国語科の授業で、子ども達は自分の考えを発言するだけで満足し、友達の意見を聞いていない。そんな深まりのない授業になっていませんか?(丹波篠山市立岡野小学校)
義務教育課
学校教育

丹波篠山市立岡野小学校の取組
本校の子ども達は、自分の思いがうまく伝えられずトラブルになったり、自分の考えがもてず発表ができなかったりするなどの課題がありました。そこで、令和2年度から3年間、「ことばの力を培う」をテーマに国語科の授業改善に取り組んできたことで、自分の考えをもち、表現できる子どもが増えてきました。しかし、自分の考えをワークシートに書いて発表するだけで満足してしまい、授業の中で相互の考えを深めていくまでには至りませんでした。そこで、令和5年度からは、「自分の考えをもち、表現する子をめざして~目的や意図に応じて複数の資料(情報)を用いて表現する力の育成~」を研究テーマに国語科の研究を進めています。
研究のきっかけ(子どもや学校のつまずき)は?

自分の考えはもてても発表するだけで満足してしまい、授業の中で自分の考えや読みを深めていくことができない
本校の子ども達は、自分の考えはもててもそれをワークシートに書くだけ、書いたことを発表するだけで満足してしまい、授業の中で考えや読みを深めていくということができませんでした。また、教員も子ども同士の発言内容が生かされる授業づくりができていませんでした。「なるほど!自分はこう考えていたけど、○○さんのような考え方もできるな。○○さんの意見も取り入れてみよう。」と、友達の意見を情報として取り入れるようになれば、発言が相互に生かされるようになり、自分の読みを深めたり新たな考えを生んだりすることができます。
そのためにどのような授業(研究)を行ったの?
自分の意見と友達の意見を比較して聞き、考えるためのハンドサイン
友達の意見を情報として取り入れて、自分の読みを深めたり、新たな考えを生んだりするために、まず友達の意見をよく聞き、友達と自分の意見を比較したり、友達と友達の意見を比較したりして、自分の考えと何が同じか(共通点)や何が違うか(相違点)を聞き分けることが大切です。そこで、その手立てとして、ハンドサインを取り入れました。「グーは、反対・お尋ね」「チョキは、似ている・付け足し」「パーは、新しい意見」として、ハンドサインを使って授業を行いました。
その授業のポイントは?(※写真をクリックすると動画が再生されます)
友達と自分の意見を比較して聞き、友達の意見を取り入れて自分の考えを持つ
※上の写真をクリックすると動画が再生されます
友達と自分の考えを比較しながら聞き、共通点や相違点について、ハンドサインを用いて伝え合っています。さらに、発言の初めに「○○さんと同じで~だと思います。でも、理由は違って…」と、自分がどの立場で発言するのかを明確にしています。以前は、ワークシートを見ながら発表し、発表しただけで満足してしまう子どもが多く、友達が何を言っても「わかりました。」と一方通行でした。しかし、ハンドサインを取り入れてからは、友達の発言を取り入れて考えを深めたり、新たな考えを生み出したりするなど、相互の発言が生かされるようになってきました。
学校全体でどのように取り組んでいるの?

複数の資料を用いて表現する力の育成
本校では、友達の意見を情報として取り入れて考える他にも、複数の情報から多面的・多角的に捉えて新たな考えを生み出せるように、教科書教材同士や教科書教材とプラステクストなど複数の資料を比較して自分の考えをもたせる学習を取り入れています。低学年は、最初の場面と最後の場面を比べる学習(教科書教材と教科書教材)、中学年は教科書の物語と同じ作者の物語を比べる学習(教科書教材と教科書以外の単数教材)、高学年は複数の本を読み比べる学習(教科書教材+教科書以外の複数教材)など、発達段階に合わせた複数の資料を取り入れた学習を行いました。
研究のこの先(次年度に向けて)

授業と評価の一体化
授業と評価は一体であるべきですが、本校の研究では授業にばかり目がいき、評価について検討することができませんでした。今後は、適切な評価ができるように「形成的な評価」と「総括的な評価」について検討したり、評価が適切になされるようにするためには「どこで」「どのような手立て」を施せばよいのかを考えたりしていく必要があると考えます。また、テストや授業、成果物を適切に評価できるように「評価指標」を作成し、授業と評価が一体となるようにしていきたいです。
丹波篠山市立岡野小学校
本校は、兵庫県丹波篠山市のほぼ中央部の静かな田園地帯に位置しています。全校生は110名程度の小規模校ですが、丹波の特産物である黒豆づくりや米づくりなどの体験活動を行うなど、豊かな自然環境の中、地域教材や人材を活用した地域に根差した学校づくりをしています。
また、「確かな学力と豊かな心をもった岡野っ子の育成~みんなの夢をみんなで応援しよう~」を学校教育目標に、「おもいやりのある子」「かんがえ、表現する子」「のびのびと挑戦する子」の育成を目指して、自他を認め合う「岡野夢プロジェクト」にも取り組んでいます。

