北高 校長室から 003 「苦しい時こそ登り坂」

「苦しい時こそ登り坂」とは、始業式で(新1年生に対しては4月初めの「SST」にて)、私が全校生徒に伝えたメッセージです。

私が考えた言葉ではなく、元は、私がまだ若い教員の頃、大先輩の先生が私たちに伝えてくださったメッセージで、それ以来ずっと私の心の中に残っている言葉です。

その先生は、若い頃からご退職後もずっと「登山」をされていました。
従って、この「登り坂」とは、山頂征服という大きな目的に向かって進んでいるときのこと、つまり「進歩・発展」の状態を表します。

つまり、この言葉の表す意味は、「苦しいこと、しんどいことをしなければ、進歩・発展はしない」、言葉を換えれば、「楽なことばかりしていては、得られるものは少なく進歩はない」というものです。

例えば、高校の運動部活動では、楽な負荷のかかっていない練習ばかりをしていたら、体力も技術も向上しないのは明白です。
それと同じように、部活動以外の勉強などでも同じことが言えると思っています。

たとえば、「大学に合格したい」と思っている場合、「最短距離」を目指すのは、一見効率的で楽に思えますが、後々の長い人生から見てみると、必ずしもそうではないことが多いのです。

ほとんどの生徒たちと同様、私も電車通勤をしていますので、毎朝唐櫃台駅から北高までの坂道を上ってきます。
数分の道のりですが、途中かなり坂が急な箇所もあり、特に荷物が重いときなど、私にとっては楽に上れるとは言えません。
若い生徒たちにとっても、決して楽な登り坂ではないと思います。

そんなときにも、この「苦しい時こそ登り坂」を思い出して欲しいのです。
「毎朝登り坂はしんどいけれど、北高に毎日通うことによって、自分は進歩しているのだ」と考えて欲しいのです。

私は、私が北高にいる間ずっと、この「苦しい時こそ登り坂」というメッセージを生徒たちに送り続け、苦しいと思っても諦めないように、生徒たちを応援したいと考えています。

兵庫県立神戸北高等学校
校長 長澤 和弥

体育館で、これを壇上から全校生に見せて話しました。今は生徒昇降口にあります。