本校選択授業教室において創造科学科1期生(2年)理系選択者対象に「統計的推測」に関する数学の授業を行いました。統計的推測とは、集団の一部分から得られた情報から集団全体の情報を推測するという統計学の考え方で、高校の教科書にも掲載されています。受験で取り上げられることが少ないため、授業で詳しく紹介されないことが多い分野ですが、自らデータを収集して分析するような課題研究においては欠かせない技術なので、創造応用の授業では紹介してきています。近年では文系理系を問わず、必要な知識として入学後に必ず学ぶように指導する大学も増えているようです。
さて、今回の授業では集団全体のデータをとることが難しい場合に、うまく選んだ一部分のデータを用いて全体のデータを推定する例として、入荷した袋から100個を無作為に選んで重さの平均値を出し、その値から全体の重さの平均値を推定する方法や、開票率が5%や10%の場合の得票率から当選確実を推定できるかどうか、などを考察しました。生徒たちにとっては足早でやや難しい授業でしたが、数学の有用性の一端を経験することができました。
<生徒の感想>
文字式の使い方の意味を理解していないまま、間違った値を代入してしまった。文字の意味をしっかりと意味を確認することで、このようなことは防げるのではないかと思った。
今回は文字だったが、記号などの意味もしっかりととらえられるようにしたい。その方が理解がスムーズになるだろうし、間違いも減っていくと思う。