令和2年2月8日創造基礎・応用「薮中塾公開イベント」

大阪大学豊中キャンパス基礎工学国際棟シグマホールにおいて、創造科学科3期生(2年)3名と4期生(1年)2名が、薮中塾主催「薮中塾グローバル寺子屋公開イベント」に参加した。「デジタル社会をどう生きるか」というテーマで、 デジタル駆動型社会について議論し、日本が進むべき針路を聴衆も交えて考えた。

プログラム

 第1部 テーマ:「自由なデータ利活用」は、我々に何をもたらすか

 第2部 テーマ:デジタル化は民主主義を崩壊させるのか

 第3部 全体討論及び薮中塾長による基調講演

薮中塾HP〈外部リンク〉

〈生徒感想〉

このイベントでは、データ利活用の是非が主なテーマであった。経済分野では、レクチャー編で、個別ターゲティングや情報銀行といった新たな知識を知ることができた。また、自分では見えなかった問題点が浮き彫りになっていた点は感心した。政治分野では、医療や政治選択の場面で有効に活用されているという事実がありつつも、パーソナルデータの収集から人々の意見を操作しているのではないか、という課題も浮き彫りになっていることに驚いた。その上で、僕はデータ利活用を日本でもある程度推進する必要はあると思った。しかし、現在IT分野で台頭しているアメリカや中国のようではなく、EUに近い独自型の路線で行くべきだと考える。日本は現状、地方自治体は財政的にかなり疲弊している。その中で、歳出を削減していくことが必要であると考える。そこで、EUのように、医療などの分野で分野ごとに個人情報をまとめて管理し、効率化を図っていく必要があると感じた。また、ディベートでは、内容面だけでなく、技術面でも高さが目立った。議論の中では、一方の意見に対してもう一方が反論するというのが大抵だが、切り返しが基本的にどの登壇者も素早かった。また、政治編でのディベートでは、特に的確に答えつつも素早い切り返しという高度な技を見ることが出来た。これは経験を積んでいるからこそできるものだと思う。様々な議論を見て、上手な技は盗んでいきたいと感じた。

今回の藪中塾のセミナーは、以前学校で聞いた講義よりもはるかに内容が難しく、なかなか理解できないところも多かった。しかしそれとともに、これから将来確実にデジタル化が日本で、世界で進んでいくことは間違いないだろうと考えられるため、そのデジタル化にどのような姿勢で接していくかは私たちが今後直面する大きな課題であるだろうとも感じた。デジタルデータを企業が積極的に利用するとイノベーションを起こすことができる可能性がある一方、個人情報の漏洩などのリスクを伴うことが分かった。また、政治にSNSが介入することにもメリットやデメリットがそれぞれあることが分かった。これらを踏まえて日本がこれからどのような道に進んでいくべきであるのか、もう一度深く考えたい。

前回学校に薮中さんが来てくださったときに自分の見解は甘かったな、と感じるポイントが多々あり、薮中塾の塾生さんたちはどんな意見を持っているのか気になってこのイベントに参加した。国際情勢よりもデータ社会の方が理解できると思っていたがその認識も甘く、切り離して考えられるものなんてないのだと勉強になった。今回は内容はもちろん、パワーポイントや説明の仕方、話の切り出し方などに注目していたが、特にパワーポイントが参考になった。ついスライド内に文字を書いてしまうが、それらをすべて省き説明で補い、かつ飽きさせない工夫が盛り込まれていた。デザインのセンスも良く、上手なパワーポイントが見られたことは今後に活かそうと思う。そしてディベートの際によく見られた、「今の意見はこのようだったと思うのですが、、、」と相手の意見や質問をまとめてから話し出すことは相互により深い理解が得られると感じた。話し合いの時によく何をいっているのか分からなくなってしまうことがあるので、論点を確認しあいながら進めていくためにも是非身に付けたい。そしてもうひとつ感嘆したのがパネリストたちのボキャブラリーの豊富さだ。アルゴリズムが使われたときに分からなくて用語集をめくったのだが、そこに書かれていた単語のほとんどを知らなかった。意味を確かめているうちに会話が進んでいってしまうので、対等に話し合うためにはこういったところで劣ってはいけないのだと感じた。第一部の内容は少し難しくてハンドブックを便りに聞いていたが、ディベートのテーマの自由なデータの流通については推進すべきだと私は考える。現状の技術ではリスクが大きいかもしれないが、以前EUミニシンポで学習したデータが町中に活かされているバルセロナなどの都市を見てみると、都市としてのレベルが高く、新しい取り組みがたくさん行われている。バルセロナが行っているデータの集め方はプライバシーを侵害するような方法ではなく、街に設置したカメラなどから集めたデータを快適な生活に活かしていく感じだ。実験的な感覚からデータ収集をはじめていって、データの扱いに企業や政府側も慣れていく段階が必要になると思う。リスクが大きいからやらない、技術が育ってから始める、では世界に遅れをとってしまうので、やりながら技術を育てていく、というのがデータ流出への私の意見だ。第二部でのデジタル化は民主的な政治選択の脅威となるのかについては、始めは否定側だったが肯定側へ変わった。以前読んだ評論文で分極化について書かれたものがあったが、デジタル化だけが原因ではないと思う。しかしれいわ新撰組が例に挙がったが、私は昨年の選挙でのれいわ新撰組の姿は国民投票の危うさが顕著に現れているものであり、一時の衝動に身を任せてしまっている人もいたと思う。つまり政治家が上手くやった結果であり、思想の危険性などを口にしているわけではなく、テレビなどでも盛んに取り上げられていたことに危うさを感じた。だから政治選択の多様化の例としてれいわ新撰組が挙げられたことに違和感を感じた。そして私はその存在を知らなかったのだが、アイサイドウィズはそれ事態が脅威となりうると思う。参考にするだけで選ぶ段階まで干渉はされない、との意見が出ていたが、遊び感覚なら別だがそんなアプリを作ろうと思い付いた時点で、AIに自分の決断を委ねてしまっている部分が少なからずあると思う。またいかに影響の受けていない情報を手に入れるかと質問が上がっていたが、選ぶ側ではなく提供する側の話になるが、『私たちは〇〇さんを支持している立場です』などと自分の立ち位置を明確にしておくと、他の立場からの記事も読んでみようと思えるのではないだろうか。そして第三部はめちゃくちゃ分からなかった。ひたすら現代社会を勉強したいと同級生と話していた。5時間も頭を使うとこんなに疲労すると知れたし、参加した理由であるいろんな人の意見を聞くことも出来てとても楽しかった。帰り際に先生が向こうの方とお話ししていたが、是非ディベートをする機会を設けてほしい。いい経験になると思うのでみんなでやってみたい。

カテゴリー: SGH(学科3期生), SGH(学科4期生), 創造科学科3期生, 創造科学科4期生   パーマリンク

コメントは受け付けていません。