にしきた花だより 第80号 団栗(どんぐり)とリス

にしきた花だより 第80号 団栗(どんぐり)とリス

「 団栗ころころ泣いてたら、仲良し子リスが跳んできて、落ち葉にくるんで、おんぶして、いそいでお山に連れてった 」 童謡「どんぐりころころ」の三番の歌詞です。この季節、子供たちがドングリを拾って遊びます。

 団栗(ドングリ)は、ブナ科の植物である小楢(コナラ)、水楢(ミズナラ)、橡(クヌギ)、柏(カシワ)、粗樫(アラカシ)、白樫(シラカシ)などの果実の総称です。堅い果皮のなかの種子には糖質・蛋白質・脂質が豊富に含まれていて、リスなどの食物になります。

 さて、ブナ科の植物は、一方的に動物の食害にあっているだけでしょうか。そうではありません。

 リスは、童謡の歌詞にあるように、集めたドングリに落ち葉を被せて土の中に貯蔵し、冬季の食物として隠しておきます。しかし、すべてを食べきることは珍しく、食べ残された種子が春に発芽します。つまり、食べられることを前提に、種子を運搬させる戦略です。

 また、ドングリ類は、種子に栄養分が多く、発芽や成長する能力が高い反面、乾燥に弱いため、落ち葉にくるまれて、土壌中に保存されるということは、最高の休眠状態になります。

ブナ科の植物としては、種子の豊富な栄養に依存させることで、種子を運ぶリスやネズミの生息数をコントロールすることになります。周期的にドングリの実りを変動させて、リスやネズミの個体数を減少させたタイミングで、大量にドングリを実らせます。そうすると広範囲にわたって、食べ残しが生じることになります。新天地で休眠種子が発芽して、新しい世代が分布域を広げます。

 ブドウやカキやモモなど多くの植物では、果実を哺乳類や鳥類などに食べさせ、それらの動物の消化管を通して、糞とともに種子を散布する方法をとります。果皮は多肉質になって糖や脂質などの栄養を蓄え、その芳香や色彩でも多くの動物を誘います。

 ちなみに、飼育しているリスに、カボチャやメロンを与えると、実の方はほとんど食べません。種子を1粒ずつとり、種子の殻を器用に取って白い中身を食べます。

 写真は本校体育館前で撮りました。左がアラカシ、右が金木犀(今年二度目の開花中)です。奥の窓ガラスは、苦楽園中学校体育館です。
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