1年生のグローバルリサーチ受講生1名と2年生の未来創造コースの生徒1名がセミナーに参加しました。講師は賢明女子学院のブイ・ティ・ミン・ヒュウ(日本名平川孝美)さんでした。演題は「べトナム難民として日本に暮らして」でした。ご自身のボートピープルとしての経験やマレーシアでの過酷な難民キャンプ生活、姫路の定住センターにおける経験と日本政府の支援がなくなった後、ご苦労されたお話をお聞きしました。定住センターの仲間には日本の生活が馴染めず、病気になられたお話や子供たちの学習環境が悪いなど、日本の難民受け入れの課題についても聞くことができました。終了後、生徒は熱心に質問をしていました。左の写真は定住センターで実際に使用されていた英語で作成された日本語の教材です。日本の難民受け入れを考える上で大きなヒントとなりました。
<生徒の感想>
すごく努力している方で感心しました。難民一人一人で、本当に事情が違うのだなあと思いました。言葉が分からない、というのは大変なことだろうと思います。日本の課題に、語学教育が不十分であることが挙げられると思います。たまたま運が良くて平川さんは言葉を教えてもらえたそうですが、それがなければどうなっていたか分からないからです。さらには就職にたどり着くまでの過程も日本は整備が必要だと思います。ちらっと聞いた話では、いきなり定住促進センターに入った後、数年経ってから申請したとのこと、日本に来たら先ず申請するもの、と思っていたので、どういうことなのかなとは思いました。
ベトナム戦争の後、外国に亡命し、日本で暮らしている講師の方から、直接お話を聞いたことで、難民問題のとらえ方が変わった。ベトナム戦争は、私が生まれる前の時代の出来事だ。しかし、実際に体験された方から、亡命するときに大変だったこと、マレーシアでの過酷な生活、日本での苦労などのリアルなお話を聞くと、過去の出来事という認識をこえて生々しく感じられた。講演の間、私は自分が何も知らないのだなあと思った。また、難民にとって日本での生活がどれほど厳しいのか、テレビのニュースとは違った視点で知って、衝撃を受けた。今回の講演は、「共生社会の在り方」について考える機会になった。講演に参加して本当に良かったと思う。