本校同窓会館武陽ゆ~かり館において、創造科学科7期生(1年)を対象に、財務省主計局調査課課長補佐の岡本めぐみ氏から「21世紀の担い手となるために日本の財政を考える」というテーマで講義を受けた。始めに、このテーマを設定した生徒から、学習の意義について述べ、次に実際に国会対応をされている経験から政治の場における財政議論について講義を受けた。続くワークショップでは、2050年(生徒自身が親世代)を想定し、そこに向けてどのような財政上の手立てを打っておくべきかを議論した。最後に今後の財政再建の道標について、さらに講義をしていただいた。講師の帰る時間ギリギリまで質問、議論する生徒もおり、財政について自分事として真剣に考えることができた
〈生徒の感想〉
今回の学習で、自分が考える財政の課題、財務省や国が考える財政の課題をすり合わせられたと思っている。それぞれ異なる考えであることも多かったがお互いの考えの理由をさまざまな経済データをもとに考えていく機会になったと思う。また私は今回の学習を通して経済学に非常に興味を持った。事前のリサーチでも、自分の中ではっきりしなかった国債問題を理解することができ、校長室で自分の考えを財務省の方に伝えることができた。もう一つ伸びた能力は、案の具体化である。以前参加した模擬国連の中で、法律を改正する際の細かい言い回しにまでとにかく注意することで、案の具体化の重要性がわかった。今回の授業はそれらの知識をアウトプットするいい機会になっていったと思う。最後に、現在の財政課題の解決のために複数の解決方法があることがわかった。どれが最も適切なのかを見極め、自分の意見を持つためにも、これからも資料や経済問題に目を通す機会を作っていきたい。
経済の仕組みを理解することが高校生にできる財政参加のもっともな方法かもしれない。「金利」「円高」「MMT」などなど、、、すべてをはっきりとは理解していないし、今日の講義で初めて聞くような言葉も多くあった。それだけ、経済に対して何の考えも持っていなかったのだと思う。高校生としてできることはまだまだ少ないが、知るということは今後の社会に大きく役立つ。日本が他国に対してGDPが劣っていることや悪循環に陥っている理由の1つにICTストック率というものがあげられていた。これこそ私たち高校生の強味だと思う。ICTといった電子機器は若い世代の方が使い慣れているだろう。それだけに、ICTのことを知るだけでも今後に活かせるかも知れない。自分たちにしかできないことを追及していくことが大切であると思う。
事前学習で歳出と税収のアンバランスが続いているのは知っていたが、新型コロナが流行したときに大きくバランスが崩れているのに驚いた。それだけではなく、手厚い社会保障に見合わない国民負担率となっているのが自分たちの感覚と全く違うのに驚いた。しかし、若者は「負担している割に自分たちの保障に繋がっていない」と感じ、社会保障を受ける側の高齢者は「相応の保障を受けている」と感じるのは今の日本の財政問題そのものであり、財政問題は他人ごとではないというのを再認識した。
今の日本の財政の運営のままだと、予測の例にも複数上がっていたように、私たちが大人として過ごしているであろう頃(2050年や2060年頃)には、日本の財政は成り立たなくなっているかもしれないと感じました。そのため、いま現在から今後の日本の財政について考えいく必要があると考えます。例えば、身近で私たちが出来ることは、2年後に私たちに与えられる選挙権で、きちんと自ら判断した人に投票することです。財政の運営を立て直そうとする方法は複数あり、選挙で立候補する人が選ぶ政策はそれぞれ違うと思います。だからこそ、簡単な思いで投票するのではなく、自分の考えとよく方針が似ている人を見極め、投票していかなければならないと感じています。
社会保障などによってどんどん将来世代の負担が増えてきている中で私たちができることはやはり財政、政治について知り選挙に参加できるようになった時ちゃんとした政治家に意思決定を委ねられるようにするべきであると思う。財政、政治について興味を持たない若者が多い現在だが私たちが選んだ政治家が私たちの意見を反映してくれなくてもそれは選んだ私たちの自業自得になってしまうのが現実である。将来をより良いものにするためにも今私にできることは財政について学んだ知識をしっかりと身につけることである。