にしきた花だより 第77号 椿油

にしきた花だより 第77号 椿油

 校内の山茶花(サザンカ) Camellia sasanquaや、北山緑化植物園・越木岩神社のツバキCamellia japonicaの果実が赤く色づいています。椿油の産地ではこの時期、成熟した種子から油脂を搾り取ります。

 椿油は食用油や化粧品として使われます。今回は身のまわりの植物油事情を取り上げます。

 まず食用油ですが、日本のJAS規格では、なたね、綿実、大豆、ごま、サフラワー(紅花)、ひまわり、とうもろこし、米、ぶどうの種子から搾り取った単独の油脂だけを「サラダ油」と言います。ゆえに椿油の「サラダ油」は存在しません。オリーブオイルもしかりです。

 二種類以上の植物油を混合して作られた「サラダ油」は、「調合サラダ油」と呼ばれます。これらの原材料としては、椿油も仲間にいれてもらえるようです。

「サラダ油」は低温下でも長時間結晶化しないように精製されており、サラダドレッシングやマヨネーズのような製品の原料として適しています。また、味や匂いにクセが無いことも特徴ですね。

 天ぷらの揚げ油は、天ぷらの風味を決定付ける重要な要素です。ごま油を使うと衣がこんがりと色付き、なたね油などを使うと衣が白っぽくなります。

 さて、椿油はオレイン酸を比較的多く含むため、他の食用の油脂に比べて酸化されにくく、固まりにくい性質を持っています。この性質は、分子構造のなかに二重結合をひとつしか含まないことによります。

 オレイン酸は18個の炭素(C)の鎖で構成されています。CとCを結びつける結合が二重になっている部分では、空気中の酸素(O)と結びつきやすくなります。簡単に言うと、この酸素が橋渡しになって、多くの脂肪酸が重合していきます。長期間空気にさらしておくと、サラサラオイルが固まっていきますね。

 オレイン酸の命名は、オリーブオイルから単離されたことが由来です。オレイン酸は刺激性が少なく、クリームやローション等の化粧品の原料にも多く用いられています。

「 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 」  俵 万智

 写真は本校の山茶花と、正門の向こうは苦楽園小学校です。
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