本日、13時25分から1,2年生を対象に人権講演会を開いた。2010年代に入って、在日コリアンの排除を掲げるデモや街頭宣伝が頻発しており、本校でも新入生対象に行う人権アンケートで、在日コリアンの日本名(通名)使用をどう思うかという問いに対して、従来は見られなかった、在日コリアンの特権であるかのような偏見や、在日コリアンが治安を乱す対象であるかのような回答が見られるようになっている。在日コリアンを始めとして、中国、フィリピン、ブラジル国籍などのさまざまな国籍の生徒が机を並べて学んできた本校の歴史にひきかえ、非常に憂慮される事態である。そこで、NPO法人多民族共生人権センターの理事・事務局長文(ムン)公(ゴン)輝(フィ)さんを招いて、「ヘイトスピーチから考える、多民族共生」というテーマで語ってもらった。文さんによって紹介された、ヘイトスピーチを受けた在日コリアンの不安や恐怖の声にはとりわけ聞き心が痛んだ。また、どんなに客観的な事実を積み上げても、在日コリアンに敵意を向けるこれらの人々には通じないということに、関東大震災の朝鮮人の虐殺を思い出させる怖さも感じた。文さんは、2016年に成立した「ヘイトスピーチ解消法」の意義や、在留資格「特別永住者」の歴史的な背景や「在日コリアンには犯罪者が多い」「通名は在日特権である」とかがいかにひどいデマであるかを、一つ一つ丁寧に説明してくれた。生徒たちには90分は長かったと思うが、みんなで「ヘイトスピーチ」のない社会を作り上げねばならないと強く感じる講演会だった。
人権教育担当