野球ができることに “ありがとう!”

「西高 校長室の窓から № 031 (2016.7.11)」

第1学期の期末考査も終わり、まもなく西高生待望の夏休みがやってきます。本校では本日から3日間、各学年毎に球技大会が開催されます。期末考査でたまったストレスの解消にはもってこいの行事です。グラウンドや体育館では西高生の歓声が響き渡っています。くれぐれも熱中症に十分留意しながら、気持ちのいい汗をかいてほしいものです。

さて、昨日は選挙権が18歳に引き下げられて初めての国政選挙でした。有権者となった西高生の皆さん、初めての投票はさぞかし緊張したことでしょうね。皆さんの想いや声が政治に届くといいですね。(7月12日付けの新聞によると、18歳の有権者の投票率は約52%だったようです。)

7月9日(土)リニューアルした姫路ウインク球場で、第98回全国高等学校野球選手権兵庫大会の開会式がありました。前日からの雨の影響で、開会が危ぶまれましたが、小雨の中、なんとか開会式ができました。翌日の某新聞記事の見出しは「雨にも負けず晴れ舞台」。なかなかうまい表現だと感心しました。

私は開会式で、兵庫県の高校球児たちに次のようにメッセージを送りました。

本県は参加校162チームという全国的にも激戦地区のひとつに挙げられます。「近くて遠い甲子園」と言われているように、その頂点に立つのは並大抵のことではありません。どうか選手の皆さん、一歩一歩、高みへ、仲間とともに上昇する喜びを全身で感じてください。また、仲間とともに感動の涙や悔し涙を大いに流してください。そして、ひとつの白球を追いながら紡ぐ仲間との絆のありがたさを全身で感じてください。何よりも「野球のできる日常」に感謝してください。

阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震・・・大きな被害を受けた地域の高等学校では、日常の生活が奪われました。温かい御飯を食べることができる、ぐっすりと眠ることができる。テレビドラマや映画を見て笑ったり感動したりできる。そして、何よりも学校へ行って勉強ができる・・・そんなごく当たり前のことができなくなりました。そんな想いを私はメッセージに託しました。

それに応えて、県立津名高等学校の野球部主将は、奇しくも、私と同じような想いを選手宣誓に込めていました。

宣誓、熊本県で起こった大地震で多くの尊い命が奪われ、今も続く余震で被災地の方々は、本当に厳しい生活を送っておられます。そんな中で復興に向けて活動する姿を見て、野球ができることは当たり前ではないということを痛感しました。私たちができること、それは野球ができることに感謝し、全力で野球に取り組むことです。私たちは、この大会、この試合のこの一球に、今まで支えてくれた家族、チームメイト、地域の皆様に、そして、野球ができることに“ありがとう”、この気持ちを忘れず、今までの努力の成果をいかんなく発揮し、全力でプレーすることを誓います。

雨のため人工芝の外野で開会式を行ったため、ワイヤレスマイクが彼の声をうまく拾わないというアクシデントにもかかわらず、キラキラと輝く瞳で、堂々と私を見て宣誓する彼の姿はとても印象的でした。

昨日、“常笑野球”をスローガンに掲げた西高野球部は、残念ながら県立農業に惜敗しました。3年生にとっては、高校生活最後の試合でした。試合運びでは勝っていた西高野球部、残念ながら得点に結びつくことができませんでした。さぞかし悔しかっただろうと思います。球場を出るとき、部員の目には大粒の涙があふれていました。そして、その後の、涙、涙の引退式。側で見ていた私は心の中で、こんなメッセージを一人一人に送りました。

「流した悔し涙が、長い人生で、喜びや感動の涙に変わる時がきっと来る。悔し涙の数だけ大きくなれる。3年間野球を続けられた自信と誇り、感謝の気持ちを忘れずに。これからも野球のできる日常がいつまでも続きますように」

聖地甲子園をめざした闘いは始まったばかりです。県下162チームの頂点に立つのはどこのチームか楽しみです。

校長 八木 基雄

 

 

 

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