髙津舞衣さんが 国際科学技術フェア(ISEF)の日本代表に内定しました

12月25日(水)

3年の髙津舞衣さんが、ISEF選考審査の結果,複数の審査員からも「グランドアワードに匹敵するほど素晴らしい研究である」と評価され見事 2020年5月に米国カリフォルニア州アナハイムで行われるREGENERON International Science and Engineering Fairの日本代表に推薦したいという連絡がJSEC事務局からあり、日本代表に内定しました。

今回は髙津さんによる最終選考会の報告とISEFへの意気込みを書いてくれました。少し長いですがそのままお伝えします。


第17回高校生科学技術チャレンジ JSEC2019 最終選考会の報告

私はJSEC2019のファイナリストとして12/14(土)~15(日)に日本科学未来館(東京都)で行われた最終審査会に出場することができました。

分子模型を手に、ポスターの前で
(今回の発表の鍵は手にある分子模型です)

はじめはROOTプログラム(*1)の大学の先生からJSECへの応募を勧められたこともあり、軽い気持ちで応募しました。予備審査に通ったもののファイナリストにはならないだろうと思っていましたので、選出されたことに驚きました。その一方で、以前学会等で見た継続研究も選出されていたことを知り「またあの発表者に会える」ととてもワクワクしました。

再会しました
(SSH生徒研究発表会でJST理事長賞を分け合った生徒と再会)

しかし、今回は入試のこともあり最終審査会への準備期間は実質10日間しかありませんでした。またどうしてもと頼み込んで急ぎ買ってもらった試薬を使った実験結果がとても興味深かったため、レポートにない実験を追加し、考察の一部修正を加えました。その結果、ポスターの印刷は出発の1時間前とぎりぎりになり、説明方法も当日の朝まで決めきれないままという不本意な状態で臨むことになってしまいました。
当日はいつもの化学部での発表とは違い、個人研究なので1人です。さらに研究発表会とは違って,ファイナリストと審査員、運営スタッフ以外は会場に入れません。そんないつもと違う独特の雰囲気で戸惑ったことや、誰も身内がそばにいない不安もあり初日の審査ではいつものようには楽しめませんでした。しかし、1日目の最後に行われたファイナリスト交流会で他の大会で出会った生徒やISEF(*2)を本気で目指すファイナリストたちと接するうちに、色々吹っ切れ二日目は顔が筋肉痛になるくらい笑顔で審査会に臨めました。

一般公開でのプレゼンテーション
(一般公開での割り当て時間中の最後のプレゼンテーション)

閉会式では今後の研究の発展が期待されるという理由で「審査員奨励賞」を頂きました。1日目のショックから受賞そのものをあきらめていたので高校生活の最後にこのような評価を得られたことは本当に感謝しています。
閉会式後の懇親会では他のファイナリストと互いに受賞や優れた研究を称えあいながらも苦労話で盛り上がりました。また複数の審査員の方と直接お話しすることができました。その中で「研究を心の底から楽しんでいたようだね。」等、熱意がよく伝わる発表だったと声をかけていただきました。

授与
(授与していただいた審査委員長から何度も質問いただくとともに懇親会では直接労をねぎらっていただきました。)

さらに学校に帰ってきて数日後、国際大会「ISEF」の日本代表に選ばれたことを伝えられました。ISEFについては1年生の時に日本学生科学賞の方で全国審査に推薦されたときに知りました。その時は最終審査まで残れませんでしたが、2年生の時にROOTプログラムのイベントでISEF出場を果たした方の話を聞き、「ISEFに行きたい」という気持ちが強まっていました。しかし2年生の時は地方審査を通過できずその目標にチャレンジすることができませんでした。そのためISEFの日本代表になったことを伝えられた際は驚きで腰が抜けたとともに、高校最後に1年生の時に目指していた場所へ行く切符を得られたことを非常に嬉しく思っています。

さて、このように嬉しいこともたくさんあった今回の大会でしたが、改めて考えさせられたこともありました。特に今までの研究観はこの審査会を通じて大きく変わりました。ISEFを本気で目指している高校生やISEFの経験者などとの交流を通して「世界」への憧れが高まっただけではなく、「社会における研究の意義」や「使命感を持って研究すること」を本当の意味で考えさせられました。今まで私は「やりたい研究」をしてきましたが、ISEFを本気で目指していた人たちのほとんどが「私がやらなければ誰もやらない/できない」、「この研究結果が社会を変える」と本気で考えていて、それを原動力に取り組んでいたように感じます。もちろん根底にある好奇心、熱意も感じましたが、その上にある社会へ研究を還元するという意識を直接感じることで、研究者を目指す一人の人間としてその意識の重要さを改めて痛感し、学びを得られたと同時に悔しいと感じました。また、日本、世界が科学研究に何を求めているのか、「原理や好奇心を追求するような研究が社会につながるのか」ということを伝える意義、そして自分がどんな研究者をめざすのか、等たくさんのことを考えさせられる大会となりました。(これは私の語彙力・文章力では伝えきることはできませんし、自分なりの答えもまだ出ていません。もし研究者や世界を変える人になりたいのであればぜひファイナリストを目指してほしいです。)

最後に、今回の大会では過去のJSECファイナリストや協賛企業の方からお話を聞くことができたということもこのように考えられた理由の一つかと思います。この場に立つまでに文献調査や実験指導などでOBや宝塚北高校以外の先生にもたくさんの方々に助けてもらいました。今まで関わってくださった方々、今回関わってくださった方々に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
第2回のファイナリストでロボットコミュニケーターの吉藤オリィさんのスピーチにあった「コンテストの賞金は使えばなくなり、受賞の栄誉は時間と共に無くなるが、尊敬できる仲間らとのつながりは死ぬまで人生を豊かにしてくれる」という言葉を忘れずに、ISEFではさらにたくさんの素晴らしいつながりを作れるように、これからも頑張ります。

ファイナリスト全員で
(最後にファイナリスト全員での記念写真)


*1 ROOTプログラム
神戸大学・兵庫県立大学・関西学院大学・甲南大学の4大学が共同で実施しているグローバル・サイエンス・キャンパスというプログラム

*2 ISEF(International Science and Engineering Fair)
世界75の国と地域の高校生相当の研究者、約700万人から選ばれた約1500人が米国カリフォルニア州アナハイムに集まって行われる世界規模の科学技術コンテスト(賞金総額 約5億円)。
日本からは「日本学生科学賞(JSSA)」とこの「高校生科学技術チャレンジ(JSEC)」がその予選を兼ねており、毎年合わせて12件の研究が推薦される。