複式学級指導資料
義務教育課
学校教育
県教育委員会では、複式学級での学びの充実に資するため、平成12年3月に複式学級指導資料を作成しました。発刊から20余年が経過し、市町の合併、学習指導要領の改訂、小中一貫教育の制度化等、複式学級を取り巻く環境は大きく変化しています。
現在、県内には32校に54の複式学級が設置されており、児童数の減少等により、小規模校がさらに増加したり、学校の統廃合が進んだりすることが予想されます。複式学級が設置されている学校では、指導形態や指導方法等を工夫し、基礎・基本の確実な定着と個を生かす教育に取り組まれているところですが、設置学年が年度によって変わるため、それに対応する教育課程の編成や多様な指導のあり方が求められます。
複式学級において指導の充実を図るには、異年齢集団であること、少人数であること、豊かな人間関係が醸成されることなどの特質を生かし、教科等の指導や学級経営を進めることが大切です。また、コミュニケーションの相手が限定されたり、集団での活動の機会が少なかったりするなどの問題点を解消するため、社会性を育成する工夫が必要となります。特に、社会の変化に主体的に対応して自主的、自立的に生きていくことが重視される今日、複式指導の最大の問題点とされている間接指導の場面を、児童が主体的に学び、自立的な態度を涵養する機会と捉え、1人1台端末も活用しながら指導の改善を図ることが重要です。
本資料は、この様な観点に立ち、指導形態や多様な指導の工夫、自学自習の態度等について、複式学級の良さを生かし、問題点を解消するための基本的な指導方法や手順について示したものです。
関係校におかれては、本資料を参考に地域社会の特性を生かした指導の工夫改善を図り、複式学級における教育が一層充実されるよう心から願っています。
目次
- 複式学級とは
- 複式学級の特性と指導の工夫
- 複式学級の特性を生かした指導
- 自学・自習の態度の育成
- 個別学習等の工夫
- 地域人材の活用
- 社会性を育成する工夫
- 初めて複式学級を設置した学校の取組
- 今後の課題