第3学期 始業式 校長講話

 みなさん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 令和7年が始まりました。昔から 「1年の計は元旦にあり」といいますが、みなさんはお正月に何を考えましたか。

 元旦とは初日の出のことを指します。「旦」の字は太陽が水平線や地平線から顔を出している姿、「計」は計画のことです。日の出を見ながら今年の抱負を考えるのが、まさに1年の計です。不思議なもので、人は計画を立てる際、最初からサボってやろうとは考えません。むしろ、実現がとても難しいような濃密な計画を立ててしまうものです。それは、決して悪いことではありませんが、実現できないと、計画なんて練っても無駄だと自信喪失してしまう。大切なのはちょっと頑張れば手の届きそうな計画を、階段を上るように立てること。実現できれば自信になり、新しい目標への原動力にもなります。

 いやいや、初日の出も見てないし、計画すら立てていないというみなさん、今からでも遅くはありません。今年の目標を考えてみましょう。

 さて、今年は阪神淡路大震災から30年目を迎えます。昨年は元日に石川県で能登半島地震が起こりましたが、1年たった今でも復興が進まず、以前の生活に戻るにはまだまだ時間がかかりそうです。また、8月には宮崎県でも地震が起こり、その際、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。地震大国と言われる日本ですが、今後、も今以上に防災意識を高める必要があるように思います。

 30年前、結婚してすぐに、私もこの伊丹の地で被災しました。買いそろえた真新しい電化製品や家財道具は一瞬でゴミの山になりました。やっと手に入れた中古マンションは震災後、全壊と判断されました。その後の調査で半壊と修正されましたが、あのときの絶望感や、ローンを払いながら修理代を工面する苦労、「当たり前」が一瞬で「当たり前でなくなる」怖さと喪失感は、今でも忘れることはできません。ただ幸せなことに命は助かった。だから今こうしてみなさんに話ができるのです。大自然の前では人間なんて本当に無力です。防災の意識を高め、自分や家族、周りの人たちの命をどうやって守るのか。1月17日は、そんなことを真剣に考える一日にしてもらいたいと思います。

 最後に、3年生は来週末に「共通テスト」が控えています。体調を整え、全力を出し切ってください。2年生は19日から修学旅行です。インフルエンザがはやっていますので、しっかりと感染対策をしておきましょう。1年生は、そんな上級生の動きを見ながら1年後、2年後のシミュレーションをしておきましょう。 「1月はいぬる、2月は逃げる、3月は去る」といって、体感として、この3ヶ月はあっという間に過ぎてしまいます。一日一日を大切に充実した3学期にしましょう。