北高 校長室から 166 私の思い(3年生の部活動)

神戸北高校 生徒の皆さん(特に3年生)へ

野球の春の大会や全国高校総体をはじめ、夏の甲子園さえ中止かと言われています。

これからの「世界史」に確実に残る、「戦時中」にも匹敵するできごとが目の前で進行しているわけなので、世間では「高校の部活くらい」と言われるのかも知れませんが、ちょうど今頃以降に開催されているべき「最後の晴れ舞台」を失った高校3年生の思いは、推し量りようもありません。

そんな状況のなか、私のもとに、北高生から直接、無念の声が届くようになりました。
中でも、この春に卒業したばかりのM君は、(事前に電話で約束したうえで)アルバイトのあと、夕方に自宅から半時間以上かけて北高に来てくれました。
4月の終わりのことでした。

彼は、もう卒業しているので、自分自身のことではありません。
部活動の1才下の後輩、つまり、現3年生の思いをわざわざ伝えに来てくれたのです。

「後輩が落ち込む姿を見ると、心配でならない。総体がなくなっても、何か別の機会を作ってもらえないか」

彼は、私に、そのように「直訴」しました。
私は、彼の思いはとてもよく分かるものの、「任せてくれ」などといい加減な返事もできず、非常にもどかしい思いがありました。

その頃から、県立高校の校長の間では話に出ていましたが、本日改めて、北高3年生に、以下のことを言います。
※依然として、確実な話ではないことは、十分理解して聞いてください。

「時期をずらせた総体」のような形ではなく、「各競技ごとに」、なんらかの代替的な大会を実施する動きは確実にあります。
ただし、兵庫県は、地域的に広範囲で学校数も多いので、「全県」の開催は無理だと思います。
「神戸地区」大会などになると思われます。

また、どの競技も確実に「代替大会」があるとは限りませんし、「いつ実施するのか」も、大変難しいものがあります。
そもそも、学校再開の時期が決まったわけでもないので…。

なので、今言えることは、「私たちも考えています」ということです。

でも、もう一点、朗報?もあります。
実は、これは偶然にも、M君が私に提案したことでもあります。

今のコロナ事情とは別に、昨年末頃から、ほかの県立高校との「定期戦」の開催を考えています。
M君が来てくれたときにも少し話しましたが、その時には、まだはっきりしたものになっていませんでした。

その後、今は、かなり現実味を帯びた形になっているので、ここに書きますが、実は、まだ北高の先生方全員には伝えていません。
※なので、まだご存じではない北高の先生方、先にここに書いてごめんなさい。

ある比較的近い県立高校と、毎年「定期戦」を行うべく調整作業を始めています。
現3年生も十分参加可能な時期になるとかどうかは確約できませんが、「今年度内」の実施を目指しています。

何事にも「はじめ」はあり、最初から完璧にできるとは限りません。
でも、このプロジェクトは、何年か続けば、実り多いものになると確信しています。
というより、それを目指して進めています。

繰り返しますが、北高3年生の皆さん、「私たちも考えています」。
十分なものができるかどうかは分かりませんが、少しだけ安心してください。

兵庫県立神戸北高等学校
校長 長澤 和弥