天を仰いで 496 無私の仕事人

昨日、ヤフーニュースで「元警視庁の寺尾正大氏が死去」という記事を見つけました。「名指揮官」と言われた伝説の捜査一課長です。恩のある方でした。といってもお世話になったわけではありませんw。著作を通して「警察官」という生き方の一端を教えていただきました。

7年前、異動で兵庫県警察学校で勤務することになりました。教育畑で育った者にとって、まったく未知の世界です。何か参考になる本はないかと必死に探してやっと1冊。「元兵庫県警察本部長」という筆者の肩書が目に止まりました。岡田薫さんの『捜査指揮』です。本書のかなりの部分に寺尾さんのことが書かれていました。

いいところを見せてやろう、課長の鼻を明かしてやろう、去年は隣の係にやられたから、今年はうちが第一号を挙げてやろう、調べで落としていいところをみせてやろうなどといった気持ち、そういう私心があると、まず、ほとんどが失敗します。

捜査は私心があると失敗すると寺尾さんは言います。自身を振り返れば私心ばかり。そんな自分が警察官に何を教えられるのか。悩みに悩みました。本校の校訓「誠実 克己 忠恕」も、結局「私心を断て」ということではないかと思います。今も寺尾さんの教えに悩み続けています。享年78歳。御冥福を心からお祈りいたします。

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