本校第二STEAM ROOMにおいて、創造科学科7期生(1年)を対象に、WHO西太平洋地域事務局 事務局長室管理官の野﨑慎仁郎氏から「UHC推進における日本の重要な役割」というテーマで講義を行った。野﨑先生には2月上旬に本テーマのコアメンバーの生徒とオンラインで打ち合わせをしていただいき、生徒から講義内容をオファーして今回の授業となった。野﨑先生からは、「コロナの今後」「高齢化の世界的進展と保健・医療の課題」「UHC東京センター設立の意義」について、生徒と議論を交えながら講義を進めていただいた。コロナで浮き彫りとなった課題とWHOの立場から見た日本の位置付けを踏まえ、世界の保健・医療において日本の役割について考えを深めた。
〈生徒感想〉
2050年以降何が起こるかという問に対して「準備が出来ないうちに老いる国が多くなる」という回答に準備が間に合わないほど少子高齢化は速く進んでしまう可能性に少子高齢化の深刻さを目の当たりにした。世界中の準備が出来ないうちに少子高齢化社会を迎えてしまうとなると日本以外の世界中の国々で労働力人口の減少による企業の生産性の低下や経済成長の低下によって世界の経済が進まないという最悪の事態が想定されてしまう。また、アメリカのような社会保障制度が少なく自己負担の国では貧富の差がさらに広がってしまい人口が急速に減ってしまう可能性がある。これを少しでも避けるためにもいち早く日本が少子高齢化対策のアドバイスや情報提供を行うべきであると考えた。
授業の中で、感染拡大を防ぐためのどの政策が正しかったのかについて考えとき、アジアの政策と欧米の政策の違い、そしてそれによって感染者数及び死者数にどのような違いが生まれたのかについて気づいた。またその気づきから、感染拡大防止の観点のみから見ると、アジア地域は非常に優れている一方で、いち早くコロナと共存し、経済との両立を果たした欧米も評価できると思った。個人的には命を優先すべきなので、アジアの感染対策を評価するが、厳しい感染拡大防止策を行使することで経済的生活が苦しくなった国もあったので、もっと生活支援と両立された政策が執行されていたら良かったと思った。
今回の講義で、私たちは高齢社会による負担を背負う側にあると再認識した。そのうえで、若者の負担が増え生活が制限されてしまうことはトータルとしてまた新たな社会的弱者を生み出しかねないと考える。そのため、この負のサイクルを断ち切るために新しい社会の在り方について深刻に受け止め、考えていきたいと思う。やはり、問題解決への1番の近道は若者の政治参加だと考える。高齢者だけでなく若年層の意見も取り入れることで、両方にメリットのある社会を作り出していけるのではないか。