本校同窓会館ゆ~かり館において、創造科学科2期生(1年)40名を対象に、あおぞら財団研究員の栗本知子氏による「社会課題の解決と市民の役割 ~公害の事例から考える~」というテーマの講義とワークショップが行われました。今回は、2学期のRREのテーマである「環境問題」について、市民としてどのように関わるのかを考えるために、日本語での活動となりました。初めに栗本氏から西淀川公害について講義をして頂きました。続いて、グループに分かれ、市役所職員、被害住民、工場経営者、町医者、工場従業員、ジャーナリストで役割分担し、ロールプレイを通して環境汚染問題について合意形成をめざすプログラムを実施しました。最後に役割ごとにグループをつくり、同じ状況におかれた人同士で改善策は考えられないか話し合いました。
〈生徒感想〉
「工場が原因だ」というはっきりとした証拠はなくても、他に原因がないので、工場に何らかの原因があると考えるのが妥当なのではないかと思う。でも一人で声を上げ続けても効果は得られないので、横のつながり(被害者同士、賛同意見)をつくっていくことが大事だと思う。〔市役所職員役〕
僕は被害住民の立場だったけど、医者や工場の立場の人の意見を聞いて、立場が変わると「こうであってほしい」という思いも変わってくるし、その意見をまとめて合意につなげていくことは難しいことだなと思った。それでもお互いの意見を尊重し、解決策を見つけることが大切だと思った。〔被害住民役〕
今日の話し合いと実際の議論は比べ物にならないほど困難なものであると思った。一番困るのは経済面だと思うので、根本的な解決を図るのならもう技術を発展させるほかないと思う〔工場経営者〕
公害については今まで社会の四大公害病でしか学んだことがなかったのですが、今回もし自分が公害に関係あったらと考え本当に難しい議題だと思いました。もし自分の家族が病気になったら工場を憎むでしょうし、逆に工場で働いていたら責任はない!と言い張るだろうし、工場の操業を止めるというのも立場によるので、本当に難しいと思いました。ですがたくさん議論ができたので良かったと思います。〔工場従業員〕
市民が主張していくことが大切だと思った。「誰かがやってくれる」と思わずに、変えたいと思っている住民が協力すれば工場や市役所も動かざるを得ない状況になると思う。その場所に住んでいる人として責任があると思うので、私も私の住んでいる地域でそのような問題があったなら人任せにせず自分の意見を言い、自分から積極的に行動していきたいと思った。〔ジャーナリスト〕