みなさんは、コウノトリを知っていますか。
私は、兵庫県、豊岡に来るまではコウノトリという生き物を知りませんでした。
今回、ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズの活動をさせていただくにあたり、あらためてこの存在について知りたいと思い、兵庫県立コウノトリの郷公園を訪問しました。

(写真1 コウノトリの郷公園 入口)
JR豊岡駅前から運行している全但バスに乗ること約15分。
のどかな田園広がる土地に、コウノトリの郷公園はありました。
行きのバスから、田んぼに立っているコウノトリらしき鳥を発見しましたが、私はまだ見分け方を知りません。
バスを降り、大きな橋を渡り、まずは順路にそって豊岡市立コウノトリ文化館に入りました。初めに感じたのは匂いです。かなりおばあちゃんの家(?)の匂いがします。
ちょうど多目的ホールでコウノトリについての説明があるとの事でしたので、そちらに向かいました。

(写真2 公園地図)
説明を聞いて驚いたことは、主に3つあります。
1つ目は、コウノトリは完全な肉食動物だということです。
水生動物、蛇、虫、果てはモグラやナマズまで一のみにしてしまうと聞き、なかなかにワイルドだと思いました。
また、成鳥は500g、雛は1kgの餌を食べることも驚きでした。
2つ目は、コウノトリは鳴かない(鳴けない?)ということです。
雛のときのみ「ジュー、ジュー」と鳴きますが、大人になると声を出すための器官が退化します。
そのため、声の代わりに”クラッタリング”と呼ばれる、くちばしをたたき合わせて音を出すことで、コミュニケーションを取るのだと知りました。
3つ目は、日本画でよく見る、松鶴図に描かれている鳥は、鶴ではなくコウノトリだということです。
鶴は足の構造上、木の枝にはとまれませんが、コウノトリは木の上に巣をつくり、枝にとまることができます。
説明を聞き、文化館の前にある観察広場で実際にコウノトリを観察しました。
何故か隣にシロサギがいたので大きさも比較できたのですが、ひと回りほど大きく、肉食なのが納得できました。
しばらくして、クラッタリングも目にすることができました。
カスタネットよりも低くて響く、声ではなくとも声と同じぐらいの熱と命の脈動を感じました。
次に、郷公園の奥の方に佇む、東公開エリアに向かいました。
セミと虫に出迎えられながら、思っていたよりも長い道を歩き、ドーム型ケージの中の飼育コウノトリを観察しました。
足の真ん中にある関節を、くっと動かしながら歩いている姿が印象的で、周りが山と川に囲まれていることもあり、本当に野生のコウノトリが目の前にいるような感覚になりました。
少し上がったところには望遠鏡のある観察サイトもあり、足休めに最適です。
近くの川には沢山のトンボと小魚、虫もいて、虫取り網を手に駆け回る子供さんもいらっしゃいました。

(写真3 観察広場からのコウノトリ)
今回、コウノトリの郷公園を訪れて感じたのは、大きな愛と雄大な自然に囲まれて、コウノトリは育っているということです。
文化館の観察ファイルを読んでも、写真とその下の説明文を見ても、確かな愛を感じました。
事細かに書かれているので、コウノトリ初心者でも想像しやすく、また身近に感じることができました。
これはひとえに、コウノトリに関わる全ての人々が彼らに心を寄せてきたからでしょう。
沢山の餌を食べるコウノトリは、年中豊かな資源のある場所でなければ、住むことができません。
人と自然の共存する郷をつくることは、試行錯誤の連続だったと考えます。
その結果としてコウノトリは蘇り、人々に愛される存在になっています。


(写真4、5 有名なコウノトリ、ハチゴロウのクラッタリング写真と行動記録)
コウノトリは47都道府県の全てに飛来しています。いつか皆様のもとにも幸運がやってきた時、コウノトリの郷公園を思い出してみてください。
(Written by ハニーデコポ)