子ども達は、情報を関係づけて考え合っていますか?(加東市立滝野南小学校)
義務教育課
学校教育

加東市立滝野南小学校の取組
研究のきっかけ(子どもや学校のつまずき)は?
学びの基盤づくりから
本校の子ども達は、与えられた課題に、最後まで一生懸命取り組むことができます。しかし、発表の声が小さかったり、自信をもって自分の言葉で表現したりすることが苦手で、なかなか主体的に学習に取り組むことができないという課題がありました。コロナ禍で、学校生活や教育活動が制限されることによって、さらにその状態に拍車がかかりました。挙がらない手、聞こえない発言、自分の考えを言っているだけのつながらない発言、「同じで」ばかりの深まらない発言など、伝え合う経験の不足から、関わり合って学ぶ力の弱さが見られました。
そこで、令和2年度から、国語科の研究に取り組み始めました。
そのためにどのような授業(研究)を行ったの?
情報を関係づけて考え合う単元・授業をつくる
子ども達が本来もっている力を発揮・伸張させ、深い学びに導くためには、子ども達を取り巻く「ひと・もの・こと」とつながり、課題を解決していく魅力ある課題解決的な追究の場が必要です。そこで、国語科を中心としたひとまとまりの単元学習を通して、子ども達に「関係づける力」を育成したいと考えました。
そこで、カリキュラムデザイン、単元デザイン、本時デザインの三つのステージから、「関係づけ」を意識した授業づくりに取り組みました。
1 カリキュラムデザイン
国語科の重点学習材を決め、内容でつながるもの、思考の仕方でつながるものを確かめ、各学年の年間指導計画配列表に矢印を書き込んで整理しました。そこから、国語科に関わるものだけを抜き出し、単元構想図を作成しました。
2 単元デザイン
教材の良さや特性に合致した、単元を貫く言語活動を設定し、第一次、第二次、第三次を連動させました。
第一次では、「何のために読むのか」という目的と、「これからどんなことが必要になりそうか」という見通しをもたせました。第二次では、「今学んでいることが目的に生かせそうか」「今学んでいることを目的に生かすには、どうすればいいか」と、学びを確かめながら読み取りを進めていきました。第三次では、「学んできたことをうまく使えたか」を振り返りながら、まとめをしました。
3 本時デザイン
一問一答や一方的な伝達型の授業ではなく、子ども達の思考に「ずれ」を起こさせるような間口の広い発問や、子ども達の思考にゆさぶりをかけるために、子どもの発言を他の子どもに問い返すなどの、授業者の働きかけを大切にしました。
また、ひとり学びの発表会にならないように、授業に山場を設け、そこで思考を深められるような授業者の「出場」となる発問を考えました。そして、子ども同士で発言をつなぎ、考えをつなぎ、考えを深められるよう、「同じで」「つけたして」「まとめて」など、内容を関係づける話し方や、「同じところから」と根拠を関係づける話し方を指導しています。
さらに、授業の振り返りが、情報の活用の場として、板書などの授業の内容を使って学びを再構成したり、新たな考えを創造したりする活動となるよう、設定しました。
その授業のポイントは?(※写真をクリックすると動画が再生されます)
関係づけを価値づける
※上の写真をクリックすると動画が再生されます
授業者は、多岐にわたる関係づけを意図し、授業の準備をします。そして、関係づけさせたい情報や内容、考えについて、機を逃さずに提示したり問い返したりするよう努めています。また、子ども達にも関係づけを意識させ、関係づけた考えや発言を価値付け、さらなる関係づけを促しています。
何と何を関係づければいいのかがわかり、関係づける思考が子ども達に定着し始めると、「伝え合って学ぶのがたのしい」、「新しい自分(考え)になった」と感じられるようになり、子ども達の意欲が増していきます。
①前後の単元との関係づけ
②他教科との関係づけ
③第一次、第二次、第三次の関係づけ
④前時や次時との関係づけ
⑤生活体験との関係づけ
⑥情報(書籍・WEBページ・動画等の資料や、見学先でのインタビュー)との関係づけ
⑦授業者や友達の発言、板書との関係づけ
学校全体でどのように取り組んでいるの?
学びの基盤づくり【児童編】
①詩の全校授業・南っ子検定
月の初めに、全校授業でその月の詩の学習をし、暗唱します。全校生で考えをつないで学ぶ取組を積み重ねています。さまざまな詩に親しみ、言葉の美しさを感じると共に、声を育て、声に出して表現することの楽しさを味わうことをねらいとしています。
②ノート検定
月初めに「今月がんばるノート」を決め、1ヶ月間ノート作りをしていきます。学びの足跡としてのノートを丁寧に書くことを意識することによって、学習意欲を高めることをねらいとしています。
③思いを表現する場
縦割り班活動や委員会、児童会活動、始業式や終業式のスピーチ、行事のあいさつなど、言葉で自分の思いを表現する場を意図的に多く設定しています。
④自主学習(マイチャレ)
子どもが自分で内容を決め、教科学習の予習、復習をしたり、自分の関心のあることを調べてまとめたりしています。その時々の教科学習と関連のある内容について調べ、関係づけて発言する子も増えています。
学びの基盤づくり【教職員編】

毎年、年度初めに、発言をつなぎ、情報を関係付けて考え合う、目指す子どもの姿を共有しました。
そして、その学習材の良さや特性に合致した単元をつくるため、共同で教材解釈や単元デザインに取り組みました。そして、何度も指導案検討や板書の検討を重ね、授業研究をしてきました。
研究のこの先(次年度に向けて)
子ども同士が問い合い、深め合う授業を目指して
子ども達が互いの考えを聞き合い、伝え合うことを大切に、授業者も子どもの発言に耳を傾け、授業づくりに取り組んできました。子ども達の、伝え合い、関わり合う力が育ちつつあります。しかし、伝え合いの時間を長くすることで、単調な授業になってしまうという側面もありました。
今後は、思考を広げたり深めたりするための、授業者の問いかけや資料提示の工夫、毎時間の読む・書く・話す・聞く活動の効果的な配置などを工夫していきます。授業者による的確な時機の良質な内容の問いを経験させることで、子ども間の問い合いを促し、主体的・対話的で深い学びを目指していきます。
その他の資料
加東市立滝野南小学校
北播磨地域にある、児童数125名の小規模校です。
https://www.city.kato.ed.jp/takinominami-es/