最近、新聞を取らない家庭が多いと聞く。若者はテレビも見ないとも。情報はすべてスマホから。だから四六時中スマホを放さない。情報過多の時代、真偽不明な情報の海で溺れないためにも信頼できる「先達」は必要だ。かつては世に流布する噂話の真偽を見極め報道する「新聞」が「先達」の役割を果たしていた。

 今はといえば、それに取って代わるのが「インフルエンサー」だろうか。うちの娘らも化粧品一つ買うのにYouTubeで検索して、「インフルエンサー」の感想を一生懸命収集している。「個人の感想です」なんて“注意書き”も素通りだ。

 「先達」の信頼度はその中立性と経験値にある。利害関係を持たない、熟達した者の判断が「先達」としての信頼度を高めてくれる。

 「少しのことにも先達はあらまほしきことなり」と兼好は言ったが、あふれる情報の海を泳ぎ切るためにも、できるだけ頼りになる「先達」が欲しいものである。