神戸ベトナム人会において、「難民」をテーマに研究を始めたグローバルリサーチⅡ受講者(2年)7班の生徒3名が、会長のオアンさんに、難民として来日されてから今までどのような経験をされたのか、現在ベトナム人コミュニティで取り組んでいる内容を聞きました。ベトナム難民の方がどのような課題を抱えているのか、日本人とのかかわりなどがわかりました。今後は、実際に取り組まれている現場にも訪問し、研究を進めていきます。
〈生徒の感想〉
ボートピープルとして日本に来たオアンさんのお話を聞かせていただいた。難民として来たベトナム人の方は、日本に暮らし始めたときには大変なことがあって、だんだん時間が経つにつれ慣れて社会に浸透しているものとばかり思ってた。しかし、実際の話を聞いてみると、日本に来た当時は右も左も分からない状態で大変だったが今も大変なことが多い、と言っていて驚いた。特にパスポートが取れないため外国へ行くのが不便である、ということや親子で使う言語が違うため、通訳を通さないと重要な話は出来ない、という話にショックを受けた。このフィールドワークは私たちが研究するにおいて大きな刺激になった。
オアンさんの話を聞いて難民の方の日本で暮らすことの大変さを感じることができた。日本語を学ぶことが難しいのはもちろん、日本語の学習の不十分で働き口がコミュニケーションを要しない靴会社などの製造業に多いことは驚きだった。またそれによって生じる親子間の言語の違いによるコミュニケーションの困難は大きな問題であると思った。いまだ日本人の中には難民の方に差別や偏見を持っている人がおり、それが難民が社会に馴染むための一番の妨げになっていると思う。そのような人に難民のことを知ってもらい、理解を深めてもらうことで、共存していけるのではないかと思う。
オアンさんのお話は衝撃的な内容ばかりだった。その中でも、職業や教育に対する困難、親子の話す言語の違いから生じるコミニュケーションの取りずらさについては想像の遥か上を行く内容で、とても驚いた。また 、日本は難民に対して不寛容であるように感じた。今まで難民のことについて、インターネットや文献から知識を得てきたが、実際に難民の方に会って話を伺うと、実状は想像以上に深刻なんだということを感じた。今回、オアンさんから伺った貴重なお話をしっかりと今後の研究に生かしていきたい。