平成29年10月25日 創造応用ⅠS 探究活動(6回目)

<数学>
神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授 稲葉 太一氏にお越しいただき、1つの母集団のデータ分析について、母分散が既知のときや未知のときに母平均を分析する手法としてχ二乗分布やt分布を利用して推定していく方法を学びました。そろそろ2学期半ばにさしかかってきたので、具体的にどのような対象を分析するかについて、各自が持ち寄ってきたテーマに関してどのような実験を試してみるのか具体的な方法の議論を進めました。記憶をテーマにした実験では、まず簡単な実験を試すことから始められるようにかなり詰めたところまで決めることが出来たので、最初に実際のデータを集めにかかることが出来そうです。

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<物理>
ダイラタント班は、前回の反省から、ダイラタント流体作成に使用する片栗粉を当初使っていたものに戻し実験を行いました。使用する流体の状態を確認した後、シャーレにダイラタント流体を入れ、そこにスポイトからダイラタント流体の滴を落とし、液面でどのような現象が起こるのかを観察しました。今回は、滴下する高さを変化させ、どのように現象が変化するのかを実験しました。砂時計班は、乾かした砂をふるいにかけ大きな砂粒を取り除き、ある大きさ以下の砂粒だけを用いて実験を行いました。ペットボトルとろうとを用いて、落下する砂の質量と、時間の関係を2つの作業班に分かれて実験を進めました。一方の班は、ある一定量の質量の砂を落としすべての砂が落下する時間を計測、もう一方の班は、一定時間の間に落下する砂の質量を計測しました。

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<化学>
化学6回目の探究活動は、腐敗させた泥を用いて放電曲線を描くことを目的に起電力の測定を行いました。泥を腐敗させるために、それぞれぬかと米を泥に混ぜたもの、両方混ぜたものの3種類を準備し、デジタルメーターで計測しました。最初にぬかで腐敗した泥を負極、正極にしゅう酸を用いて測定すると、通電直後は約0.3 vの起電力が8分くらいで急に降下し、放電曲線を描くことができました。しかし、以降の実験では負極の泥を変えることで、正極と負極が逆転するなど、不可解な測定値となり、泥の不純物の影響なども疑ったが、結論は出ませんでした。いずれにしても再現性がなく、なぜだかわからない結果となり、次回の授業で大堺先生からアドバイスをいただくことを考えています。

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<生物>
神戸大学洲崎研究室を訪問し、洲崎敏伸先生並びに研究員 小林真弓さんの指導を受けてグリーンヒドラの刺胞放出と捕食行動の電子顕微鏡観察の準備を行いました。特に、アルテミアを与えた個体と酢酸水溶液を与えた個体の刺胞放出に着目して、材料を調整しました。刺胞放出を位相差顕微鏡で確認した後、グルタルアルデヒドによる固定、オスミウムによる固定および固定液の洗浄を行いました。

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<都市工学>

本校HR教室において、指導担当と選択生徒5名で実施しました。先日の阪大訪問の際に体験させていただいた印象評価実験のデータ化とテーマ設定および仮説設定に向けての議論を行いました。自身が体験した印象評価実験の記録については、各自手許に持っており、入力様式(エクセルファイル)の作成を宿題としていたので、作ってきた様式に入力をしていく作業を行いました。地道な作業が想像以上であったようで、生徒らからは「たった5名分のデータでもこんなに大変なのか」という驚きと焦りの反応が見られました。。入力したデータをグラフ化すると、形容詞「美しい」と「統一感のある」「開放感のある」「あたたかみのある」に関連性があるのではないか、という仮説が立てられそうでした。しかしながら、方向性として考えている「音楽」や「色彩・絵画」との関連付けの議論になると、どうしても仮説設定に筋道がつかず、全員が納得のいく形には収まりませんでした。課題としては、それぞれの考えや根拠等に基づいて、実験に用いる景観写真と形容詞対のセット作りを提示しました。

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カテゴリー: SGH(学科1期生), 創造科学科1期生   パーマリンク

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