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平成   26年11月7日(金) 5、6限  体育館 全校生対象 

  文化講演会として、西松屋チェーンの大村禎史社長の講演会を、全校生対象に実施しました。西松屋チェーンは現在、業界最大手であるが、現社長が就任して以来、「ビジネスは科学だ」をモットーに、これまでの感覚に頼っていた経営から客観的データに基づいた経営に一新し、売り場や流通経路、仕入れ先まで、トータルに管理する形態に切り替えるなど、たゆまぬ経営努力の結果として順調に業績を伸ばしてきたそうです。

 以下に、講演後の生徒との質疑応答の様子をまとめています。

(生徒A):円安になってきたが、日本で商品を作って海外へ輸出することは考えているか?  (大村社長):日本で製造できる場所、会社が無くなってきた。確かに円安と消費税の影響で値段は上がっている。それはわが社の本意でない。お客様のために値段は安くしたい。        (生徒A):会社案内を読むと売り上げが上がり続けているが、経常利益が下がっている。消費税UPとの関係があるのか?                                           (大村社長) :かなり専門的ですね。売り上げは伸ばし、利益が7年くらい前から下がっている。店舗が増えて商品の供給体制が追いつかなかったことが主な原因と考えている。投資家にも同じ質問で追求された。消費税がUPしても子供服は影響なし。その他のベビー用品は買い控え傾向が目立つ。トータルの消費は上がるだろうと予測している。

(生徒B):首都圏に本部を置かないのは何故か。何故東京でないのか?             (大村社長):自分達も悩んでいる。家賃等立地のコストが安いことと、姫路でしか得られない人材もいる。                                                      (生徒B):株式会社を運営する上では大変なことは?                          (大村社長):上場会社には条件がある。従業員みんなが経営理念を理解すること、利益を出すこと。そのために知恵を出し合うなど、従業員みんなで改善等を図る必要性がある。

(生徒C):ベビーブーム以降30年、少子化にどのような手段で対応してきたのか?       (大村社長): 少子化は全国的な現象だが、赤ちゃんは生まれている。マーケットは2兆円規模。全体のパイはまだまだ大きい。シェアをいかに拡げていくかを考えている。毎年伸ばせているのはすごいと言われる。グローバル化に対応して海外に行くことも考えないわけではないが、それ以前に、まだまだ国内の商売を充実させるべき。扱う商品の種類が多いのでそれぞれで伸ばすことが可能。寡占化と言える6割まではまだまだ競争がある。紙おむつだけ取り上げても、薬局やイオンやユニクロのような業種の店舗とも競争しなければならず、ベビー用品専門店だけではない。中途半端に海外に進出するより人材等を国内に集中させるほうが大事。

(生徒D):何故SGHに協力しようと考えたのか?                             (大村社長):現在、仕入れの多くを中国に頼っているが、中国だけでは、病気、災害、政治不安のリスクがある。グローバルに戦略を立てていかなければならない。ソーシングを世界に。アメリカもグローバルソーシング。アメリカの成功事例(ウォルマート)を参考にしている。SGHは単純に面白いと思ったが、グローバルに展開する必要性と人材を育てる意味から趣旨に賛同した。学校とのつながり、実用主義が大切。今やっていることが、どう世の中に役立つのかを念頭に活動してもらいたい。我々も高校生の知恵を借りたい。また、グローバル化を意識しなければならない背景として、繊維産業は中国の山東省に集中。オモチャは広州。ビジネスモデルは先進国等、グローバル化には購えない。ディズニーとキャラクター契約結んでいる。理科系技術者には、できるだけ海外で活躍してもらっている。頻繁に中国へ行き、品質管理、品切れさせないサプライシステム等。工場から店舗までを1人の人間が責任を持っている。(マーチャンダイザー)将来は、今よりもグローバルに展開していく。                                            (生徒D):HPを見ていると、2012年に海外進出と書いてありましたが、現状はどうですか?  (大村社長):一旦撤退です。当面は国内シェアを広げることに専念したい。

(生徒E):他社との違いはどこにありますか?                              (大村社長):企業努力、経営努力、生産性を上げる、安く良い品を提供する。 ユニクロの錦織選手やジョコビッチ選手の起用はすごい。商売の仕方 店舗の工夫から個々の商品で勝負する時代になってきた。モータリゼーションは今後も続く。価格は威力がある。並べると高い方を選ぶが、実際に買う時は、安い方を買うことになる。わが社の低価格戦略は大きかった。子供のTシャツ等、頻度の高い商品を前面に考えている。

(生徒F):ビジネスプランの参考にしたい。少子化、高齢者向けにビジネスと展開していく考えは?自社ブランドか、小売かどちらを選択していくのか?                        (大村社長):いろんな商品を扱いたい。自社ブランドにとどまらない。お客様の希望を重視。高いブランド商品は考えていない。高齢者については、将来考えて行くべきか。しかし、まだまだベビー、子供商品に集中すべきと考えている。なぜなら、まだシェアを取れていない。3年、5年は今のまま。仮説を立てて実験的に考えて行くべき。思いつきだけではだめ。発想は楽観的に計画は緻密に、実行は楽観的に。

大村社長、長時間にわたり、丁寧に質問に答えていただき、ありがとうございました。