身近にあふれる「オモテ」と「ウラ」
いつもの世界を新たな視点で見つめてみる。in ひとはく

こんにちは。

今回は兵庫県立人と自然の博物館の企画展『ウラとオモテの世界』についてご紹介したいと思います!

◽️概要

この企画展では、人と自然にまつわるさまざまな「モノ」や「コト」、そしてそれらを取り巻く関係性にある「オモテ」と「ウラ」に焦点を当てた展示が行われています。日常の中にあるモノやコトには、それぞれ表と裏の両面があり、それらは切り離されたものではなく、連続しながらつながっている――。そんなことを来場者に感じてもらいたいという思いから、この企画展は開催されたそうです。 

◽️「モルフォチョウ」のウラとオモテ

まずはじめにご紹介するのはこちらのモルフォチョウです。光沢のある美しい羽が特徴で、みなさんも一度はどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。実はこの鮮やかな輝きの羽には、天敵を目くらましする役割があるそうです。

一方、羽を閉じたときに見える裏側はというと……とっても地味!これは、林の中で周囲の環境に溶け込み、天敵から身を隠すためなんだそうです。

華やかに目を引く「表」と、ひっそりと身を隠す「裏」。 一見まったく違うように見えますが、どちらにも生きていくための大切な役割があるんですね。

◽️「ペンギンとアメンボ」のウラとオモテ

続いてはこちらの3枚の写真をご覧ください。

そう、みなさんご存じのペンギンとアメンボです。一見すると、まったく関係がなさそうなこの2種類の生き物。実は、意外な共通点があるのですが……みなさん、分かりますか?

ぜひ「色」に注目してみてください。

どちらも、背中側は黒っぽく、お腹側は白っぽい色をしています。アメンボの裏側も実は白っぽい色をしているだなんてびっくりですね😳(私は勝手に裏側も黒だと思っていました…)ちなみに、こちらのアメンボは標本の製作過程で白っぽい色が失われ、黒くなっていますが、本来はお腹側が白っぽい色をしています。

では、なぜこのような色の分かれ方をしているのでしょうか?ヒントは、どちらも「水のある場所」で暮らしているということです。

実は、この背中とお腹の色の違いには、天敵から身を守るための工夫が隠されています。ペンギンは、海面近くを泳いで生活しています。そのため、下からは肉食の魚や海洋哺乳類に、上からは海鳥などに狙われる危険があります。そこで、下から見上げたときには、空の明るさに紛れるようにお腹側が白く、反対に上から見下ろされたときには、暗い海や海底の色に紛れるように背中側が黒くなっているのです。

では、アメンボはどうでしょうか?

アメンボは水面を移動して暮らしています。
つまり、水中からも空中からも捕食者に狙われる可能性があるという点で、実はペンギンとよく似た環境にいるんです。

一見するとまったく違う姿をしたペンギンとアメンボ。けれど、その「表」と「裏」の色には、どちらも生きていくための巧みな工夫が隠されていました。

身近な生き物にも、普段はなかなか気づかない「表と裏」の秘密があるんですね。

◽️顕微鏡で見る裏側の世界

昆虫や植物の「裏側」を、顕微鏡で捉えた写真が展示されているコーナーもあります。

肉眼では決して見ることのできない小さな小さな世界。 そこには、普段私たちが見ている姿とはまた違った美しさが広がっています。なんだか少しロマンを感じませんか?💖🤩

さて、ここで突然ですがクイズです!

こちらの写真は、とある植物の「裏側」を顕微鏡で撮影したものです。
 一体、何の植物の裏側でしょうか?

① クスノキ
② マツ
③ クリ

身近な植物も、視点を変えて覗いてみると、思いがけない姿を見せてくれるかもしれません。

正解は……ぜひ博物館を訪れて、ご自身の目で確かめてみてください👀

◽️「まち」のウラとオモテ

上記の写真は『木曽東海両道中懐宝図鑑』で、江戸から京都へ至る二つの街道、東海道と中山道を一冊にまとめた、いわば当時の旅行ガイドブックのようなものです。

今回は『表:東海道』『裏:中山道』として展示されていました。

東海道ってどんな道?

さまざまなモノや情報が行き交う活気のある街道でした。しかし江戸を守るために橋がない大きな川があったため、旅程が不安定でもありました。

中山道ってどんな道?

山脈や峠を越える険しい山道ですが、川という不安定な要素が少なく、安定した旅程で進める街道でもありました。

このように、それぞれ異なる特徴を持つ東海道と中山道。当時の人々は、それぞれの道の特徴を考慮しながら、人やモノを行き来させていたのです。そして、この「まち」のウラとオモテの展示では、こうした街道の特徴が、現代のまちの姿にどのようにつながっているのかが紹介されています。

ぜひ実際の展示を通して、過去と現在をつなぐ「まち」のウラとオモテを探してみてください。

◽️「アカハライモリ」のウラ側

そして最後にご紹介するのは、アカハライモリです。アカハライモリは、水辺に生息する日本固有の両生類で、日本の広い地域で見ることができます。しかし近年、その数は減少傾向にあるといわれています。

そんなアカハライモリにも、実は興味深い「裏側」があります。それは、お腹側にある模様です。この模様は一匹一匹異なっていて、なんと、まったく同じ模様を持つ個体は存在しないそうです。人間の指紋とおんなじですね。

さらに面白いことに、このお腹の模様は地域によって大まかに5つのタイプに分けられるそうです。改めて写真を見てみると、全体的に黒っぽい個体もいれば、赤みの強い個体もいますよね。

ぜひ、ひとはくを訪れて、写真を間近でじっくり観察してみてください。きっと、一匹一匹の「違い」を見つける楽しさを感じてもらえると思います。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

この企画展は、大人から子どもまで楽しみながら、身近なものの「表」と「裏」に目を向けることで、知的好奇心を刺激し、新たな発見や疑問に出会える素敵な企画展です。普段何気なく見ているものでも、少し視点を変えてみると、実はまだまだ知らないことがたくさんある。そんな「身近な世界の奥深さ」に気づかせてくれるのも、この企画展の魅力のひとつです。「どうして?」「なぜ?」と、きっと新しい疑問が生まれるはず。 ぜひ実際にひとはくを訪れて、あなた自身の「発見」を探してみてください!

この企画展は、2027年1月11日(月・祝)まで開催されています。
期間中には、まだまださまざまなイベントも開催される予定ですので、ぜひ展示とあわせて参加してみてください!

(Written by パプリカ)