令和7年度 第1学期 終業式校長講話

 みなさん、おはようございます。夏休みを迎えるに当たって、いくつか私からお話をしたいと思います。

 まずはこの1学期を振り返って。1年生、高校生活には慣れましたか。中学校までの義務教育と違い、高校で「単位」という考え方や、文系・理系などの類型の選択があります。また、通学地域も広がるため、新しい友人との出会いもありました。戸惑いも多かったと思いますが、反面、新しい発見や得るものも多かったと思います。この夏休みは部活動や勉強、友人との関係をさらに深め、2学期を迎えてもらいたいと思います。

 2年生は、部活動や行事など、様々な場面で中核の役割を経験した1学期ではなかったですか。この夏休みは、勉強にも部活にもしっかりと取り組んで、自己の進路目標を明確にし、2学期の飛躍につなげてもらいたいと思います。

 3年生にとっては、高校生活最後の夏休みです。大いに楽しんでもらいたいとは思いますが、やはり進路実現に向けてとても重要な時期でもあります。今まで身につけてきたことをさらに深化させる、充実した夏休みを過ごしてもらいたいと思います。

 さて、ここからは最近私が気になっていること、そして、みなさんにも気をつけておいてもらいたいことについて話したいと思います。

 みなさんも知ってのとおり、現在は高度情報社会と呼ばれています。かつてのように「情報化」ではない、「化」のつかない社会になりました。「個人情報」が高値で取引される恐ろしい時代です。私の若い頃は「個人情報」なんてその辺に転がっていました。電話ボックスにも家庭にも「電話帳」なるものが置かれ、電話番号や住所は簡単に手に入りました。ある意味安全な時代でした。今は、スマホを見れば私の趣味に合った情報がどんどん表示され、購買意欲がそそられます。購入方法も簡単で購入ボタンをポチッと押せばすぐに商品が手元に届けられます。便利な時代になりました。でも、これって怖くないですか。私の「情報」が勝手に収集され、私は「情報」に心を動かされてしまっているのです。

 テレビを見ていると「今年のトレンド」や「この夏流行る水着」という言葉が頻繁に聞かれます。よくよく考えると、夏にもなっていないのに「流行る水着」っておかしくないですか。これは、トレンドや流行は誰かに作られているという証なのです。

 このように、気をつけておかないと私たちはすぐに「情報」に踊らされてしまう。本来情報は便利なツールであるはず。世の中はいろいろな「情報」であふれかえっています。しかし、そのほとんどが真偽不明です。私たちはそんな「情報」に踊らされるのではなく、正しい目で「情報」を取捨選択し、利用する。それが高度情報社会を生き抜くための基礎力だと私は思います。

 夏休みは気の緩む時期でもあります。甘い「情報」に踊らされるのではなく、正しい目で「情報」に向き合ってください。3年生で18歳を迎えた人、20日は参議院議員通常選挙の投票日です。是非とも自分の正しい目で、大切な一票を投じてください。

終わります。