果てなき明日へ飛翔せよ!-第37回卒業証書授与式-

「西高 校長室の窓から № 022 (2016.2.29)」

ここゆずりはの大地では、かぐわしい梅の香りが春の到来を告げています。明日から3月、平成27年度にもまもなく終止符が打たれます。そんな佳き日に、西高第37回卒業証書授与式が厳粛にそして温かく挙行されました。西高らしいすばらしい卒業式でした。こんなにも立派に卒業式に臨める西高生をあらためて誇りに思います。たくさんの思い出を抱えて校門を出る卒業生を見送りながら、あらためて母校の充実と発展に尽力することを誓いました。答辞を堂々と述べてくれた前生徒会長のNくん、後半には、在校生の方を向いて、先輩としての熱い想いを語ってくれました。

在校生の皆さん、高校での3年間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。特に3年生になると、一日一日が、まるで一瞬の出来事のように過ぎていきます。だからこそ今できること、やっておきたいことに積極的に取り組んでほしいと思います。

さらに、彼は次のように締めくくりました。

これからの社会を生きていく上でのひとつの通過点にしては、あまりにも幸せな三年間だったような気がします。こうして素晴らしい先生や、バカ言い合える仲間と出会えたこと、辛いことや苦しい努力、今までの経験その全てに背中を押してもらって、新たな明日へと進んでいきます。

「がんばれ!37回生。目の前の大海を自らの力で泳ぎ切れ!」彼の答辞を誰よりも側で聞いていた私は、心の中でエールを送りました。Nくんのメッセージには負けますが、私が37回生の皆さんに送ったメッセージを載せておきます。

明るき瀬瀬の寂寞を踏まえて高き丘の上

万象寂と沈む厳しい冬を経て、六甲の山並みもしだいに春の装いを始め、風に騎りゆく白雲が、静かに遊ぶ、ここゆずり葉の大地に、梅のかぐわしい香りが、新しい季節の到来を告げています。毎年巡り来る「別れと出会い」の時が近づいているようであります。

本日、ここに、兵庫県立宝塚西高等学校 第三十七回卒業証書授与式を挙行するにあたり、多数のご来賓各位並びに保護者の皆様にご臨席を賜りましたことは、私たち教職員の大きな喜びとするところであります。高いところからではありますが、厚く御礼申し上げます。

西高を活気づけリードしてきた三十七回生

西高三十七回生の皆さん、卒業おめでとう。教職員を代表して、心からお祝い申し上げます。

卒業していく二百七十一名の皆さんは、今どのような感慨に浸っているのでしょうか。私は一人ひとりに尋ねてみたい気持ちに駆られています。そしてまた、本校に通い続けたこの三年間は、皆さんの人生の中でどのような位置を占めることになるのでしょうか。

私が皆さんとともに過ごしたのは、昨年の四月から一年にも満たない期間でしたが、創立以来変わらぬ校風を樹立してきた「自立・自律・捨身」の校訓の具現化を図っていると評判の、期待をかけられた学年でした。私も本校に着任以来、皆さんのすぐれた才能と真摯な努力、そして心優しい振る舞いを、日に日に実感してきました。そして、私の期待どおり、三十七回生の皆さんは、勉学に、文化・スポーツに、そしてまたボランティア活動にもよく頑張り、学校全体を活気づけ、リードしてくれました。

期待と不安に胸を膨らませ、満開の桜に迎えられての入学式、西高での生活の基本や伝統の西高生気質を徹底的に教授された学習合宿、燃えに燃えた西高祭や体育大会、異文化に触れることのできたグアム島への修学旅行などをとおして、皆さんは、次第に真の意味での「西高生」へと成長していきました。そして、西高第三十七回生という、大きくて真っ白なキャンバスに、個性豊かな思い思いの絵を描いてきました。皆さんそれぞれが描いた絵は、完全に融合するでもなく、それぞれに独立した美しさを持っています。その美しさが巧みに混ざり合って、三十七回生という立派な文化となり、西高の伝統に、新たな歴史を彩りました。私は、三十七回生の皆さんと、ここ西高で共有した貴重な時間と思い出を誇りに思います。

地道にがんばってきた三十七回生

本校は、草創期より県下の国際教育を先導し、今年で創立四十周年を迎える進学校として、県下各地に名を馳せるまでになりました。本日、その本校が、自信をもって、皆さんを新たな社会に送り出すことになります。本校独自の三年間の「西高プラン」に沿って、先生方がきめ細かく丁寧な指導を続けてきたことも相俟って、三年間とも欠席者が少なく、大変落ち着いた雰囲気の中で、皆さんは高校生活を送ってきました。そのため、三年間無遅刻無欠席をとおして、皆勤賞を授与する二十五名の皆さんに心から敬意を表するとともに、賛辞を送ります。

また、三十七回生には、地道にがんばってきた生徒が多数いるということも、先生方から聞いています。苦しい環境に置かれた友人を蔭に日向に支えてきた人たちがいること。最後の最後まで自分との闘いを乗り越えた人がいること。また、勉学と部活動の両立に苦労しながらも、自分がめざした進路を実現させた人たちが多数出てきたことも最近の嬉しい知らせです。

笑ったり、喜んだり、悲しんだり、怒ったり、悔しかったり、また時には、大声で叫びたくなったり、皆さんの「喜」「怒」「哀」「楽」の三年間は過ぎ去ってみればきっと短かったことでしょう。

自らを高めるためには、志を高く掲げて学び続けよ 三十七回生

今後、皆さんにとって大切なことは、西高で学んだことを、次のステージでどのように発揮するかということです。それは、皆さん自身の大きな課題であります。

人それぞれ、活躍の場やそのあり様は異なります。多彩な才能が集まり、磨き合うことを目指す本校で、皆さんは多くの個性に出会い、刺激を受けてがんばってきましたが、卒業後は様々な舞台で、それぞれの個性や才能を発揮してもらいたいと思います。

さて、私はPTA会報「ゆずりは」で、卒業式は、皆さん一人ひとりの果てしない大空への旅立ちであると同時に、新しいステージへの旅立ちのスタートであると餞のことばを贈りました。学校を卒業しても終わりではなく、自分の人格や教養は自らの努力によって高めていかなければなりません。

その「自らを高める努力」には何が必要でしょうか。もっとも重要なカギは「高い志」であります。私は新たなステージに旅立つ皆さんに「志は高く掲げよ、志は強く抱け」と餞のことばを贈ります。私たちの人生は自分を超えた存在に動かされることもありますが、多くの局面は自分の意志で切り拓くことができます。もちろん人生のすべてを思い通りに動かすことができるといった傲慢な考え方ではありません。自分の意志次第、自分の考え方次第で、自分の人生のステージはかなり変えることができると思います。決して安易なレベルで妥協することなく、目標を高く掲げ、実現できるよう強く念じて、それに見合う努力を続けてください。

果てなき明日へ飛翔せよ 三十七回生 

結びに、保護者の皆様、本日はまことにおめでとうございます。大きく成長されたお子様の姿をご覧になるにつけ、感慨ひとしおのことと存じます。この三年間、本校に賜りましたご理解ご支援に対しまして、心より御礼申し上げます。至らぬ事も多々あったとは存じますが、今日の佳き日に免じてご容赦くださいますようお願い申し上げます。

三十七回生の皆さん、いよいよお別れです。思い切り大きく、果てなき明日へと飛翔してください。私たち教職員は、今後も皆さんへの支援を惜しむことはありません。必要な時にはいつでも母校に帰ってきて、心を落ち着けてください。この理想の精舎「西高」は、いつでも皆さんが帰ってくるのを待っています。それでは、皆さんが青春を謳歌した母校で、またお会いすることにいたしましょう。

皆さんの今後の活躍を期待するとともに、その前途に幸多かれと祈り、式辞とします。

平成二十八年二月二十九日

                     兵庫県立宝塚西高等学校長 八木 基雄

本日はお足元の悪い中、西高卒業式にご臨席いただきました学校関係者の皆様、保護者の皆様に心より感謝を申し上げ、この場を借りて御礼申し上げます。

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