あ け ぼ の 曙   第77号           編集・発行  兵庫県立盲学校(視覚特別支援学校)同窓会            会 長  北川 忠司    平成30年8月24日 会誌「曙」第77号  −−−−− 目 次 −−−−−  かけがえのない人を失って (同窓会会長 北川忠司) ・・・・・  1  同窓会報「曙」に寄せて(校長 仲山惠博)  3  平成30年度同窓会総会報告 ・・・・・・  4  平成29年度事業報告 ・・・・・・・・・  8  平成29年度会計報告 ・・・・・・・・・  9  平成30年度事業計画 ・・・・・・・・・ 12  平成30年度一般会計予算 ・・・・・・・ 12  総会出席者 ・・・・・・・・・・・・・・ 14  新入会員紹介 ・・・・・・・・・・・・・ 15  会員消息 ・・・・・・・・・・・・・・・ 15  山本正樹先生との思いで(山本博昭)・・・ 16  諸行事のご案内 ・・・・・・・・・・・・ 19  職員の異動 ・・・・・・・・・・・・・・ 20  母校だより ・・・・・・・・・・・・・・ 22  事務局より ・・・・・・・・・・・・・・ 23  編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・ 23 (2通目) かけがえのない人を失って                同窓会会長  北川忠司   散る桜 残る桜も 散る桜  これは良寛さんの有名な句ですが、私もこの句を知った時から、自然界の生命の摂理を言い表した素晴らしい俳句だと思い込んで、なんの疑いももちませんでした。  ところが、この2月に、本会にとってかけがえのない山本正樹氏を失ってからは、あれ!この句は人の場合は当てはまらないではないかと、疑問を抱くようになりました。なるほど、桜の花は一斉に開花し、一斉に散り果てます。たとえ散り残ったとしても、数日以内には散ってしまいます。それに遅れて開花した花は後から散るのです。それに対して、人間の命は順番どおりにはいかないではないかと、疑問を抱いたのです。山本氏は私より一回りも若いのです。自然の摂理から言えば、当然ながら後に残る花になってもらわなければなりません。その花が先に散ったのです。あまりにも不条理、残念でなりません。  その山本氏は本会の事務・運営を一手に引き受けてくれていました。現在、本会が途方に暮れ、混乱していることは、分かってもらえるでしょうか。こうなった以上は残されたメンバーで何とか乗り切るしかありません。どうか皆さんのご協力をお願いします。  話は変わりますが、本会の将来について考えてみたいと思います。  29年度の決算書を見てもらうとわかりますが、会計内容が心細いものになっています。これまで、駐車場の売り上げの一部を一般会計に繰り入れて、会の経費を賄ってきました。それに加えて、昨年からは、別途会計からも30万円を取り崩して運営してきたのです。この状態を続ければ、駐車場会計も、別途会計も十数年でパンクしてしまいます。会計が心細いからと言って会費制の導入だけは避けたいのです。ご存知のように、振り込んでもらうと、振込通知書が届きます。ところが、その通知書を受け取り、監理処理する事務所がなく、人もいないのです。そうであれば、経費の削減か、事業の縮小しかありません。それでもそんなに長くは持たないでしょう。  今年度の総会で、上記の様な状況を話し、寄付を募ったところ、5万余もの大金が寄せられました。「今日はお金を持っていないので」と言いながら110円を手渡してくれた人や、「遠いところにいて同窓会への協力が出来ないので」と言って1万円を寄付してくれた同窓生もいました。そのほか、会場案内に来てくれていたボランティアさんからもご寄付いただきました。  今回は思い付きで前触れもなく、いきなり寄付をよびかけたにもかかわらず、半数近い方から協力をいただいたことに驚きと感謝で胸が熱くなりました。そして、同窓会から逃れたい、投げ出したいと、思い始めていた自分が鞭うたれた思いです。  今後は、総会やバスツアーなどの機会に寄付を呼び掛けてみてはどうか、また、各地域で世話をしてもらえる人を探して集金してもらえないかなどと考えています。  皆さんのお考えを聞かせてください。 同窓会報「曙」に寄せて 兵庫県立視覚特別支援学校長 仲山 惠博  同窓会の皆様には、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。また、平素より本校教育の推進にご理解ご支援を賜り、厚く感謝申し上げます。   伝統ある兵庫県立視覚特別支援学校に着任して、私は2年目を迎えております。昨年度は、すべてが初めての経験で緊張の1年間でしたが、今年度は、さらに丁寧かつ安心・安全な学校経営を行いたいと考えております。そのためには、同窓会の皆様のご協力が必要だと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。  昨年度は、同窓会北川会長にご講演いただきました。また夏季休業中の「夏のつどい」の実施に際しましてもご支援いただくなど、同窓会には学校行事を中心に多方面にわたりご協力いただいておりますことに、心より感謝申し上げます。  さて、校門の桜が美しい4月9日、始業式、入学式が挙行され、平成30年度が始まりました。今年度本校に在籍する幼児児童生徒数は、幼少学部18名、中学部10名、高等部33名、合計61名です。全国的に盲学校に在籍する幼児児童生徒数が減少する中、本校は昨年より5名増加しております。また職員数も1名増となり、昨年に比べ学校全体がより活気あふれる状況です。授業も順調に行われており、行事では、他校との交流活動、高等部の修学旅行、また陸上競技大会、フロアバレーボール大会、弁論大会への出場など、幼児児童生徒は明るく積極的に活動しております。  今年度も、幼児児童生徒のそれぞれの成長を皆様と喜び合う一年にしたいと願っております。そして、本校が歴史と伝統を生かし、さらに新しい時代への対応と地域の期待に応えるため、同窓会のお力添えをいただき、充実した教育活動を展開してまいりたいと考えています。今後とも本校教育活動に対するご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 (3通目) 平成30年度同窓会総会報告  本年度の総会は、6月15日(金)に昨年に引き続きグリーンヒルホテル明石 2階の「喜春の間」において開催されました。今回で明石での開催は5回目となります。定刻より少し遅れましたが、事務局の今井さんの司会で始まりました。 1.開会挨拶 (小丸副会長) 2.物故者への黙祷 3.校歌斉唱 4.会長挨拶(北川会長) 5.学校長挨拶(宜田教頭) 6.新会員紹介(別記) 7.議長選出  出席者より周傳さんを選任しました。 8.議 事  @平成29年度事業報告(今井、別記)  A平成29年度会計報告(山本厚子理事・岡崎理事、別記)  B監査報告(安富理事)  監査の結果、帳簿、通帳等、異常なく処理されていることの報告があった。   以上審議の後承認された。  C事務局・理事の役職変更について(北川会長)  事務局・会計など主要な業務を担当いただいた山本正樹理事の急逝に伴い、残りの任期を事務局を安富理事や今井さん、神吉さんに、会計を山本厚子理事に代役を担っていただいている。今年度についてはお願いしているが、今後はこのままでは続けられないので、皆さんの周りの方で役職をしていただける方を推薦願いたい。事務局の墨字補助は学校の先生にお願いしたいと思っていたが、校長からは勤務時間は同窓会の仕事をしてはいけないとのことを聴いている。外部の方で墨字をサポートできる方をと考えている。通帳の名義については岡崎理事に変更した。運営について何か案があれば意見を出してお知恵を貸して欲しい。   ※柴田理事:仕事の合間になるが、ヘルパーさんと一緒にお手伝いをできる範囲でしていきたい。   ※北川会長:今年の曙の編集は安富理事に、発行は安富理事、神吉さんを中心にお願いしている。今後は編集を山本博昭理事長に勉強いただきお願いする予定である。今年の墨字印刷は学校で行う許可をいただいている。   (以下○は会員の発言)   ○:今後の曙のメール配信はどうなるのか。   ※北川会長:メールに関しては安富理事と今井さんとで行う予定だが、 CDでの発行は手が足りず今回はできない。今年は点字と墨字、メールとさせて欲しい。   ○:CDは音訳ボランティアにお願いしてみてはどうか。   ※北川会長:CDを送る名簿の整理ができておらず、今年はご勘弁いただきたい。今後できるようであれば検討する。   ※安富理事:山本理事の急逝のため、名簿の整理がまだ十分できておらず、メール配信されている方については、総会の案内ができていない方もいることをご容赦いただきたい。CDについては今までは読み上げていただいたテープを山本正樹理事が編集とコピーをしていただいていた。私はできないが、それらをできる方がいれば今後考えていきたい。  D平成30年度事業計画(案)(今井、別記)  今年のバスツアーは見合わせる予定である。   ※北川会長:今年のバス旅行は費用面と手続き面を考えて取りやめる。今後については、垂水の視力障害者協会と鍼灸マッサージ師協会が年に1回一泊での旅行をしており、そこに便乗させてもらうのはどうか。   ○:ガイドヘルパーさんと参加される方も多いと思うので、今まで通り日帰りの方が良いのではないかと思う。   ※北川会長:ガイドヘルパーさんと参加する方が多い現状を考えて、同窓会では日帰りとすることを考えていきたい。ただ費用のことを考えると、毎年実施とはいかないことと、参加費を値上げしないとできないことをご理解いただきたい。   ※北川会長:今年9月21日に行われる墓参については、私が受け付けるので、参加される方はご連絡いただきたい。   以上審議の後承認された。  E平成30年度一般会計予算(案)(山本厚子理事、別記)   ※事務局:来年度からは、駐車場会計からの繰入金を減らしていきたい。駐車場会計は、定期を取り崩していかないと乗り切れなくなっていることをご理解いただきたい。   ※北川会長:各地域の理事の方が寄付のお金を集めていただいたり、今回のように皆さんが参加する親睦会などで集めて回ったりして運営費を補うのはどうかと考えている。総会の後にある親睦会で鈴を持って各テーブルを回るので宜しくお願いしたい。   以上審議の後承認された。  F今後の同窓会の運営とあり方について(北川会長)   ※北川会長:今まで点字印刷をしていただいていたさつき作業所は、今後いつまで借りられるかわからない現状である。学校でさせていただけるといいのだが、そういう訳にはいかない状況である。駐車場は、借り手が減り、税金が増えてあまり儲からない状態となっている。将来のことを考えると、土地を処分して事務局の運営に回すことも考えていく必要もある。皆さんの考えを聴きたい。   ○:法人税を3種類も払っていることにはびっくりした。土地を打った場合は、所得税がかかると思うのだが、土地の評価額や税金などを調べておく必要があるのではないか。   ※北川会長:今後調べていきたい。   以上審議の後承認された。  Gその他   ○:同窓会の事務局の管理は、学校で行った方がしっかりと運営できて良いのではないか。また、校長や教職員の皆さんに同窓会のことをアピールしてご理解をいただいて欲しい。   ○:現在卒業される生徒が就職していく領域や学校の指導はどうなっているのか。   ※事務局:現在は普通科からは大学への進学が増えている。受験指導に力を入れている。 9.議長解任 10.連絡事項 11.閉会挨拶(大村副会長)  総会終了後は、13時より懇親会を開催しました。S41卒の安田順一さんの乾杯の発生ではじまりました。会食・歓談では、たんぽぽの会の4名の方にサポートいただきました。途中、山本正樹さんの教え子で、R1グランプリで優勝した濱田祐太郎さんの紹介もあり会は盛り上がりました。また、北川会長が鈴をふりながら会場を廻り寄付を呼びかけられました。先輩方の学生時代の懐かしいお話をいろいろと聴かせていただいたり、それぞれの歓談など宴たけなわの中、トリは例年通り上土井さんに音頭を取っていただき全員での兵盲応援歌で午後2時半ごろ名残を惜しみながらのお開きとなりました。 懇親会でのご寄付者 (敬称略) 荒尾 清 今井 裕二  今瀬 尚子   宇仁菅一郎   梅野 和美 多井 秀夫 大村 耕治 上土井俊秋 岸本たか子 北川 忠司 小林 美子 小丸 一夫 近藤 昭二 坂田 美智子 猿毛 剛士 瀬崎 訣  橋詰 澄子 廣井 孝伸 三浦 昭一  森井 春好  安田 順一 山田 松寿 山本 厚子 山本 博昭 吉永 臣一 介助者(金城さん)  ボランティア(増岡さん・渋谷さん) 後日送金いただいた方 赤沼 周平  棚倉 義弘  荒尾 清 合計 32名 66,3610円 (4通目) 平成29年度事業報告  5月26日(金)  監査会、理事会  6月16日(金)  同窓会総会、懇親会           グリーンヒルホテル明石「喜春の間」            会員51名、介助者23名、            ボランティア4名、合計78名出席  8月22日(火)  会誌「曙」第76号発行             墨字300部、点字220部、             メール103通、CD22枚  9月22日(金)  校祖墓参 8名参加 11月10日(金)  第17回バスツアー(高野山方面)             参加者28名 ※業権擁護活動  9月22日(金)  「健全なあはき業を守る兵庫県連絡会」参加        平成29年度一般会計報告 省略         会計 山本厚子 印         監査 間島敬介 印                安富義哲 印 平成29年度別途会計報告 省略     会計  山本厚子 印     監査  間島敬介 印              安富義哲 印     平成29年度駐車場会計報告 省略        会計  岡崎明美 印        監査  間島敬介 印            安富義哲 印 平成30年度事業計画(案)  5月18日(金)   監査会、理事会  6月15日(金)   同窓会総会、懇親会  8月         会誌「曙」第77号発行  9月21日(金)   校祖墓参 ※業権擁護活動「健全なあはき業を守る兵庫県連絡会」参加 平成30年度一般会計予算 省略 (5通目) 総会出席者 会員(敬称略、括弧内は卒業年) 荒尾 清(S38)    池田 瑛(S31)   今井 裕二(H5) 今瀬 尚子(S42)    岩崎 敏彦(S37)    岩崎 武翁(S52) 宇仁菅一郎(S59)   梅野 和美(S41) 梅本 勝子(S42) 多井 秀夫 (S54) 大石 ゆかり(H6) 大谷 武(S50) 大村 耕治(H1) 岡崎 明美(S62) 梶本 正晴(S57) 上土井俊秋(S31) 神吉 信博( H4) 神田 ひとみ(S55) 岸本たか子(S33) 喜多 義郎(H21) 北川 忠司(S36) 古賀 副武(S42) 小林 美子(S41) 駒居 康二(S49) 小丸 一夫(S36) 近藤 昭二( S19) 坂田 美智子(S31) 里内 雄二(S42) 猿毛 剛士(H20) 柴田 高弘(H20) 周傳 頼子(H27) 神保 真由美(S53) 瀬崎 訣(S39) 高石寿美子(S39) 高橋 雅夫(S22 ) 高浜 幸雄(S38) 高浜 治子(S49) 高山きみ子(S33) 田中 恵子(S49) 寺田 博文(H3) 豊留かね子(S52) 橋詰 澄子( S48) 原田 徹(S50) 廣井 孝伸(S38) 間島 敬介(旧職員) 三浦 昭一(H14) 三谷 勝彦(H1) 森井 春好(S47) 安井 文夫(S52) 安田 順一(S41) 安富 義哲(旧職員) 山田 松寿(S37) 山田 寿美子(S37) 山本 厚子(S49) 山本 博昭(S46) 山本 美佐江(S50) 吉永 臣一(S51) 会員  57  介助者 29 ボランティア 4  合計 90 来賓  母校教頭  禰宜田 龍栄先生    新 入 会 員 紹 介  本年度新たに次の方をお迎えしました。皆さん、どうぞよろしくお願いします。 本科普通科 藤原 未来さん (29年卒業) 会 員 消 息 省略      山本正樹先生との思いで                 昭和45年度卒 山本博昭 山本正樹氏は生徒さんからとても慕われていた先生らしいので、私も先生で通したい と思います。 去る今年の2月14日に兵庫県立視覚特別支援学校同窓会の会長北川忠司氏から、山本 正樹氏の訃報はもたらされました。  お聞きした時は、ただただ驚きで「何かをしないといけないんだ、今までのように、ぼやぼやしていてはいけないんだ」とそればかり思いました。 北川氏の用件はどうやら山本正樹氏がなくなられた事を広報しないといけない用件だ ったようなので、数名の知り合いから取り掛かりました。たしかに私も必至で電話で山本正樹氏の訃報をお知らせしましたが、皆様優秀でわり とたくさんの方にお知らせできてほっとしておられるかたもおられたようですね。    さて彼の話をします。私は彼とは同級生なので、どちらとも用事がある時には連絡を取り合っていました。 大概は「役員になってくれ」「校歌の伴奏をしてくれ」「みんなで歌を歌いたいから伴奏してくれ」 私にとって特に難しい事はなかったと思っていますので、同級生の言う事であればと いう事で大概の事はお引き受けして来ました。ただし、彼がなくなってしまうとなんでもふんふんというわけには行かなくなってし まいました。 今、振り返ってみても同級生で在りながらとても偉大だったんだなあと思い出されます。  私は昭和32年4月に入学し、目が見えない者6人で点字の勉強から始めました。 進度はそれぞれちょぼちょぼだったと思いますが、梅木茂樹君が体がすこし小さいので、苛めた時には担任の先生から私だけよく怒られていました。 小学部生活は盲児らしい楽しい小学生活を送っていたと思います。 そしてその私たちも昭和38年4月に中学部に進学する事になりました。 6人だったクラスも2クラスになり12人で過ごしました。 当然同じ山本ですので別々のクラスに分かれます。 隣のクラスになっただけなのにご本人の事は私は何も知りませんでした。 高等部に進学はしましたが、彼とは特別な思いではありません。ただ彼は頭が良かったのでうちの学年の出世頭にはなるだろうという予感はしていま した。   私たちの学年で彼が早行きなので年はいちばん年下でした。 それでも鹿児島から中途入学をした方と同室になり、何かとその人の世話をしていた事を思い出します。 自分も点字から習得しないと行けなかったはずですが、人のめんどうを良く見ていま した。ここでも正樹先生のサポートが光りました。 鹿児島から入学して来た彼がいつも私に言っていました。 「僕は今まで学校など行った事がない、村のみんなの声援を受けて餞別ももらい、こうして兵庫県に出てきた。みんなにここまでしてもらっているのにおめおめと帰れない」。 私にすらいつも言っていたんだから、正樹先生はもっと真剣にその事を受け入れていただろうと推察できます。   昭和41年4月が私たちの分岐点になりますね。 鹿児島から入学した人は別科の方に進み、新しいお仲間ができて、山本正樹先生とは疎遠になられたかも知れません。  私たちの学年はそれぞれ個性的でなかなか楽しい学年でした。 みんなもその場所には居りやすかったと思います。あちらこちらから「俺の将来わなあ」とか「山博君、音楽の学校にいくんか?」「俺は録音所」を作るとかとにかく何かを話していたクラスでした。 親がマッサージ治療院を経営していて、その後を継ぐために盲学校に来ていた人もいました。 盲学校でも高等部に入るといろんな人との出会いになりますのでなかなかおもしろいですね。  さて、ここからの山本正樹先生の事はあまり良く知らないんです。 どうしてなんだろうと考えてみると私は音楽に現を抜かしていました。 ベンチャーズにビートルズ、ジャズに歌謡曲。 何かできないだろうかとそればかり考えていました。   そして何も計算しないまま、ピアノを習ってナイトクラブに勤めさせてもらおう。そしてそのまま突っ走っていました。 昭和45年、卒業学年の時に、山本正樹先生からのアドバイスが入りました。 取り合えず音楽高校から行き直して、音楽大学を受けないといけない。まっとうなアドバイスでした。その時にも心からこのアドバイスを私は喜びました。 「僕には頭がないなあ」「無理だろう」という悪い閃きがなければもうすこし堅実な道に進めたのかも知れません。これは返す返す私にとっては残念な事だったと今も悔やみます。  でも70歳に近づいて思うのは、音楽は20歳までに完全に会得しておかなければ新しい道に進むべきではない」という教訓を私がいただきましたのでこれにつきまし ては心から喜んでいます。  今年が県立盲学校が何周年になるのか忘れてしまっていますが、100周年の時に、卒業アルバムの代わりにCDを作ろうという話になったようです。  そして私にも兵庫県立盲学校応援歌と生徒会の歌の編曲が回ってきました。 使い慣れないビースコアーというソフトを使い、その曲を五線譜になおし、混声合唱に編曲して提出する事ができました。  それを機に今までより彼とたくさん話ができるようになり、困った事が在れば彼に聴くようになっていました。  私たちのクラスの1番の思いでは、男が数人連れ立ってテントを持ってキャンプ場をめぐる旅に出かけたことです。 誰かが夏休みに入る前にごそごそ計画をしていた事は憶えていますが、そのメンバーの中に僕が入るとは思ってもみませんでした。   神戸から電車に乗って彦根の方に向かって走って行きました。 どこかでおりてキャンプ場に泊り込む。ただそれだけの旅立ったようです。 気がついたら上野駅から東北線廻りで三沢まで行ったと思います。  気がつけば新潟県のどこかの岬センターさんで親切にしてもらって三日も居ついて帰ってきた事を思い出します。  私には行き当たりばったりのこの旅行のリーダーは山本正樹氏だったと思います。 彼がいることによりうちのクラスの男たちは楽しい思いを作ってもらい、今も忘れずに このように原稿にかけるぐらいしっかり憶えているんです。   青森のねぶた祭りの傍を通りましたので、またいつかねぶた祭りを見にこようと思いながらまだ実現はできてはいませんが、きっと元気な間に見に行く事にします。    山本正樹君、君とはたくさんの人生を語る事はなかったですが、気がつけばたくさんの事を教えてもらっていましたね。 僕は先にあちらの世界に行かれてしまってとても残念です。でも君との思いではたいせつな思い出です。 僕もあちらの世界に行く前にこちらの世界の人とたくさんの思い出を作って旅立ちた いと思います。そして君との思い出を胸に抱いてまだまだ力いっぱい生きて行きますね。見守っていてください。お願いします。                     山本博昭 諸 行 事 の ご 案 内  この秋の同窓会および学校関係の行事をご案内します。 ・9月21日(金) 校祖墓参  集合:午前10時30分、新開地駅西口  参加される方は事前に北川(090-5466-0543)までご連絡ください。 ・11月3日(金・祝) 文化祭 (6通目) 職 員 の 異 動  平成30年度の職員の異動をご紹介します。永年母校でご指導いただいた先生方に心からお礼申し上げます。また、この度着任された先生方のご活躍を祈念申し上げます。  なお、敬称は省略させていただきます。    退職者(再任用を含む)  教諭     藤原崇志 任期満了   転出者  教頭   下雅意一之 県立高等特別支援学校(教頭)  事務長   大月正行  県立洲本高等学校(事務長)  主幹教諭  多田由紀子 県立芦屋特別支援学校(教頭)  主査   上山協子 県立芦屋特別支擁学校(事務長)  教諭   橋本文子 県立明石清水高等学校(主幹教諭)  教諭   佐藤雅子 県立上野ケ原特別支援学校  教諭   式部義信 県立西神戸高等特別支援学校  栄養教諭  信近安希子 明石市立二見西小学校  臨時講師  古野慎也 県立多可高等学校  臨時講師  石井恵 県立西神戸高等特別支援学校  臨時講師  宝来陽文 県立西神戸高等特別支扱学校  臨時講師  小林美穂 日ノ本学園  臨時講師  安西英子 神戸市立上筒井小学校  臨時実助 土山遥子 県立川西北稜高等学校  寄宿舎指導員  高岡良輔 伊丹市立北中学校  臨時事務職員  大矢梓 県立青雲高等学校  調理員(臨)   坂本伸吾 県立阪神特別支援学校      新着任者  教頭 禰宜田龍栄 県立のじぎく特別支援学校 事務長 中野由美 県立明石城西高等学校  教諭 越智隆史 加古川市立平荘小学校 教諭 丸山明見 県立神戸聴覚特別支援学校  教諭    原野由梨子 伊丹市立瑞穂小学校  教諭    山本秀俊 県立神戸特別支援学校  教諭    小川雄太 県立龍野北高等学校  教諭    永田友里 加古川市立川西小学校  教諭(初任) 福島雄一郎 県立神戸特別支援学校  教諭(初任) 中澄美佳 県立阪神特別支援学校  栄養教諭 櫓木あかね  新卒  臨時講師   中野宏哉 (私立)クラーク記念国際高等学校  臨時講師  中尾謙一 筑波教員養成施設(新卒)  臨時講師  石井聡 (私立)仁川学園高等学校  臨時講師  坂上正晃 県立三田西陵高等学校  寄宿舎指導員  財田健吾   神戸聴覚特別支援学校  主査    稲森成美    県立神戸鈴蘭台高等学校  主任    田中順久   県立舞子高等学校  校務員(臨) 尾関良一    (新規)  調理員(臨) 徳満優子    (新規)  非常勤嘱託  勘如真未  (新規)  非常勤講師 光上信幸    (新規)      母校便り  「理療研究部の活動について」 今井 裕二  こんにちは、残暑お見舞い申し上げます。皆様、お元気でお過ごしでしょうか?  今年の2月14日に、同窓会の事務局を長年支えていただいた山本正樹先生が急逝されました。母校では昨年10月末まで教壇に立ち、多くの理療科生徒に治療師としての礎を教えていただきました。恩師と仰いでいらっしゃる方も多く、私もそうですが未だショックをぬぐい切れないでいます。今後は山本先生の思いを引き継いで前を向いて歩んでいきたいと思います。今回は、理療研究部(理研部)の活動をご紹介します。  理研部は高等部の生徒会活動の一つで、理療科の生徒は全員所属しています。現在は総勢20名です。主な活動は、文化祭でのクイックマッサージの実施と、神戸市盲とのあん摩実技交流会への参加です。  クイックマッサージは、文化祭の模擬店として、午後に約2時間本館2階南東角にある第3実習室で実施しています。1年生は座揉み、2・3年生は寝揉みを患者さんに15分ずつ治療を行い、普段の実技練習の成果として施術を受けていただいています。施術料金は無料で行っていますが、募金箱を用意して患者さんから生徒会活動の支援をいただいています。今年の文化祭は11月3日(土)に実施します。午前の部は9時30分から体育館でのステージ発表、午後の部は1時〜3時まで各種模擬店を行っていますので、是非ご来校いただき生徒たちの治療を受けていただければ幸いです。  次に神戸市盲とのあん摩実技交流会です。年に一度、あん摩の実技交換を通して、両校の理療科生徒間の交流と技術の向上を図る目的で、約15年前より年に1回実施しています。両校が交互に主管し合い、昨年度は1月9日(火)の放課後、本校を会場に行いました。例年よりも多くの生徒が参加し、合わせて25名の生徒が交流しました。自己紹介の後、両校の生徒でペアを組み、実習室で約30分ずつ和気藹々とした雰囲気であん摩施術、その後は会議室で座談会を行いました。「本校では文化祭でクイックマッサージをしていますが、神戸市盲ではいかがですか?」、「あん摩の授業は各学年で何時間ずつ行っていますか?」など、意見を交換しながら交流を深めていました。連絡先を交換し合う生徒も見受けられ、在学中そして卒業後も同業の仲間として長く交流を続けていただければと願っています。今年は12月21日(金)の午後、神戸市盲を会場に開催される予定で、生徒たちも交流会を楽しみにしています。 今井 裕二 事 務 局 よ り @皆さんの消息をお聞かせください。事務局に寄せられた皆さん の近況を「会員消息」としてご紹介しています。皆さんご自身の こと、耳に入った他の会員の方のことなどお知らせくだされば幸 いです。また住所を変わられたときもご連絡ください。 A来年度(31年度)の同窓会総会は、例年使用してきたグリーンヒルホテルが改装のため使えなくなりましたので以前使用してきた舞子ビラで行うことになりました。日時は31年6月14日(金)です。ご予定ください。 編 集 後 記  ワールドカップのベルギー戦惜しかったですね。寝不足気味で編集作業を行っています。ところで代表選手の香川真司は神戸市垂水区の乙木小学校の出身だそうですね。母校盲学校のお隣の学校です。  それにしても山本正樹さんの偉大さを痛感させられる作業でしたこのあとまだ印刷作業が続きます。サッカー日本代表と同じく積み重ねた土台の上に新しい歴史を築いていかねばと思っています。 (安富義哲 よしのり)     兵庫県立盲学校(視覚特別支援学校)同窓会事務局  〒655-0884 神戸市垂水区城ヶ山4−2−1  兵庫県立視覚特別支援学校内  090-6823-8364(今井)  岡崎明美 神田ひとみ 中西裕子 山本厚子  - 3 -