本校第一STEAM ROOMにおいて、創造科学科7期生(1年)を対象に、「SDGsカードゲーム」というワークショップを行った。これは一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)が開発した教育用ゲームで、講師による講義、班によるカードゲーム、振り返りという3つのパートで構成されているワークショップである。講師として同ダイバーシティ・ファシリテーターの猪口綾奈氏とグローバル教育コーディネーターの大西百合恵氏に来校していただいた。カードゲームは前後半で行われ、前半は経済成長を中心に進められる一方で環境や社会政策が軽視されることで持続不可能な世界が出来上がったが、後半は班の間で協力をしてバランスを重視した政策をとるようになった。SDGsの理解が深まるとともに、“自分事”として行動に反映させていくことの重要性を生徒が考える授業となった。
〈生徒感想〉
この世界には、国の数の分だけ国内の状況に違いがあるためSDGsを達成するには、各国が強みとしている分野は他国に力を貸し、反対に弱みとしている分野は他国から力を借りるといったような”協力体制”が最重要であると感じました。また、「世界は繋がっている」というフレーズが心に響き、この言葉からSGDsに関係のない人は一人もいないんだということを改めて実感させられました。そして人はこんなにも自分のことを優先して行動してしまうのかと驚きました。
以前よりSDGsカードゲームを創造科学科でもやってみたいと思っていたので、今回そのような機会を得ることが出来て良かったです。実際にゲームを行ってみて、とても世界の再現度に近いと感じました。やはり周りのことに目を向けられるのは自分の国(チーム)の状況が安定してからであって、自分の目標が達成されていない内から周囲を気にする余裕はなかなか持てませんでした。しかし、実際にはなかなかその「余裕」を持つことは難しいと思います。余裕のある無しに関わらず、世界全体で幸せになっていくためには、どこかで利益追求を妥協しなければならないのではないかと感じました。 また、マイクを持って前で自分の意見を発表するという行動はあの場に限らず、世界でも行っていくべきだと思いました。
私は問題解決の正解がSDGsにあるとは思っていない。むしろ、たくさんの問題点があると思っている。しかし、世界がひとつの目標に向かって団結する指標になったことは大いに評価すべきだ。あとはこの目標をどうとらえるか。私は、この目標を「骨組み」と表現したい。形はどんなものでもいい。世界中の国民が「自分の国は豊かだ」と思える未来の世界の新しい枠組みのための骨組みである。私は、SDGsは崇高なものではなく、改良できるものであるべきだと思う。政策を進めていく中で出てきた問題点、改善点を見つけ出し、目標を変えたり、追加したりすることが出来てよいと思う。理由は、このような類の目標に正解はないからだ。私はもっとSDGsを自分に身近なものと考え、今必要とされていることは何かそれをどう取り入れていくかを、考えていきたいと思っている。