平成30年6月25日グローバルリサーチⅢ「活動の記録」

本校コンピュータールームにおいて、グローバルリサーチⅢ受講生(3年)40名が、これまでの活動のふりかえりを行った。1年次のリレー講座やテーマ設定、2年次でのポスター発表と口頭発表、そして論文作成、3年次での論文完成という活動を通して、どのような知識やコンピテンシーが身に着いたのかについてまとめた。最後に後輩へのメッセージを記述し、グローバルリサーチの3年間の活動を締めくくった。

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〈受講生から後輩へのメッセージ〉

国内の政治にもともと興味があった僕は兵庫のSGHプログラムをしたいと、中3の段階で思っていました。そのときは国際問題に関する知識が今より乏しかったので、兵庫のSGH事業に取り組むことで自分の世界の視野が広がると思ったからです。創造科学科も受験しましたが、受け終わった感触が全然だめだったので、普通科に合格して、グローバルリサーチを受けるという決意をしたのを今でも覚えています。

グローバルリサーチを受けたことで自分の考え方は広がりました。はじめは1年のときは授業で日本の東南アジア進出について多く考える機会を得たほか、移民難民問題についても考えるきっかけを得ました。自主的に参加したセミナーでも難民問題やSDGsのセミナーに積極的に参加しました。そのころはシリア難民が難民キャンプやヨーロッパ諸国にあふれ、世界中で移民排斥を訴えるポピュリストたちが力をつけていましたが、その訴えは本当により良い世界のためのものなのか考え、難民に対する理解を自分なりに深めていきました。

また、1年の2学期以降は難民問題以外だけでなくSDGsなどを通して環境、教育、経済発展など様々な問題を考えられるようになりました。発展途上国と日本の関係や、欧米諸国との日本の関係などを少し勉強して、新聞やニュースを見ることの面白さに改めて気づきました。

2年以降は発展途上国の教育について研究を始めていきました。それまで発展途上国の教育について考えたことはほとんどありませんでしたが、1年のグローバルリサーチで蓄積した知識や経験を活かして、どうすればそれがよくなるか考えました。3年になってそれを論文にできたのは、自分なりの考えがしっかり持てたからではないかと思っています。

これから受講する皆さん、政治や国際問題と聞くと難しそうなことだと思う人もいるかもしれません。でも、知っていけば、自然と流れがわかってきます。僕はグローバルリサーチを通して、国際社会のある一つの出来事を自分なりに考えを深めることができ、自分のみる世界が広がりました。情報網が発達し、誰もが自分の意見を発信でき、それらを簡単に受信できる今、私たちが知識を持つことの重要性は高まっていると思います。世間には、短絡的に自らの目先の利益だけを考えるような考え方も蔓延しています。しかし、それをストレートに受け入れるのではなく、批判的にとらえて再考することでより良い世界が見えてくるのではないでしょうか。グローバルリサーチはそういったことを学べる授業です。

グローバルリサーチは創造科学科の授業に劣るわけではありません。僕は授業に積極的に参加したことで、創造科学科でやること以上の成果が得られたと思っています。グローバルリサーチも研修旅行に参加できたり(僕もイギリス研修に参加させていただき、シティズンシップ教育やイギリスのEU離脱問題などの現地のリアクションを肌で感じることができました)、他府県の同じ志を持つ高校生と交流が持てたりします。ぜひ、グローバルリサーチを受けてください。時間的制約よりも収穫が必ず勝りますよ!

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