平成29年10月11日 創造応用ⅠS 探究活動(5回目)

<数学>
本校学科準備室において、神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授 稲葉 太一氏にお越しいただき、前回の講義の宿題の答え合わせをしながら2次元確率変数についての理解を深めました。また、条件付き確率について、具体的な例を通して直感と実際に起こっていることとの間のずれについて、どのような説明をすれば理解しやすいかということを議論しました。また、各生徒が直接稲葉先生にメールを使って質問していったことについて、実際にExcelを使いながらデータの解析・回帰分析について実践していただきました。

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<物理>
本校物理教室において、各班が前回決めた実験を実施しました。ダイラタント流体班は、今後行っていく実験の厳密性を上げるために、試料として使用していくダイラタント流体の物性を決定しようとしました。しかし、前回と同じ比率で作成したにもかかわらず、前回と同じ性質を示さなかったため、この違いが生じた原因が何で、どう対処していくべきなのかを考えました。今回は、試料作りの難しさを感じ、最初に乗り越えるべき課題が生まれました。砂時計班は、ペットボトルを用いて砂の量と落下時間の関係を調べました。実際にしてみると予想通りにいかず、予想から外れる原因が何かを議論しました。その中で、ペットボトルの変形や砂が含む湿気などに原因があるのではと考え、次回に向けて砂を乾かすなど、実験を正確に行う準備を行いました。両班とも、実施したい実験を行うための事前準備の大切さに気付いた回となりました。

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<化学>
本校化学教室において、化学を選択した生徒6名を対象に、神戸大学大学院理学研究科准教授 大堺利行氏に指導していただき、化学5回目の活動を行いました。前回のアドバイス通り、金属の酸化による起電力の影響をなくすために電極にカーボンフェルトを用い、負極にKCl水溶液に泥を入れ、正極はKCl水溶液のみで起電力を測定し、放電曲線を作成しようとしました。しかし、0.1 V程度しか起電力を得ることができず、30分間通電しましたが、結局ほとんど起電力の変化を確認できませんでした。実験後、大堺先生と議論し、昨年の先輩のデータを生かし、次回は泥をいろいろな方法で腐敗させて嫌気的な泥を用いて、電池の放電曲線を作成することになりました。

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<生物>
本校生物教室において、光学顕微鏡と電子顕微鏡に関する基本的な知識を整理しました。さらにグリーンヒドラの餌として、アルテミアの孵化準備をすると共に、孵化したアルテミアの採取・洗浄をしてヒドラへ与えました。また、グリーンヒドラを用いて本講の実験室で行える探求活動の内容を検討しました。

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<都市工学>
本校資料室において実施しました。本日も、大阪大学大学院工学研究科より澤木昌典教授をお迎えしてご指導をいただきました。先週の課題として、研究テーマ設定の集約の方向として、個人個人で考えをまとめてくるように提示をしていたので、その考えをそれぞれで発表する活動から開始しました。景観印象と絵画・色彩の班メンバーからは、次のような意見が出ました。

  • 印象評価に用いる形容詞対の設定について、「明るさ⇔暗さ」と「美しい⇔醜い」の関連性への注目
  • 「配色」や「色数」に注目して色に対して持つ印象から美しいと感じる景観の形成への示唆を得る

景観印象と音楽の班メンバーからは、次のような意見が出ました。

  • 楽曲における「アクセントの置き方」や「楽器数」等に注目し、「美しさ」と「奥行きのある」という形容との関連を調査
  • 景観の美しさにおいて「統一感のある」に焦点化し、建物のスカイライン(高低)と楽曲のリズム・アクセントとの関連性を調査
  • 同じ楽曲で、編曲による印象の変化への注目

探究可能性の高い意見も見られ、澤木教授から1つ1つの意見に対して丁寧なアドバイスをいただきました。また、印象を表現する形容詞について、基本的な考え方の講義をしていただきました。概要は以下の通りです。

  • 大きな枠組みとしての「総合評価指標」とその指標に関連のあると考えられる形容詞の設定
  • 総合評価指標とその下位に位置する形容詞軍との関係性の仮説の立案

作業課題としては、前回大阪大学大学院訪問の際に体験させていただいた印象評価実験のデータを用いた演習をしてみようということになりました。作業シートの実験結果をエクセルに入力し、分析をして形容詞同士の関連を調べます。

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カテゴリー: SGH(学科1期生), 創造科学科1期生   パーマリンク

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