世界に1つだけ★丹波篠山で出会ったアクセサリー

―陶の郷へのいざない

「丹波篠山市でおこなわれる金継ぎのワークショップに参加してみませんか?」夏休みが終わったある日、こんなメッセージが私の目に飛び込んできた。「金継ぎって何なんやろう?」小さい頃から手を動かすことが得意な私は、スケジュール帳の空白を確認すると、すぐに参加ボタンを押した。

 1週間後。向かったのは、丹波篠山市にある≪陶の郷≫と≪兵庫陶芸美術館≫。緑に囲まれた自然豊かなのどかな町…無意識に深呼吸をしてしまう。

―いざ、ワークショップへ

 工房のドアを開けると、「遠いところからようこそ!」と、手作りピアスやネックレスに身を包んだお姉さんが明るく出迎えてくださった。金継ぎの先生だった。緊張感が一気に吹き飛んだ。「まずは、どんなアクセサリーを作るか決めて、ガラメンを5個くらい選んでください。」「ん?ガラメンって何だ??」

 ガラメン…商品にならない丹波焼のかけらのことを、巷ではそう呼ぶらしい。本来であれば産業廃棄物になるところだが、陶の郷ではそれらを窯元さんから譲り受け、ワークショップで活用されているとのこと。 ワークショップの参加者は7人。それぞれが気に入ったガラメンを選ぶ。感覚で即決する人、かけらを並べて熟考する人、先生にアドバイスを求める人…みんなの個性が出ておもしろい…

―ワークショップはどんどん進む

 接着したあとは、金色の粉を混ぜたボンドを使ってガラメンの周りをコーティング。自然乾燥ではなくUVレジンで一気に硬化させるので、1分も待たない間にアクセサリーに高級感が漂った。

「みんな、すごいいい作品になってきたね!」先生がキラキラした笑顔で語りかけてくださる。ついさっきまでただの欠片だったガラメンに、一気に愛着が沸く。

―そして出会えた 私だけのアクセサリー

「最後に、丹波焼の説明書を付けて、箱に入れましょう!」先生はそう言うと、黒いプレゼントボックスを手渡してくれた。「これは、世界でただ一つ。私だけのオリジナルアクセサリー。」嬉しすぎて、自然に口元が緩んでくる。ふと周りの参加者の顔を見ると、彼らも1時間前とは違う表情をしていた。

 丹波篠山までの道のりはかなり遠かったけど、帰りはなぜかあっという間だった。それは間違いなく、私の髪の毛を飾っているこのバレッタのおかげに違いない♡

                                  Written by Mykell