野のことを知り視野が広がった。企業のブース「リスク」についてのプレゼンで、新しい考え方がされており大変参考になった。
・ 他校の発表から、高度で難しい内容でも順序立ててわかりやすく仕上げることの大切さを学べた。企業の発表を見ることで、大学へ行ったらこんな研究がしたいというものが分かった。
・ 今まで大学でどのようなことをするのか考えていなかったけれど、大学や企業のブースを見学してもっと詳しく知りたい話があり、今後のことを考えるきっかけになった。
・ 他校の発表を通じて、ポスターに出てくる用語の説明など、わかりやすく説明するために身近なものを例に挙げていたところが参考になった。
・ 発表することで、自分たちの研究でもまだまだ理解を深めないといけないなと思った。最終発表会では、文系の人や私たちの研究を知らない人もいるので、もっとわかりやすい説明ができるといいなと思った。
・ 大学のブースから、医学部でしかできないと思っていた細胞の研究が工学部や理学部でもできることを知り、大学進学を考えるときの参考になった。
・ 1回目の発表でいろいろな指摘を受けて、2回目の発表の改善に繋げられたことが成果です。他校の発表では、実際に物を見せることで興味を持たせるところが参考になりました。
・ ポスターの配置、見易さ、声の大きさなどがとても大切なのが分かった。いい研究でもその伝え方次第でいい研究かどうか分からなくなる。
・ 昨年、スパコン「京」のブースがあって「すごいなあ」と思った覚えがありますが、今年の「京」のブースにはDNA中のたんぱく質の構造が京で計算できるようになった、と紹介されており、1年でこんなにもサイエンスは進んでいるんだと実感した。