にしきた花だより 第81号 冬の蜂

にしきた花だより 第81号 冬の蜂

冬になる前のこの季節、スズメバチの若い女王蜂やオス蜂たちは、巣から一斉に飛び立ちます。そして再び巣に戻ってくることはありません。

一定の地域に生活するスズメバチたちは、このハネムーン行動を同じタイミングで行います。その結果、コロニー間での生殖(遺伝子の交換)が可能になり、遺伝子の多様性確保につながります。

このハネムーンの後、オス蜂はすべて死にます。元の女王蜂もほとんどの場合、若い女王蜂の巣立ち前に死んでおり、働き蜂も越冬しません。つまり、越冬するのは若い女王蜂だけです。ミツバチとは異なり、スズメバチの場合、若い女王蜂が100匹以上になります。

体内に栄養をたっぷり貯め込んだ若い女王蜂は、雄蜂と交尾した後は一切摂食せず、朽木などに越冬室を掘り、その中で冬眠に入ります。

稀にこの時期、校舎内にスズメバチやアシナガバチが入ってくる事がありますが、越冬場所をさがしているのです。夏のスズメバチは、窓を全開にして六甲山や北山に戻してやれば良かったのですが、今の時期は殺虫スプレーで殺すしかありませんね。殺虫スプレーは学校に準備してあります。

翌年の春、幸運にも冬眠から覚めた女王蜂は営巣を開始します。巣づくりや幼虫の餌の狩猟は主に働き蜂の役割ですが、働き蜂が誕生するまでは女王蜂が単独で行います。

ハチ目の共通の性質として未受精卵はオス蜂に、受精卵はメス蜂になります。働き蜂もすべてメスです。また、女王蜂になる受精卵も働き蜂になる受精卵も、遺伝的には同じです。幼虫時代に食べさせられた餌によって、女王蜂になるか働き蜂になるかが決まります。詳細は、花だより55号を見てください。

さて、ミツバチは冬の間どんな生活をしているのでしょう。ミツバチの女王蜂の寿命は、2年から3年ほどです。女王蜂は、コロニーに新女王(後継候補)を残して、新たな巣をつくる分蜂を行います。

当然、スズメバチのように、冬に巣を放棄する事もありません。巣中にたっぷり蜂蜜を貯め込んでいるからですね。

写真は中館から桜の紅葉を撮っています。奥に職員室前学習スペースが写っています。
 
「 掃き寄せし 塵(ちり)の中より 冬の蜂 」  黛 まどか

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